ヒトは硬い殻やするどい爪やとがった角をもつようには進化していない生き物のはずだが
はじめに
主宰するメンバーシップのまなびの森では「キャンベル生物学」をとりあげていっしょに学んでいる。ようやく4割ほどのページまで進み、内容は地球の生命史。こうしてあらためて丹念に読みすすめると耳新しい、あるいは再認識させられることが多い。防御や攻撃のための部分を身にまとう必要がなかった生き物たちのいる地質年代がかなり長い。さて、ニンゲンは…。
きょうはそんな話。
メンバーシップで
ネットで学ぶメンバーシップ。noteにはそんなしくみが備わっている。リモートでやりとりしてすでに何年になるだろう。「まなびの森」と名づけたのはまだ1,2年ほどのこと。広く捉えれば、実際にお会いして学びや研究をサポートしている大学生たちもこのメンバーと言っていい。
ふだんは遠く離れてまだ1度しかお会いしていない方もいる。そんな形で今まなびの対象にしているのが「キャンベル生物学」この分厚いテキストを毎週読み進めつつ、関連する分野の最新の生命科学や科学技術の学術論文をともにとりあげる。
生命の進化
そのなかで今年に入ってからは生命の歴史がテーマ。この分野も進展が著しい。ようやく一部が系統分類上の位置づけがなされつつある5億年前に現れたエディアカラ生物群。こどもたちが描くような生き物たち。じつに興味深いしいったいこれらの生き物はどんな生活をしていたのか興味が湧く。
彼らのあとのカンブリア大爆発で登場する生物たちのようすは様変わりしていると気づいた。このテキストは図表とともにイラストが豊富でしかもその表現がていねいですばらしい。その生命史の動物群中にならぶイラストを見ていてふと気づいた。

その頃に枝分かれして出現した生物たちは固い殻に覆われたり、軟体動物でありながらかたつむりのように殻のなかに入ったり。なかにはするどいつめや攻撃につかえる前足を持つものが目立つ。それ以前の生き物たちの多くはやわらかなからだのままのものが多いようだ。
変化のようす
それまでの地球上の動物たちのほとんどは水中で暮らしていた。最初のうちは動物たちの食べものは藻類など。ほかには濾過食、腐肉食がほとんどだったらしい。つまり相手となる「捕食者」から身を守る必然性がほとんどなく、からだはやわらかなままでよかった。
ところがカンブリア大爆発とよばれる時代には動物のなかにあきらかに肉食者が現れ、それから身を守る術をもつ必要が出てきたという。なるほどそれで硬い殻や鎧のような外骨格のものが現れたわけか。
おわりに
さて、それからずっとあとに出現したヒト。地球の歴史を1日に例えると、三葉虫の古生代は午後10時過ぎ、恐竜のいた中生代は午後11時すぎ。ヒトはたったの4.8秒前。殻も甲羅も角も持っていない。これはどういうことだろう。とはいえ生命史のなかでは7ケタもの年月を経ているのにいまだに好戦的な面を持ち合わせている。これほど戦いを好むのはのちになってからかもしれないが、これはどういうことか。
なにも生命史上にヒトを置いて、その点を考えるのはちょっとちがうのかもしれないが、素朴な疑問。内骨格でやわらかなからだ。そのかわりに脳が発達してさまざま知恵を活用し、武器や防御に際限がない。もっと知恵をはたらかせなさいということでは。その「知恵」をじゅうぶんに使えているとは言い難い面が目立ってしまう。
生物学のテキストを通じて、社会のこんな面について思考が飛ぶとは思いもしなかった。
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