見出し画像

連載小説 サンタドロップス(17)


セーフ!!

審判は大きく手を広げジェスチャーした。太郎君のサヨナラランニングホームランだ。

やったー!チームメイト達が全員ベンチを飛び出して太郎君の回りを囲んで祝福している。

応援席の保護者達も歓喜に湧いた。僕は緑川さんと奥さん、そしてあかねさんとエアハイタッチをした。あかねさんとエアじゃないタッチがしたかったなあ、と俺は思った。

三田君、この後打ち上げがあるから来なよ、と緑川さんが誘ってくれた。俺はあかねさんと親しくなれるチャンスだと思ったが、いえ部外者ですから、と心と裏腹に一応断ってみた。でも、三田さん、お時間あればぜひ、とあかねさんに言われ、俺は、はい行きます!と即答した。

打ち上げ会場は居酒屋の二階の大広間だった。俺は緑川さん夫妻の隣に座り、向かいにはあかねさんが座った。乾杯のビールはあかねさんが注いでくれた。僕は返杯しようと慌てて近くのビールを手に取ったが、緑川さんに先を越されてしまった。

乾杯の音頭は監督だ。乾杯を終え、目の前のあかねさんがいよいよマスクを外す時が来た。俺はビールのグラスを口を当てて飲む振りをしながらマスクを外すあかねさんを凝視していた。


つづく

前のページ(16)←  →次のページ(18)

1ページから読む←




いいなと思ったら応援しよう!