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連載小説 サンタドロップス(14)


週末俺は、太郎君の野球の試合を見に河川敷にあるグランドに向かった。大きな一級河川の河原には草野球場が幾つも並んでいた。昔こんなグランドで毎日汗を流していたなあ、と俺は懐かしい気持ちになった。

ドンマイドンマイ!バチコイバチコイ!沢山の少年達が大きな声を出してプレーしている。ああ、やっぱり野球っていいなあ、俺は目を細めながら、キラキラした目で全力プレーする少年達を眺めていた。

おーい、三田くーん、こっちこっち!と対面のグランドで緑川さんが手を振っている。俺は手を振り返し小走りでグランドに向かった。

三田のお兄ちゃん、僕昨日遅くまで素振りしたんだ!と太郎君はマメの出来た両手の平を俺に見せた。俺は、がんばれよ、自信持って行け!と太郎君を激励した。

太郎君、がんばってね!と言う若い女性の声がしたので、俺は声の主の方を見た。緑川さんの奥さんの隣に薄いピンクのマスクをした女の人が立っている。

え、まさか、俺は思わず息を飲んだ。

間違いない、あの日スクランブル交差点ですれ違ったあの人だ。


つづく

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