見出し画像

相談が早い会社と、手遅れになる会社の違い

「もっと早く相談すれば良かったです。」

相談が終わったあと、
ある経営者が静かに言われました。

その会社は赤字ではありませんでした。
資金繰りも、まだ回っていました。
社員が次々と辞めていたわけでもありません。

だから、
「まだ相談するほどではない。」

そう思っていたそうです。

でも実際には、
社長自身が限界に近づいていました。

休日も会社のことばかり考える。
夜中に目が覚めて、資金繰りを頭の中で計算する。
幹部会議では同じ話を繰り返し、

何を優先すればいいのか、自分でも分からなくなっていました。

その状態が半年ほど続いていたそうです。


本当に遅れていたのは、会社ではありません

私は年間400件以上の経営相談をしています。

現場で感じることがあります。

手遅れになる会社は、
最初から危機的な状態だったわけではありません。

ほとんどの会社は、
もっと前に違和感がありました。

売上が少し落ち始めた。
幹部との認識が少しずれてきた。
資金繰りが少し気になり始めた。
社員の表情が以前と少し違う。

でも、
「もう少し様子を見よう。」
「まだ大丈夫だろう。」

そう考えます。

その判断自体が悪いわけではありません。

問題は、
違和感を整理しないまま時間だけが過ぎていくことです。


問題は、一つのままでは終わりません

経営の問題は、
時間が経つほど複雑になります。

売上が少し落ちる。
利益が減る。
投資を控える。
採用を見送る。
現場の負担が増える。
さらに売上が落ちる。

最初は一つだった問題が、
いつの間にか、

資金繰り
人材
組織
営業

すべてが絡み合ってしまいます。

だから相談に来られた時には、
「売上を増やしたい」

という話ではなく、
「何から手を付ければいいのか分からない」

という相談になっていることが少なくありません。


一方で、相談が早い会社は何が違うのでしょうか

意外かもしれません。

相談が早い会社は、
経営が順調だから相談しているわけではありません。

違和感を放置しないのです。

「この判断で本当にいいのだろうか。」

そう感じた段階で、
一度立ち止まり、
頭の中を整理しています。

問題が小さいうちは、
使える選択肢がたくさんあります。

時間があります。
資金もあります。

だから焦らず判断できます。

結果として、
大きな問題になる前に方向修正できるのです。


私は、相談を急がせることはありません

誤解していただきたくないことがあります。

私は、
「今すぐ契約してください。」

とは言いません。

実際に、
「今はまだ相談しなくても大丈夫ですよ。」

とお伝えすることもあります。

まだ社長自身で整理できそうなら、
その方法をお伝えして終わることもあります。

私が大切にしているのは、
契約ではありません。

経営者が、
納得して意思決定できる状態になることです。

だから無理に相談を勧めることはありません。

ただ一つ、お伝えしたいことがあります。

違和感があるなら、
放置しないでください。

違和感は、
会社から経営者へのサインだからです。


今日の整理

もし今、

・「まだ何とかなる」と思いながら、不安が消えない

・同じことを何週間も考え続けている

・幹部に方針を聞かれても、自分の中で整理できていない

・何を優先すればいいのか分からなくなっている

そんな状態なら、

足りないのは知識ではないかもしれません。

必要なのは、

もっと頑張ることでも、

もっと情報を集めることでもありません。

一度立ち止まり、

頭の中を整理する時間です。

会社が本当に苦しくなる前なら、

守れるものは、まだたくさんあります。

だから私は、

「違和感があるなら、一度整理してみませんか。」

と、お伝えしています。


次回予告

第6話では、

「経営者の頭が整理されると、会社は動き始める」

というテーマで、

相談後、会社がどのように変わっていくのか。

私が現場で何度も見てきた共通点について、お伝えします。


※本記事の事例は、守秘義務に配慮し、一部内容を変更・再構成しています。

もし今、一人で考え続けていることがあるなら、一度整理してみませんか。

私は、事業承継後の後継者、第二創業、新規事業責任者を中心に、経営者が自分で意思決定できる状態をつくる伴走支援を行っています。

▼初回相談・お問い合わせはこちら

熊谷 篤
実戦経営アドバイザー/中小企業診断士

次の記事

前の記事

いいなと思ったら応援しよう!

実戦経営アドバイザー熊谷篤 よろしければ応援お願いします! いただいたチップはクリエイターとしての活動に使わせていただきます!