「1杯の牛乳」の背景に、約720日
10年ほど前、
スーパーで買い物をしていたら、
小さな女の子が、お母さんにおねだりしていました。
「ねぇ!ママ~!ぎゅうにゅう、かってよ~!」
牛乳をおねだり?!
なんか、ちょっと珍しいパターンだな(笑)
「買わないわよ」
「えぇ~?!パックのぎゅうにゅう、かってよ~!」
「だって、おうちにびんの牛乳あるでしょ!」
…おじょうちゃん、そりゃ、おうちの「びんの牛乳」のほうがいいって。
そっちのほうが、絶対おいしいから…(笑)
でも、きっと女の子は、
家では登場しない「紙パックの牛乳」に、憧れがあったのでしょう。
どっちが「いいやつ」というのは大人の価値観で、子どもの気持ちは違う次元なのかもしれません。
そんな親子の会話を聞いた日から、時は経ち、
最近は我が家でも、
生活クラブの「びんの牛乳」を飲んでます。
あの時出会った、上品なお母さんと女の子のような「良さそうな」家庭では、決してないのですが😅
超庶民の私が「生活クラブ」を利用しはじめた理由は、こちらの記事に書いてます ↓
※利害関係があって宣伝するための記事ではありません。自分が「いいな」と思うもの、知って学んで「伝えたいな」と思うことを紹介する目的で書いています。
「生活クラブ」は、生協(コープ)の一つですが、
はじまりは「牛乳」だったのだそうです。
1965年に、200人あまりの主婦が集まって、
牛乳の共同購入をしたところから始まりました。
その後、「安心して飲める牛乳」「誰がどうやって作ったかわかる牛乳」を求める声が大きくなり、
1979年、組合員と酪農家とが共同出資して、
牛乳工場「新生酪農」を設立したのだそう。
今、我が家で飲んでいるのも、この新生酪農の牛乳です。
**
牛乳って、いつでもスーパーで売ってるし、
給食にも毎日出てくるし、
ふだん、なにげなく飲んでいると思います(私も)。
でも、よぉ~く考えてみると、
牛乳=牛のお乳。
お母さん牛が、赤ちゃん牛を育てるために出すものです。
お母さん牛は、子牛を出産しないと、お乳が出ません。
そりゃそうか。
私だって、子どもを出産して初めて母乳が出ました。
牛も、人間も、同じ。
「牛乳」の背景には、牛の妊娠・出産が必須です。
よく考えたら当たり前のことなのに、
「牛乳」という、商品として切り取られた姿しか見ていなくて、
手元に届くまでの背景に、想いを馳せたことなんて、ありませんでした…。
雌牛が誕生してから
哺育期間が、約60日。
離乳して
育成期間が約380日。
ようやく、お母さん牛になれる齢にまで成長したら
受精して、妊娠して、
妊娠期間が、約280日。
ついに、出産して、
お乳(牛乳)が出るようになります。
実に、誕生から搾乳までに約720日(約2年)。
今日、私たちが飲む牛乳は、
約2年かけて、酪農家さんたちが育てたお母さん牛からの贈り物なのですね。
この話を、初めて知ったとき、
もっと感謝して、牛乳をいただかなくてはいけないなぁと思いました。
牛乳に限らず、肉も、魚も、野菜も。
スーパーに陳列された「商品」ではなく、
そこに届けられるまでに、作る人、運ぶ人など多くの人が関わり、
生き物の命を、いただいている。
食べ物の、その背景を想像すると、
自分で作れない分、なおさら、「ありがたい」気持ちでいっぱいになります。
ちなみに、生活クラブの牛乳は
「パスチャライズド牛乳」といって、
市販の牛乳とは、殺菌方法が異なるのだそうです。
日本で流通しているほとんどの牛乳は、
120~150℃で 1~3秒
という超高温殺菌。
高温かつ短時間で殺菌できるため、生産効率に優れています。
ただ、身体にとって有用な善玉菌まで死滅させてしまうとともに、
たんぱく質の熱変性も起こってしまいます。
(たんぱく質って、熱をかけると「変性」といって、別の性質のものになってしまいます。
生卵とゆで卵では、同じ「卵」ですが、熱をかけると見た目も食感も別物になりますよね)
牛乳は、子牛を育てるためのものなので、
子牛が病気にならないようにラクトフェリンや免疫グロブリンなどの免疫物質が含まれていたり、
骨を成長を促すたんぱく質など、成長に必要な物質がたくさん含まれています。
それらが、高温殺菌によって壊れてしまうのです。
一方、生活クラブのパスチャライズド牛乳は、
72℃で 15秒
と、一般的な牛乳よりも低い温度で殺菌します。
(パスチャライズド製法には「63℃で30分」などの殺菌方法もあります)
ちなみに、試験管で有名なパスツールさんが考案した殺菌方法だから「パスチャライズド」って言うらしいですよ!
生乳の栄養や味わいを損なわない殺菌方法で、
ヨーロッパでは、こちらが主流。
高温だと変性してしまうたんぱく質や、死滅してしまう善玉菌などが、損なわれずに残っています。
また、高温でたんぱく質が変性して感じる「牛乳臭さ」が少ないのも特徴。
実は私、温めた牛乳が苦手なのですが、
パスチャライズド牛乳は、レンチンで温めても、臭みがなくて美味しく飲めます。(これ、ホント!)
このパスチャライズド製法をするのに、
重要なのが牛乳の鮮度です。
鮮度が悪く、生菌数が多い牛乳では、低温殺菌だと殺菌しきれません。
牛乳工場と近い地域(千葉・栃木・長野など)の酪農家と提携し、
品質の高い生乳を生産するために、乳牛の健康を第一に育て、
独自の乳質基準も設けているのだとか。
さらに、牛のエサにもこだわり。
生活クラブでは、「遺伝子組み換え作物を使用しない」という原則があるので、
・遺伝子組み換えでない飼料
・収穫後の農薬を使っていない飼料
・国産の飼料用米やトウモロコシ(エサも国内自給率アップ)
などを、乳牛のエサとして使っています。
もう一つ、「いいな」と思うのが、
生活クラブのパスチャライズド牛乳は、
リユースびんに入っていること。
びんは回収されて、繰り返し使われる(リユース)ので、ゴミが減る!環境に優しい♪
おかげで最近我が家は、牛乳パックを洗って乾かして開く…という一連の動作から解放されています。(開くのが地味にめんどい…)
牛乳びんのキャップや、開封時に外すサイドスコアも、回収して集められ、ゴミ袋へリサイクルされます。
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たかが牛乳。
されど牛乳。
いや、「たかが」じゃないですね。
酪農家さんが大切に育てたお母さん牛が出してくれる、栄養豊富な「食べ物」です。
生活クラブの牛乳を紹介しましたが、
どこで作られた牛乳でも、
長い飼育期間を経て、お母さん牛からいただいているものだということは同じ。
急に生産量を増やしたり減らしたりはできないものです(コロナの一斉休校で、学校給食の牛乳が余ってしまった話もありました…)。
最近は、牛乳離れが進んでいる上、
飼料の価格高騰や燃料費高騰などで酪農家さんは厳しい環境におかれ、後継者不足も重なって、
酪農家の数は年々減り続けています(昨年は500戸も減ってしまったそう…)。
これからも牛乳が飲めるように、
チーズやアイスや生クリーム(ケーキやお菓子も)が食べられるように、
作られた背景に想いを馳せながら、
継続的に、大切に、いただこうと思います。
牛乳の他にも、
コーヒーの生産者に想いを馳せて…。
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