連載小説 サンタドロップス(7)
ワンルームのアパートの安っぽいシングルベッドに寝転がり、俺はドロップスの缶を眺めていた。
何でも願いの叶うドロップってか、願い、そうだなあ、何にしようか、とぼんやり考えていた。
俺はドロップスの缶の蓋を開け手の平の上で振り出すと、コロンと赤のドロップが出て来た。よし、試しに一個舐めてやろう、俺は赤のドロップを口に放り込んだ。
子供の頃食べた甘くて懐かしい味、ごく普通のドロップだった。まあダメ元だ、ならば凄いお願いをしてみるか、俺はドロップを舐めながら目を閉じた。
"あの日スクランブル交差点ですれ違った、綺麗な女が俺の彼女になりますように"
俺はドロップを舌の上で転がしながら、溶けて無くなるまで何度も何度も願い続けた。
つづく
