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アイデアが浮かんで時間が経っても世のなかにないならば検討に値するかも


はじめに


 世のなかにはさまざまな新しい考え方や、それにともなうあらたな技術や製品が生まれてくる。頭のなかに置いたたままならば、ほかに世のなかに出てこないかぎりその新規性は失われることはない。

そんなアイデアは直ちに実験や試作で明らかにして特許をとるなり論文に発表するなりすべきかもしれない。だがそのいずれも費用が相応以上にかかってしまうもの。そのためだれにも話さず、ノートもとらず頭のなかに残したままに。

きょうはそんな話。

世に出す


 新しい考え方はそんなに頻繁に価値のあるレベルまでのものは出てこないもの。それだけになるべく数多くいろいろと調べて頭に思い浮かべる。たいていその多くは翌日には陳腐だなと思えて、ヒトに触れないままあたまの隅に追いやる。

ところがなかには翌日も消えずに頭から離れず、どうのこうのと思案をつづけることが。あれこれ調べたり、既知や既報でないか論文をさかのぼって調べたりや特許公報などを検索したり。それでも行き着かない、見つからないときは片頬をゆるめる。ここではじめていちばんの協力者に相談することも。その結果、その日が考案日になる場合がある。同時に特許申請に着手する準備や請求項はどれとどれというふうに段取りを準備していく。

同時にやること


 最近はそれに加えて申請に必要な費用をどう工面するか、あるいは論文投稿料をどうやって確保するかのほうが頭が痛い。国際特許となるとなおさら。これはあきらかにさまざまな方面の協力の場を活用したいし、いままでもやむなく権利の一部をそうしたところへ移譲する契約を結ぶ場合も。

研究費が潤沢でないので、いちばんだいじなこうした部分にしわ寄せが来てしまう。クラウドファンディングのように資金を集める方法では権利期間があっさり終わってしまう。このクニの資産になりうるかもしれない技術。ここへの公的な支援や助成がもっとあるといいのにといつも思う。

あたまのなかで


 頭のなかに出てくるタイミングはそんな都合よくはいかない。助成金をいただいてから考案するような器用なことはできかねる。アイデアが出てきたけど資金がない、さあどうしようとなりがち。アイデアだけではたいていのこうした助成金などにはつながらないもの。実績などが伴わないと審査にすらあがらないのもよくわかる。

それではどうするか。たいていはあたまのなかに押し留めただけで辛抱する。その多くはわたしがいなくなれば泡のごとく消えるのみ。いったん表に出してしまうと権利期間はほんの数か月しかない。

どうすべきか


 もはやその費用の工面の煩わしい作業に追われてしまうばかりは本望でない。権利を産業界へと橋渡してもらえる組織の活用をすすめるのもひとつかもしれない。たとえばTLO(Technology Licensing Organization )などの技術移転機関ががそれにあたる。

そのかわり大学の費用や機材を使って生じた発明ならば、まずは大学がその権利を主張する。放棄してくれなければその権利移転は成立しない。特許の民間への売りこみにうごきの遅い大学ではすぐに陳腐化しかねない。

おわりに

 あくまでもTLOは学外の別組織なので、大学が放棄しないといえばやはり大学の研究者自らが中心となり、企業とのあいだでその煩わしい作業(一部かもしれないが)に従事せねばならなくなる。もちろん大学に知財本部はある。だが実質的には発明した研究者本人が特許の内容に関して把握しているので、実質的に事務的な作業のかなり詳細まで時間をとられたうえに、アイデアをつかいたい企業などとの交渉すら行わねばならない。

特許は維持するだけでも費用がかかるため、その費用の工面も必要になる。はたして今の余裕のない大学でそれができるだろうか。


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