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連載小説 サンタドロップス(26)


オフィスの窓際に主人のいない机がぽつんと一つ残されている。緑川さんが辞めてから早一月が過ぎた。

今朝の朝礼で俺は、やる気満々な素振りをして今週の売上目標を高らかに口上した。でも、そんなのは全く俺の本心では無かった。

席に戻りスマホを開くと緑川さんからLINEが来ていた。緑川さん、奥さん、太郎君の三人が軽トラの前で微笑んでいる写真だった。後ろの山の向こうには、青々とした海が広がっている。


「今度の休み紀伊半島に行ってみようよ!緑川さんに会いに行こう」

その夜、俺はあかねさんに写真を見せながら言った。

「わあ、綺麗な所ね、行こ行こ!太郎君元気かな、楽しみだなあ」

ほろ酔いのあかねさんは、ほんのりとピンクに染まった頬でニッコリと微笑んだ。


つづく

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