【データ分析】「横浜FC 期待値から検証する“2025シーズン”」
【データ分析】
「横浜FC 期待値から検証する“2025シーズン”」
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Ⅰ.「はじめに」
本記事は「ゴール期待値」を使用した「データ分析」シリーズの第3弾であり、ベルマーレ・アルビレックスに続いて、同じく「J2降格」となってしまった“横浜FC”を対象とさせて頂きます。
現状確認
36節終了現在「18位」の横浜FC。
既に「J2降格」は確定。更に先日、三浦文丈監督の今シーズン限りでの退任も決定。
選手としては気持ちの作り方が難しい部分もあるかもしれませんが、次節は今シーズン最後のホームゲームということで、ここで5試合ぶりの勝利を掴み、来シーズンに向けて良い流れを作るという意味でも、連敗を止めておきたいところ。
本記事の目的
本記事では「ゴール期待値」を使用した「データ分析」の観点から、今シーズンの横浜FCの成績は“正当なもの”であったのか否か、この点に関して検証して行きたいと思います。
なお、四方田体制と三浦文丈体制の成績は分けて検証させて頂きますが、これはより正確な分析・検証を目的とした行為であり、それ以上でも以下でもないことを、予めお伝えしておきます。
また、本記事のデータは「J STATs」(データスタジアム株式会社)から引用、もしくは引用した値をベースに算出させて頂いております。
また、僕はデータ分析の専門家ではないため『サッカーはデータが10割 最強アナリストが明かすプレミアリーグで優勝する方法』イアン グラハム(著)/木崎伸也(監修)を参考文献とさせて頂いております
※「期待値」は万能なデータではありません。故に本記事の内容も絶対的なものではございません
※ 参考文献の書評を書かせて頂きました。併せてお読み頂けると嬉しく思います
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Ⅱ.「実績と期待値」
「ゴール期待値」とは
検証に入る前に、まず「ゴール期待値」の説明を簡単にさせて頂きます。
「ゴール期待値」とは「シュートが得点となる確率」(0~1)のことであり、表Ⅰ・Ⅲの数値は「1試合分の総数」(データ上、期待されたゴール数)となっております。
ちなみに「被ゴール期待値」は「対戦相手のゴール期待値」と同じ値となります。
例えば「ゴールエリア内・ゴール正面からのシュート」であれば、得点となる確率が高いことは容易に想像がつくかと思います。そのため「ゴール期待値」は高い値(1に近い値)となります。
対して「ゴールから35m・角度40度のシュート」の場合、得点となる確率が低いことは容易に想像がつくかと思います。そのため「ゴール期待値」は低い値(0に近い値)となります。
この様に1試合の中で放たれたシュート全てに値付けをし、その総数を計算したものが、表Ⅰ・Ⅲの「ゴール期待値」となっています。
なお、実際には「ゴールへの距離」「シュートの角度」だけでなく、様々な要素を考慮した上で、各データ会社はゴール期待値を算出しております。
また「実際のスコア」が「ゴール期待値」を上回っている場合、「難易度の高いシュートが得点となった」もしくは「相手GKがミスを犯した」と考えることが出来、逆に下回っている場合、「難易度の低いシュートを外した」もしくは「相手GKがビッグセーブをした」と考えることが出来ます。
「期待値上の勝ち点」とは
「期待値上の勝ち点」とは「ゴール期待値」上でのスコアを勝ち点に換算した値となります。
例:ゴール期待値「1.723対0.824」の場合、前者に「勝ち点3」を付与
ただ「1.342対1.415」という様な僅差の場合、これで後者のクラブの勝利と判断するのは、少々、乱暴であると思われ、それと同時にどこかで線引きは必要になって来るということで、本記事では「小数点第1位」を四捨五入した上で勝ち点に換算させて頂きます。
例:ゴール期待値「2.32対2.73」の場合「2対3」と見做し、後者に「勝ち点3」を付与
例:ゴール期待値「1.32対1.41」の場合「1対1」と見做し、両者に「勝ち点1」を付与
注:ゴール期待値「0.51対1.49」と数値に開きがある場合も「1対1」と見做すことになってしまうという、ある種の欠落が本検証には存在
なお「期待値上の勝ち点」という定義は、僕が個人で決めたものであり、データ分析の世界で実際に使用されているか否かは、専門家ではないため分かり兼ねます。
ただ「ゴール期待値上のスコア」で試合を評価する手法は『サッカーはデータが10割 最強アナリストが明かすプレミアリーグで優勝する方法』の中で、著者である、イアン・グラハム氏がクロップ監督(当時)に「データ分析とは何か」を説明する際にも用いられています。
※ イアン・グラハム氏:リヴァプールのリサーチ部門責任者(当時)
ゴール期待値から観る「四方田体制」

※ 24節終了時点で解任

※ 期待値は小数点第1位を四捨五入
表Ⅰ・Ⅱの通り、四方田体制では「実際の勝ち点」が“19”であったのに対し「期待値上の勝ち点」は“29”となっており、この点から実際の成績よりも優れたパフォーマンスであったことが推測されます。
「期待値上の勝ち点」が大幅に増加している要因のひとつは、表Ⅰ・Ⅱを見る限り「期待値上は引き分けが妥当」である試合を、実際には数多く落としている点にあると考えられます。
実際「1節・7節・8節・12節・14節」は、正にその様な期待値・結果となっており、更に14節以外は、四捨五入しなければ、期待値で相手を上回っているため、厳密に言えば勝利していても不思議ではありませんでした(表Ⅰ参照)。
また、四方田氏解任の決め手のひとつとして、クラブが挙げている「19節~24節」の6連敗に関しても、特筆すべきデータがあります。
「20節vs川崎F」「21節vs広島」に関しては、期待値上は、十分に勝利と判断できるスコアとなっているのですが、実際は「0-1」「0-4」で落としてしまっています(表Ⅰ参照)。
中でも21節に関しては、見間違いかと目を疑う程、実際の数値から大幅に上振れしており、データ分析の観点から言えば、少し酷な現実であったと言えるかもしれません。
なお、シーズン通して、期待値通り「24試合・勝ち点29」ペースで勝ち点を積み上げた場合「38試合・勝ち点45.9」となり、これは今シーズンの残留ラインを超える値となっています。
ゴール期待値から観る「三浦文丈体制」

※ 36節終了現在

※ 期待値は小数点第1位を四捨五入
※ 36節終了現在
表Ⅲ・Ⅳの通り、36節終了現在、三浦文丈体制では「実際の勝ち点」が“13”であるのに対し「期待値上の勝ち点」は“8”となっており、期待値を上回る結果を残しています。
そして、その要因は表Ⅲ・Ⅳ・試合映像を見る限り「堅守」にあると考えられます。
実際「26節・29節・31節・32節」に共通して言えることとして、「実際の失点数」が「期待値上の失点数」を下回っており、その結果、期待値を上回る勝ち点を獲得することが出来ています(表Ⅲ参照)。
なお、個人的に三浦文丈体制に関しては、「1試合」しかビデオ分析はしておりませんが、その1試合に限れば、確かに四方田体制よりも、より「堅守」「シンプルな攻撃」に舵を切っていた印象を持っているため、そういった意味で、今回の検証結果は納得感のあるものとなっています。
以上の点から、繰り返しになりますが、期待値を上回る数字を残した、三浦文丈体制での「堅守」は評価されるべきポイントであり、その堅守を武器に、識者の間で残留ラインの目安とされる「1試合平均勝ち点1以上」を獲得した結果は、悪くなかったと考えられます。
その一方で、実際の数値・期待値上の数値の両方で「12試合・10得点」となっており、結果・パフォーマンスの両面で、得点力に課題があることも否めないかと思われます。
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【データ分析】「横浜FC 期待値から検証する“2025シーズン”」は以上なります。
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