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【フォトアルバム】冬の光 vol.5


夢は枯野を駆け巡る。

Setaria viridis(エノコログサ) イネ科  撮影地:葛西臨海公園
Miscanthus sinensis(ススキ) イネ科
花序に2つずつ花がついていたのがわかります。
クリックで拡大推奨。
Solidago altissima(セイタカアワダチソウ) キク科

Miscanthus sinensis(ススキ) イネ科
ススキとセイタカアワダチソウの混生 撮影地:荒川ロックゲート (撮影10月)

かつて、セイタカアワダチソウが本州で目立ちはじめたとき、
アレロパシー作用で在来種のススキが駆逐されるのではないかと懸念されました。

実際には、どちらも勝たず負けず、混合で安定するという結果になりました。
僕の目には、水分が多めだとススキ優勢(水浸しだとヨシ優勢)、
乾燥するとセイタカアワダチソウ優勢で揺らぐように見えています。
イネ科は細根、キク科は多肉性の主根という根の差を反映しているのかもしれません。

一見、引き分けで、めでたしめでたしに見えるのですが、
ススキを宿主とするナンバンギセルは消えてしまいました。
ナンバンギセルは、ススキ単相(+スゲ類)の環境でしか生きられないようです。
生態系はデリケートです。


冬は、果実の観察が楽しいです。

Lilium x formolongo(シンテッポウユリ) ユリ科
Cardiocrinum cordatum(ウバユリ) ユリ科  撮影地:目黒自然教育園
推定 Hemerocallis fulva var. disticha(ノカンゾウ) ワスレグサ科


アオイ科の果実は、個性くっきりです。
果実だけで種を同定できます。

Hibiscus syriacus(ムクゲ) アオイ科
Hibiscus mutabilis(フヨウ) アオイ科  再掲

上記2種とも、種子に毛が生えています。
アオイ科の種子で一番、毛深いのは・・・これ ↓
Gossypium arboreum(キダチワタ) アオイ科 (撮影11月)

長毛ふさふさ、うらやましい。 ←ぉぃ
私園で1作しました。
綿毛は種子にしっかり付いていて、強引にむしりとる感じでした。

アオイ科の果実は、上記のとおり、ほとんどが開裂性(蒴果)です。
そんな中、一部、蒴果でないタイプが混じります。例外はつきものらしい。

Theobroma cacao(カカオ) アオイ科
左:撮影地 夢の島熱帯植物館
中:撮影地 京都府立植物園
右:撮影地 八丈植物公園

カカオは熟してもパッカーンと開裂しません。
どうやって種子を散布するのでしょう。サルは果実を持っていってくれますか?
  →なんと、当たりだった! ほええ、サルが運ぶんだ・・・@_@;


Dioscorea japonica(ヤマノイモ) ヤマノイモ科
Dioscorea tokoro(オニドコロ) ヤマノイモ科  撮影地:くりはま花の国

この2種の実をみるとき、僕は
「アーニー」と「バート」を思い浮かべます。
「マリオ」と「ルイージ」でもよいです。
「ジェイク」と「エルウッド」でもよいです。

最初に縦横比を使って、「キャラ立ち」させることを考えたのは誰でしょう。
「ミッキー」と「グーフィー」で、ディズニーでしょうか?

なお、葉の縦横比は、果実とは逆です。


Quercus dentata(カシワ) ブナ科  撮影地:葛西臨海公園

カシワは、海岸沿いの林に多く見られます。
耐塩性は、おそらくシロダモと同じぐらいと推察されます。
トベラやシャリンバイが茂みを作る位置より、もう少し陸側です。

この木は、鳥類園の北側の道にあって、ラベルがついています。
是非、観察してください。餅を包む葉をつけるのは、こんな木だったのだと。


推定 Campanula punctata subsp. microdonta(シマホタルブクロ) キキョウ科
撮影地:八丈島

これを見かけたら「なんだろう」と悩みますよね。
最初に、キキョウ科を立てます。 ←そこは迷わないらしい。
種の推定に使用した情報は、
花序が長く伸びない、花が一方向につかない、ガクが堅固、草丈30cmに満たない、あたり。

などと偉そうにほざいておいて、白状すると「八丈島」という地理が大きいのでした。
植物は動物と違って動けないので、分布情報の比重が違います。
八丈島の植物を調べるなら、こちらがよいです。


推定 Scirpus wichurae(アブラガラ)カヤツリグサ科  撮影地:目黒自然教育園

図鑑で紛らわしい種の識別を学べます。
無印、エゾ、クロ、ツル、オオ、シデ・・・
AIに訊ねると正解が判明する時代になっても、図鑑は大事です。

科が立たないと、調べようがない気もします。
取り付けないときは、AIに候補案をもらうやり方で科や属を立て、
そこからGoogle検索で図鑑サイトを閲覧するとよいでしょう。


推定Thelypteris viridifrons(ミドリヒメワラビ) ヒメシダ科  撮影地:目黒自然教育園

緑でない冬に、ミドリを同定するとはこれ如何に。
識別ポイントは、小葉の付け根が枝になっている部分なので、
むしろ枯れて丸まっているほうが識別しやすいです。

ワラビがあるなら、ゼンマイもある?
ありました、ありました。さすが植物園。

Osmunda japonica(ゼンマイ) ゼンマイ科  撮影地:目黒自然教育園

ザ・ゼンマイ。
japonicaですよー。

冬の観察、楽しそうでしょう?



今、冬を惜しんでいます。

東京の夏は過酷です。
日中は、体温越えの気温となり、出歩けるのは夜だけです。
夜は30℃まで下がってくれるのですが、光がないので写真は撮れません。
日光を避けてまわる、バンパイアみたいな生活になります。

東京の冬は安全です。
ステンレスボトルのコーヒー1本で、長時間、散策を楽しめます。
氷点下にならない気温を寒いとは言わないでしょう。

冬は、野鳥保護区に鳥たちがいます。
林も、海岸も、湿地も、川も、鳥がたくさん!
双眼鏡一つで、愛らしい姿を楽しめます。

僕は、植物も、虫も、鳥も、全部好きです。
冬は、マクロレンズをつけたカメラと、双眼鏡の二刀流で歩きます。
ストラップの長さを変え、機材がぶつからないようにしています。

鳥たちの多くは、春が来て、暖かくなると、いなくなってしまいます。

2月23日、東京の最高気温は21℃。
暖地の熊本は25℃超えの夏日だったとか。

冬が名残り惜しいです。
この幸福を、もう少しだけ、もう少しだけ。


トップ画像:Celtis sinensis(エノキ)
      小枝ごと果実を落とす樹種のひとつです。


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 冬の光 vol.1 vol.2 vol.3 vol.4 vol.5