連載小説 サンタドロップス(27)
新幹線と在来線を乗り継ぎ、四時間程掛けて到着したのは、小屋の様に小さな古びた無人駅だった。
「よう久しぶり!長旅お疲れさん、よく来たね」
白い軽トラに乗って迎えに来た緑川さんは、日焼けしてサラリーマン時代より健康的に見えた。白い歯をキラリとさせ微笑む顔は少し精悍な印象に変わっていた。
「じゃ、あかねさんは助手席で、三田君は悪いが荷台に乗ってくれ、山道に入る迄はシートで身を隠しといてな」
俺は軽トラの荷台に乗り込んでブルーシートを頭から被った。
ガタガタと揺られながら十分程走った所であかねさんが、もう出て良いよー、と言うので俺は頭に被っていたブルーシートを取った。
軽トラはうねうねと山道を登って行く、大きなカーブを曲がると一気に視界が開けた。山の麓には青々とした海が見えた。
俺は両手を広げて大きく深呼吸し、新鮮な空気を胸いっぱいに吸い込んだ。
つづく
