人事担当者の日々のつぶやき #9
知ってるけど、言えないこともある
人事をしていると、たまに少し困る質問がある。
「○○さん、なんで休んでるんですか?」
「異動の理由って何ですか?」
「退職するって本当ですか?」
「あの件、人事は知ってるんですよね?」
知っていることもある。
でも、言えない。
ここが地味に難しい。
何も知らないふりをするのも変だし、かといって事情を説明するわけにもいかない。
なので、
「その件は個別の事情もあるので、お答えできないんです」
みたいな返しになる。
ときもある。
たぶん、聞いた側からすると少しモヤっとする。
「知ってるのに教えてくれないんだ」
と思われることもある。
まあ、そうなんです。
知ってるけど、言えないんです。
人事には、いろいろな話が集まってくる。
本人から直接聞くこともあるし、上司や会社から共有されることもある。
だからこそ、扱いを間違えるとまずい。
本人が人事に話したことが、いつの間にか職場で広まっていた。
そんなことが一度でも起きれば、「人事に相談しても大丈夫」という感覚は簡単に崩れる。
とはいえ、何でも秘密にすればいいわけでもない。
業務上、共有が必要なこともある。
上司に伝えないと対応できないこともある。
本人の希望だけでは決められないこともある。
毎回、「どこまで、誰に、伝えるか」を考える。
これが難しい。
この悩みと向き合い続けらるかどうかが
人事の適性とも思う。
たぶん人事の仕事は、情報をたくさん持つことより、持っている情報を雑に扱わないことのほうが大事なのだと思う。
なので今日も、
「人事なら知ってますよね?」
と聞かれたら、
少しだけ困った顔をしながら答える。
「知っていることもありますが、言えないこともあります」
あまり気の利いた返しではない。
たぶんそれくらいでいい。
答えないことにも勇気がいる場面がある。
わからないふり、知らないふりをしているときが多いかも。
どうしても、しつこいときは
「個人情報なので言えないですね。」
もし、さらに、しつこいときは
「そもそも、あなたが知る必要のないことです。」
という話だ。
他人の事情を詮索する時間があるのなら、
目の前の仕事に集中すべきだ。
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