第10回実戦経営アドバイザーの使い方まとめ
本マガジンでは、実戦経営アドバイザーがどのような場面で活用されることが多いのかを、9回にわたって整理してきました。
共通しているのは、
「答えを提示すること」ではなく、
経営者が自分で判断できる状態を整えることです。
経営の現場では、問題がまったく分からないというより、複数の論点が同時に存在し、判断が重くなっている状態が多くあります。
例えば
・新規事業を進めたいが、どこから検証すべきか迷っている
・既存事業も見ながら、どこまでリスクを取るか悩んでいる
・承継後、自分なりの経営方針をどう作るか考えている
・会議はしているが、議論が広がり結論が出ない
・投資を続けるか撤退するか決めきれない
・情報を集めるほど、かえって迷いが増えている
こうした状態では、能力や経験が不足しているわけではありません。
多くの場合、
・事実
・意見
・不安
・期待
・過去の経験
・周囲の反応
が頭の中で混ざり、
・今決めること
・まだ決めなくてよいこと
の整理がついていないことが、判断を重くしています。
本マガジンで整理してきた主なテーマ
① 論点が多く、何から考えるべきか分からないとき
複数のテーマが同時に存在すると、すべてが同じ重さに見えやすくなります。
まずは論点を分け、判断の順番を整理することで、思考の負荷が下がります。
② 新規事業・第二創業で方向性に迷うとき
重要なのは、最初から正解を当てることではなく、検証の順番を整理することです。
どこから試すかが明確になると、リスクを抑えながら前に進みやすくなります。
③ 承継後に自分の経営スタイルを作るとき
承継直後は、変えるべきことと変えなくてよいことが混ざりやすい時期です。
順番を整理することで、「自分の経営」の輪郭が見えやすくなります。
④ 会議をしても結論が出ないとき
会議で扱う論点、役割、判断の順番が混ざると、議論は長くなっても前に進みにくくなります。
何を決める場なのかを整理することで、会議の機能が変わります。
⑤ 投資や撤退の判断に迷うとき
重要なのは、「続けるかやめるか」の前に、判断基準を整理することです。
何を守り、どこまでリスクを取るかが見えると、判断がしやすくなります。
⑥ 答えを求めたくなるとき
経営では、最初から外に正解があるとは限りません。
必要なのは答えではなく、自分が何を前提に判断するかの整理です。
⑦ 合う人・合わない人の違い
この支援は、代わりに決めてほしい人よりも、
自分で判断するために整理したい人に合いやすい特徴があります。
⑧ 60分の壁打ちで行っていること
行っているのはアドバイスの提示ではなく、
混ざっている論点を分け、判断の前提を整理することです。
⑨ 壁打ちのあとに起きやすい変化
その場で結論が出ること以上に、
その後の会議や判断の進み方が変わることに意味があります。
構造整理
実戦経営アドバイザーの役割は、次の流れを整えることです。
強み
↓
価格
↓
粗利
↓
投資余力
↓
持続成長
売上規模を追う前に、
・どこに価値があるのか
・どの価格が成立するのか
・粗利が確保できる構造になっているか
・再投資できる余力があるか
を整理することが重要になります。
多くの場合、経営が苦しくなるのは、
能力や努力が足りないからではなく、
判断の順番と構造が曖昧なまま進んでいることが原因です。
実戦経営アドバイザーが使われる場面
比較的多いのは、次のようなタイミングです。
・方向性はあるが、確信が持てない
・選択肢が増えすぎて整理できない
・会議で議論はしているが前に進まない
・既存事業と新規のバランスに迷いがある
・判断を先送りしている感覚がある
・一人で考えていると論点が増えていく
これらはすべて、「問題がない状態」ではなく、
むしろ経営が進んでいるから起きる状態でもあります。
この支援の特徴
提供しているのは、
知識
ノウハウ
正解
そのものではありません。
中心にあるのは、
判断の前提
論点
優先順位
時間軸
を整理することです。
その結果、
・何を先に決めるべきかが見える
・何を保留してよいかが分かる
・次に確認すべきことが明確になる
・自分の判断として持てるようになる
という変化が起きやすくなります。
まとめ
経営では、すべてが明確になってから動けることは多くありません。
不確実性がある状態のまま、判断していくことになります。
だからこそ重要なのは、
正解を探し続けることではなく、
自分の判断が機能する状態をつくることです。
実戦経営アドバイザーは、
答えを提示する人ではなく、
経営者が
考え
決め
動ける状態
を整える支援を行っています。
「何かが重いが、何から整理すればよいか分からない」
そう感じる段階でも問題ありません。
整理されてから相談するのではなく、
整理するプロセスそのものに価値があるためです。
必要なタイミングかどうかを含めて、一度整理してみませんか。
※本記事は、複数の支援経験をもとに再構成した内容です。実在の企業・人物とは関係ありません。
📩 判断に迷いがあるときの簡易チェック
次のような状態はありませんか?
□ 何が問題なのか、うまく言葉にできない
□ 論点が多すぎて、どこから考えるべきか分からない
□ 人に相談しても、整理されるより論点が増える
□ 決めたいことはあるが、判断基準がはっきりしない
□ 答えがほしいというより、まず頭の中を整えたい
もし2つ以上当てはまる場合、それは能力や経験の問題ではなく、論点や判断の順番が整理されていない状態かもしれません。
私は、「こうすべきです」と一方的に答えを示すのではなく、経営者が自分の前提・論点・判断軸を整理し、自分で決められる状態を整える支援を行っています。
60分の壁打ちでは
・いま何が混ざっているのか
・今回、何を判断したいのか
・その判断で守りたいものは何か
・次に何を確認し、どう動くべきか
を一緒に整理します。
まだ相談するほどか分からない、という段階でも問題ありません。
整理する前の混ざった状態にこそ、壁打ちの意味があるからです。
必要なタイミングかどうかを含めて、一度整理してみませんか。
👉 お問い合わせ
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✉ info@jissenstrategy.com
熊谷 篤(くまがい あつし)
実戦経営アドバイザー/中小企業診断士
年間400件以上の経営相談に対応。承継後3年以内の後継者・創業者・第二創業の経営者を中心に、現場で「考え、決め、動ける状態」をつくる伴走支援を行っています。
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