【進学校の横比較】千葉・埼玉上位編(渋幕・市川・東邦大東邦・昭和秀英・芝浦工大柏・専修大松戸+浦和明の星・淑徳与野・栄東・開智・大宮開成)
同偏差値帯の進学校を集めて横比較してみようという企画、今回は千葉と埼玉の上位校についてまとめて取り上げます。偏差値基準で55以上(日能研)を目安とします。
当初は千葉のみでスタートしたのですが、1月入試校という括りで埼玉を追加しました。数が増えてきたので分割したくなってきましたが、一括で比較できるメリットもあるのでこのまま千葉・埼玉でいきます。
千葉は渋谷教育学園幕張(渋幕)・市川・東邦大学付属東邦(東邦大東邦)・昭和学院秀英(昭和秀英)・芝浦工業大学柏・専修大学松戸の6校、埼玉は栄東・浦和明の星女子・淑徳与野・開智・大宮開成の5校としました。
【更新情報】
・2025.6.17 2025年版データに更新
・2024.11.6 現役+浪人データと埼玉校の追加
・2024.9.4 noteへの移行と構成の変更
・2024.6.13 進学実績・偏差値を2024年版へ更新
・2023.9.30 進学実績を3年平均に変更(2021〜2023年)
・2023.1.17 初版投稿(2022年データ)
大学合格実績や教育内容などを深掘りし、グラフ化するなどして横比較していきます。複数の学校を横に並べて比較することで、それぞれの特徴に気付けたり、入試動向を探る材料になればと思っています。
1. 偏差値推移の比較
まずは偏差値の推移です。
ここではSAPIX80%偏差値と日能研R4(80%)偏差値を見ます。単年度のグラフだと重なりが出て見づらいので、それぞれ前後3年の平均を出してグラフ化しています。
【データ出典】
サピックス:入試結果80%判定偏差値表
(2024年までは翌年度の第1回志望校判定サピックスオープン偏差値)
日能研:各入試年度の日能研 中学入試結果R4一覧
数が多くなったので、偏差値グラフは日程の異なる千葉と埼玉で分けて表示します。
埼玉入試
基本的に第1回入試と上位向けの特待入試を中心として集計しています。
【主な入試変更タイミング】
*栄東A:2025年に10日東大(80名)・11日難関大(60名)に日程分割
*淑徳与野(医進):2024年開始
*開智①(2023まで先端1):2018年75→90名、2021年→110名
*開智特待A(2023まで先端特待):2018年開始(40名)、2020年→30名
*開智特待B(2023まで先端A):2018年90→50名、2020年→45年、2021年→90名、2024年→85名
*開智所沢:2024年開始(開智と同一入試で合否判定)


ここ数年大宮開成が上昇してきた中で、開智所沢の開校による開智との同一試験入試によって埼玉入試が注目され、受験者数が大きく増えています。さらに淑徳与野の医進特別入試、栄東Aの日程分割などトピックも多く、しばらくは目が離せない状態が続きそうな雰囲気です。
(開智所沢の卒業生が出るのはだいぶ先ですが、偏差値は追いかけてみます)
千葉入試(1月)
千葉も受験人数の多い1月入試のみでグラフ化します。
【主な入試変更タイミング】
*東邦大東邦(前):2021年250→240名
*昭和秀英①:2018年105→100名、2020年→110名
*昭和秀英(特別):2018年開始(20名)、2019年→30名


全体感として、大きな波はなく凪という感じですね。偏差値序列を崩すほどの動きもなく安定している印象です。そんな中ですが市川は上昇を続けていて、この動きがどこまでいくのかには注目したいです。
2. 大学合格実績の比較
続いて多くの人が関心あるであろう、大学合格実績の比較です。
【データ出典】
・合格者数データは各学校Webサイト、卒業生数は日能研入試情報より
【集計・表記のルール】
医学部などの重複カウントを避けるため以下のルールで集計しています
・一科:一橋大+東京科学大(2024年までは東工大分のみ)
・医学部:東大理Ⅲ、京大・東科大医学部は含まない
・旧帝大:東大・京大・医学部は含まない
・他国公立:医学部は含まない
・私立医:私立大医学部医学科・早慶:慶應医学部は含まない
・上理:上智大+東京理科大
・MARCH:明治大+青山学院大+立教大+中央大+法政大
並び順は東京一工医までの多い順(黄色ライン)
国公立大学実績(2025〜2023年)
国公立大学は、卒業生数を合格者数で割った数字を合格者割合として集計します。ここでは現役+浪人を含む全合格者と、現役合格者の2系統でグラフを作成します。
各グラフに共通した注釈は以下の通りです。
*渋幕・昭和秀英・浦和明の星・芝浦工大柏の医学部データは進学情報誌さぴあより
*渋幕の旧帝大には名古屋大・九州大は含まれません(他国公立に含まれます)
*東邦大東邦は東邦大学医学部への現役合格者を内部推薦とみなして計算しています
*大宮開成の現役・浪人合算データ、浦和明の星・栄東の現役データは日能研入試情報より(他国公立大データはなく私立・浪人等に含まれます)
現役・浪人合算の合格者割合

まず全体として、埼玉より千葉の学校の方が国公立実績は高いようです。これは入学時偏差値の違いと、高校入試の規模感の違いが関係しているのかなと推察します。
渋幕の東大合格者が圧倒的というのはコメントするまでもないですが、二番手として市川が東大を中心に難関大実績を増やしています。そして東邦大東邦に昭和秀英が追いつくかたちで2校が並んだのが今の情勢でしょうか。あと、東邦大東邦が医学部多めというのが特徴的かと思います。
埼玉では浦和明の星が半歩リード、栄東と開智がそれに続くかたちです。大宮開成は偏差値を上げてきた世代がこのあと卒業を迎えるので、来年以降注目と思っています。
あと、芝浦工大柏と専修大松戸は大学の系列校ながら内部進学が少なく、実質的には進学校と言っていいと思います。
現役合格者割合

現役のみでも大きな情勢の変化はありませんが、昭和秀英の現役率の高さは注目してもいいかもしれません。難関大(東京一科医)で東邦大東邦を上回り、国公立大全体では市川も上回っています。
私立大学実績(2025〜2023年)
私立大学は重複合格が多いので、100分率ではなく割合を積み上げてグラフ化しています。
各グラフに共通した注釈は以下の通りです。
*渋幕・昭和秀英・浦和明の星・芝浦工大柏の医学部データは進学情報誌さぴあより
*東邦大東邦は東邦大学医学部への現役合格者を内部推薦とみなして計算しています(東邦大学分は私立医に含みません)
*大宮開成の現役・浪人合算データ、浦和明の星・栄東の現役データは日能研入試情報より
現役・浪人合算の合格者割合

国公立大実績で並べた序列とそれほど大きくは変わらないかなという感じです。
その中で、栄東は早慶+理科大が多め、大宮開成がMARCH多めというのが言えそうです。比較的東京理科大が多いなというのが全体を見た印象で、理系志向が強めな学校が多いのかもしれません。
現役合格者割合

こちらもまあ似たような感じのグラフで、コメントするほど特徴的なところは見当たらなさそうです。
文理割合
文系・理系の割合を、国公立難関大(東京一科医)への過去3年間の合格実績を使って算出します。具体的な集計内容については、過去記事ですがこちら→[進学校の文系理系割合比較]を参照してください。

全体的に理系志向が強めに見えます。東邦大東邦・浦和明の星の医学部志向の強さも特徴的ですね。下の方はそもそも絶対数が少ないのでこれだけではなんとも言えませんが、東京理科大×上智大割合なども見ながら判断してみたい感じです。
海外大学実績(2025〜2023年)
最後に海外大学への合格者数です。名門大学(THE世界大学ランキング100位以内などの基準、具体的にはこちら)と、全海外大学の合格者数をグラフ化しています。

*昭和秀英・東邦大東邦・栄東・大宮開成・専修大松戸(2022年)は進学情報誌さぴあより
渋幕は異次元なので置いておきますが、市川と芝浦工大柏もそこそこの人数を出しています。一覧表でも見てみます。

やはりこの2校は毎年合格者を出していて、人数は多くないものの学校としてひとつの方向性にはなっているのかなと想像します。それ以外は1名出るか出ないか程度なので、ほとんど大差はない感じがします。
こちらもどうぞ
→ 海外大学合格ランキング 2025年版
→ 海外大学合格ランキング 2024年版
→ 海外大学合格ランキング 2023年版
→ 海外大学合格ランキング 2022年版
3. 教育内容の比較
教科学習のカリキュラムについては、私立中高一貫校では大学受験に照準を合わせたいわゆる先取りをどこもやっていると思いますが、それ以上深掘りして横比較できる情報がないので、授業以外のプログラムについて比較します。
教育環境
親的に関心がありそうな次の観点で比較します。
グローバル教育
探求型学習(+キャリア教育)
その他特徴的な教育/ICT環境
選抜クラスの有無
希望者講習/大学受験サポート
グローバルや探究プログラムなどのほか、大学受験に向けた体制面も気になるポイントだと思うので、勉強面での希望者向け講習も追加しています。これだけで通塾の要不要は語れないと思いますが、学校側の姿勢(どの程度サポートしようと考えているか)はある程度測れると思います。
・各学校のWebサイト等から取得できる情報を中心にまとめたもので、全てをカバーできていない可能性があります
・成績下位向けの補習はどこもありそうで比較対象にならないので省略します
・各項目の詳細はそれぞれの学校Webサイトを参照してください

比較していくと、学校が力を入れているところがどこなのかが何となく見えてくると思います。これらは学校のカラーを現している部分も多いので、それぞれ深掘りしていくと選択の軸が出てくるかもしれません。
ここはプログラムが多彩なところが多い印象です。立地的にも敷地に余裕のあるところが多いので、部活なども調べてみると面白そうです。
選抜クラスは市川が高校(か中3)から、栄東と開智は入学時からコース分けがされています。大学受験サポートは高2・3で講習を行うところがほとんどで、勉強合宿(市川・開智)や直前講習をやってくれるところも多くあります。
4. まとめ
以上、千葉・埼玉の上位編でした。別に偏差値や合格実績でどっちが上とか下とか、学校の序列をつけようとかではなく、学校の向いている方向性や動向などが見えてくればと思ってまとめました。
前受けで利用されることも多い千葉・埼玉の学校ですが、県内の人はもちろん、地域によっては前受けしつつ現実的な進学先として検討する人も増えていると思います。千葉と埼玉の両方を併願できる人は限られるかもしれませんが、別で集計するよりは一覧化した方がわかりやすいのでまとめてしまいました。
見逃していた新たな一面を発見するきっかけになったり、判断軸を考える材料が増え、志望校選びの一助になることができれば幸いです。
