第31回:世界の航空機リース専業会社一覧【2026年版/オペレーティングレッサー】
こんにちは、JOLアドバイザーです。
世界には航空機リースを専門に行う会社があり、それらをオペレーティングレッサーと呼びます。
2021年にオペレーティングレッサーランキングを作成・公開しましたが、その後5年ほど経過しました。
そこで最新の情報にアップデートした記事を公開します。
この記事を通じてオペレーティングレッサーの規模感と、日系リース会社の存在感を知ることができます。
※私について知りたい方は自己紹介をご覧ください。
1. オペレーティングレッサーランキング
2026年時点のオペレーティングレッサーランキングは以下です(ハイライトは日系企業の子会社、または関係性が深い先です)。

保有機材順で表示しており、ランキング1位のAerCap(アエアキャップ)は2,000機に迫る勢いです。
その規模感がどのくらいかと言うと、2025年3月時点の日本航空(以下、JAL)と全日本空輸(以下、ANA)のそれぞれの保有機材数は以下の通りですので、日本大手の約7倍もの機体数を1社で有していることになります。
JAL:232機(内リース機材25機)
ANA:278機(内リース機材95機)
以上より、航空機リースを専門に行うオペレーティングレッサーの規模感をイメージいただけたのではないかと思います。
2. オペレーティングレッサー存在意義
航空会社が新造機を導入する際は1機単位で発注することは稀です。運航プランや機体ライフサイクルを加味し、複数機単位で発注します。
新造航空機の購入価格目安は、ナロー機(B737シリーズやA320シリーズなど通路を1本有する航空機)が1機あたり約6,000万ドル(約90億円 ※1ドル=150円換算)、ワイド機(B787シリーズやA350シリーズなど通路を2本有する航空機)は1機あたり約1億2,000万ドル(約180億円)となります。
これらを複数機導入する際に必要な初期投資費用は、数百億円から兆単位にのぼりますがこれほどの金額を現金で支払える航空会社は極めて稀です。このように航空業界は莫大額の初期投資が必要であることから、リースを活用した航空機導入が一般的であり、それをオペレーティングレッサーが支えています。
それゆえ、上位のオペレーティングレッサーは、大手航空会社を凌駕する数の航空機を保有しているのです。
3. 航空機リース業界における日系企業の存在感
日系リース会社は2010年以降、海外の有力オペレーティングレッサーの買収を積極的に行い、世界市場での地位を確立してきました。以下では、日系リース会社と世界ランキング上位に位置する主要なオペレーティングレッサーを紹介します。
(1)オリックス
1991年にアイルランドへ100%出資子会社 ORIX Aviation を設立し、日系企業としていち早く本格参入しました。同社単体の管理・保有数は約216機ですが、2018年には当時世界第3位の規模を誇った Avolon Holdings Limited の株式30%を取得(約2,500億円)。この戦略的出資を含めたオリックスグループ全体の関与機体数(発注残含む)は約1,500機に達し、長年にわたり世界の航空機リース業界で強固な存在感を示しています。
(2)三井住友ファイナンス&リース(SMFL)
2012年に三井住友銀行、住友商事と共同で英Royal Bank of Scotland(RBS)の航空機リース事業を買収し、SMBCアビエーションキャピタル(SMBC AC)を設立。さらに2022年12月、同業のGoshawk Aviation(ゴショーク)を約67億ドル(当時のレートで約9,000億円超)で買収完了しました。現在の保有機体数は783機に達し、世界第2位の航空機レッサーとして、日系リース会社の中で圧倒的な規模を誇っています。
(3)東京センチュリー(TC)
2019年に米国の有力レッサーである Aviation Capital Group(ACG) を約3,200億円で完全子会社化しました。ACGの保有機体数は325機。世界ランキングでは第10位に位置しており、独立系リース会社としての強みを活かしたグローバル展開を加速させています。
(4)三菱HCキャピタル(MHC)
2012年に米国の Jackson Square Aviation(JSA) を約1,000億円で買収(当時は三菱UFJリース)。JSAの保有機体数は242機と世界第14位の規模を誇り、同グループの航空機事業の中核を担っています。
(5)みずほリース
2020年に丸紅と共同で、米国の上場レッサーであった Aircastle Limited を買収し、非公開化しました(持分比率は丸紅75%、みずほリース25%)。Aircastleの保有・管理機体数は2024年5月末時点で296機。みずほリースは同社を持分法適用関連会社とすることで、丸紅の商社としての知見と連携しつつ、航空機ビジネスのプラットフォームを強化しています。
4. 日系リース会社がオペレーティングレッサーを保有するメリット
オペレーティングレッサーは自社で航空機を保有し、世界の航空会社へリースを提供しています。いわば航空機マネジメントのプロです。
日系リース会社は「航空機マネジメントのノウハウ」、そして複数保有することで得られる「規模の経済性」に着目し、2010年代から彼らを次々と買収し子会社化していきました。
従来、日系リース会社は航空機をファンド化した「日本型オペレーティングリース(JOLCO)」を主軸としていましたが、リース満了時の中古市場における再販活動が苦手という課題を抱えていました。
その背景には、航空機の売買マーケットは欧米が中心であるため、日本企業が深く入り込めていなかったという理由があります。そのため、JOLCOで購入選択権が行使されず市場売却を行う場合は、手数料を払って外部のブローカーや総合商社、海外のオペレーティングレッサー等の「再販代理人」に委託せざるを得ませんでした。
しかし、再販代理人がどのような営業活動を行い、本当にリース会社(投資家)にメリットのある活動をしているのかは、ブラックボックスな側面もありました。日系リース会社が航空機ファイナンス分野で事業を拡大するためには、自ら再販ノウハウを手にする必要があったのです。そのような状況下、リーマンショック後の海外金融機関による事業売却のタイミングを捉え、日系リース会社は有力なオペレーティングレッサーを取得。従来の弱みを補完する体制へと移行したのです。
5. 日系リース会社の今後の展望
現在、日系リース会社は取得したオペレーティングレッサーとのさらなる協業を模索している段階にあります。
株主は日系企業ながら航空機の仕入れや売却といった日々のオペレーションや目利きは依然として子会社であるオペレーティングレッサー側が高い知見と主導権を持っています。
日系リース会社がこの子会社機能をいかに活用し、新たなビジネスモデルを構築していくかが、今のフェーズの焦点であると私は感じています。
現在は日本人の派遣社員も経営管理が中心ですが、将来的には実務レベルでの人材交流(現地従業員と同じフロント業務など)が進み、航空機ファイナンスマーケットでグローバルに渡り合える専門人材が増えてくることを期待しています。
6. まとめ
世界のオペレーティングレッサー上位20社の中に、日系資本が関与する企業がこれほど多く存在しており、日系企業は世界で大きな存在感を示しています。オペレーティングレッサーを傘下に持つことで、弱点であったアセットマネジメント能力を補完し、さらなる事業拡大が期待されます。
現在、航空機リースマーケットは強いインフレ傾向にあり、実物資産を持つオペレーティングレッサーにとっては追い風の状況です。
一方で、パンデミックのような世界的イベントで旅客需要が停滞した場合、そのリスクが親会社であるリース会社本体に直接波及する「諸刃の剣」としての側面も持ち合わせています。今後もマーケット動向を注視していく必要があります。
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リース事業の組成担当がその裏側を書いており、公にはできない情報がたくさん含まれています。
元本割れリスクの低い商品選びのポイントについてここだけの情報をこっそり記載していますので、これから出資を検討している方は是非読んでみてください。
<こんな方にオススメです>
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・税理士や銀行の紹介で出資を検討している
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