2026/03/07 代わりに選んだ本 〜離れて過ごす姉妹の土曜日〜
2026/03/07
朝の空気はやわらかいのに、空はどこか落ち着かない土曜日の朝。いつもの週末より家が慌ただしい。
いつもは姉妹で参加するけれど、今回は長女が一人でチアダンスの合宿へ参加する。作るお弁当も一つ。
なんだか寂しいなと思う。
長女は夫と早めに出かけていった。
玄関のドアが閉まると、家の中が少し静かになる。
次女と二人きりの時間が始まった。
少し前まで賑やかだったリビングに、ぽつんと次女が座ってテレビを眺めていた。週末はいつもより忙しいはずなのに、こういう瞬間だけ、少しだけ時間がゆっくり流れる。
一息ついたあと、今度は次女とピアノ教室へ向かった。
悔し涙と、自分の言葉
次女のピアノ教室へ向かう道。
晴れているのに、風が少し冷たい。
レッスン中、うまくいかない箇所があったらしく、次女は悔し涙を浮かべていたという。先生から教えてもらいながら、それでも納得がいかない様子だったと。
次女の負けず嫌いは相変わらずだ。
泣けるくらい悔しいというのは、それだけ真剣に向き合っている証拠だと思う。
うまくいかないことに、悔しさを感じられること。
それは、きっと大事な力なのだと思う。
そのあと夫と合流して買い出しへ。
ついでにお弁当を買い、お昼は簡単に済ませる。
午後は学童の新一年生向けの保護者説明会。
持ち帰った書類を書きながらおやつを食べ、時間になると面談へ向かった。
先生の前に座った次女は、少し背筋を伸ばしていた。
学童面談では、先生に名前も保育園の名前も、好きな遊びも、自分の言葉でしっかり答えていた。
縄跳びが好きで、室内では絵を描くこと、本を読むことが好きだと。ひとつひとつ、自分の言葉で。
心配はしていなかったけれど、その姿を見て、もう一度安心した。
本を選ぶ時間
面談が終わると、図書館へ寄った。
今日は長女がいない。
だから、代わりに私が本を選んだ。
あの子が好きそうなタイトルや作家、前に読んでいたシリーズの続き、きっと気に入るだろうなと思うけれど本人は選ばなそうな一冊。
本棚の前で、少し長く立ち止まる。
誰かのために本を選ぶ時間は、思ったより楽しい。
帰り道、次女のリクエストでファミレスへ寄った。
早い時間だったから、すぐに席に案内される。
帰る頃には、店の外まで続く長い列ができていた。
気にしていないつもりでも
長女だけがいない一日を過ごしてみて、気づいたことがある。心配していない、大丈夫と思っている相手のことも、案外ずっと頭の片隅にいるものだということ。
子どもたちは少しずつ、自分の世界を広げていく。
悔しいことも、頑張ることも、少しずつ増えていくのだろう。
それは悪いことじゃなくて、ただそういうものなのだと思う。
会えない時間の思いを形にする方法として、本を選んだのかもしれない。普段はしないから。
あなたにも、いつも気にかけているのに、気にかけていないふりをしている人がいますか?
子どもそれぞれの様子を少し離れた場所から見守れる。それは実はとても幸せなことなのかもしれない。
気持ちは、きっとどこかでちゃんと伝わっている。
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