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【事例紹介②飲食業】承継から3年──赤字寸前から“人が辞めない店”へ

※本記事は複数の事例を基にした再構成であり、個別の成果を保証するものではありません。

「売上はあるのに現金が残らない」「仕込み・調理・接客が属人化しすぎて回らない」「アルバイトがすぐ辞める」──。
飲食店経営においてよく聞く悩みですが、A社長が承継した店舗も、まさにその状態でした。
承継直後は資金繰りが厳しく、原価率は高止まり、スタッフの定着率も低く、組織が停滞していたのです。
しかし3年の伴走を経て、数字と雰囲気の両面で大きな変化が生まれました。


背景
A社長が承継したのは、地元で長年続く居酒屋。引き継いだ直後から次のような課題を抱えていました。

  • 仕入管理や在庫管理が属人的で、原価率が高止まり

  • 売上はあるのに資金繰りは常に逼迫(現金商売のはずなのに残らない)

  • スタッフ教育がマニュアル化されておらず、離職率が高い

  • オーナーの強いこだわりに縛られ、現場が改善提案しにくい雰囲気

「このままでは続けられない」との不安から、私にご相談いただいたのが最初のきっかけでした。


最初の半年──"数字"と"オペレーション"の視える化
支援開始直後は、数字の整理とオペレーションの棚卸しに集中しました。

  • 月次で原価率・人件費率・営業利益率を把握できる管理会計を導入

  • 「今日の売上」だけでなく「利益が出る構造」を理解できる仕組みづくり

  • 店舗オペレーションを分解し、役割ごとにマニュアルを整備

  • 定例のスタッフミーティングを設計し、現場の声を拾い上げる場を設定

こうして「どこに無駄があるのか」「どこを改善すればキャッシュが残るのか」が明確になりました。


1年後──利益構造が見え、人が育ち始める
取り組みから1年が経過した頃には、目に見える変化が出てきました。

  • 原価率が数ポイント改善 → 月数十万円規模のキャッシュ増

  • 在庫の廃棄ロス削減 → 仕入と販売のバランスが整う

  • 前日の売上に応じて今日のおすすめ商品のピックアップなどによる客単価増加

  • マニュアルに沿った教育で「新人が1か月で戦力化」

  • アルバイトが辞めにくくなり、採用コストが削減

  • 社長自身が「数字と現場の両面を見て意思決定できる」と実感

ただし、最初から順調だったわけではありません。
「仕入先を変えるのか?」「うちの味を壊すのか?」と古参スタッフから反発もありました。
そこで、まずは小さなメニュー改良プロジェクトを実施。
数値とお客様の反応を共有することで「改善は店を良くするため」と理解が進みました。
また、スタッフの「夕方からの営業だが、周辺はオフィス街なのでランチ難民がいる。仕込みで店には人がいるのだから、セルフワンコインランチをやってみてはどうか?」という提案で「セルフワンコインカレー」を実施。今まで売上が上がらなかった時間帯に売上が上がるようになり、資金繰り改善に一役買いました。


3年後──数字と人が動く店に
伴走から3年後、店舗は次のような姿に変わりました。

  • 営業利益率が過去最高水準に改善(黒字安定)

  • 売上の繁閑差に応じてシフト調整を行い、人件費率を適正化(人時売上高管理の徹底)

  • 業務フローとマニュアルが整い、「誰でもできる」状態に(文字によるものだけでなく映像のマニュアルも整備)

  • スタッフが「店長がちゃんと数字を見てくれる」と信頼するように

  • 一度辞めたスタッフが「今の店なら働きたい」と戻ってきた事例も発生

あるスタッフの声:
「前は忙しいのに怒られるだけでした。今は数字を共有してくれて、自分の頑張りがわかるのでやりがいがあります。毎時毎に売上チェックしているので、少し売上が足りない時は声掛けをして一品でも多くお客様に提供できるよう心がけています。」


まとめ
飲食店経営は、知識や経験だけでは解決できない「現場の壁」に直面します。
今回のA社長のように、原価率や資金繰りを改善し、人が辞めない組織に変えることは、決して特別な店だけの話ではありません。
大切なのは、現場に入り、数字と仕組みを一緒に整える"伴走"です。
その一歩が、店舗全体を変えるきっかけになります。


※事例は複数事例を組み合わせ、一部加工しています。実在の企業・人物とは関係ありません。また、成果はあくまで一例であり、すべての店舗に同様の結果を保証するものではありません。相談内容により、公的機関の専門家や他の士業のご紹介を行う場合があります。

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📌 あなたの店舗は大丈夫?
飲食店の「よくある落とし穴」チェックリスト
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著者プロフィール
熊谷 篤(くまがい あつし)
実戦経営アドバイザー/中小企業診断士

年間400件以上の経営相談を行い、承継後の経営者や飲食店経営者を中心とした伴走支援を実施。
VCでのIPO支援や年商100億円規模企業の改善支援など、多様な現場で成果を創出。

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