173. Fabric IQ
はじめに
前回までで、一通り Microsoft Fabric を使いこなすための各種モデルを紹介したと思っていたのですが、Microsoft Learn を眺めていて、「おや?これもモデリングの話が関係するな」というページを見つけたので、そちらを取り上げることにします。
Fabric IQ (プレビュー) のドキュメント - Microsoft Fabric | Microsoft Learn
Fabric IQ
それ何?
まず、IQ とは何ぞやなのですが、
IQ (プレビュー) は、OneLake 全体 ( レイクハウス、 イベントハウス、 セマンティック モデルを含む) にデータを統合し、ビジネスの言語に従って整理するためのワークロードです。
だそうです。いまいち、日本語が意味不明なので、英語の方も挙げておきます。
IQ (preview) is a workload for unifying data sitting across OneLake (including lakehouses, eventhouses, and semantic models) and organizing it according to the language of your business.
要するに、OneLake(レイクハウス、イベントハウス、セマンティックモデル)で管理しているデータを統合する、そして、あなたのビジネスの言語(意味付け、流儀、言語ゲーム)に従って、統合したデータを組織化するためのワークロード、それが IQ だよ、ってことらしい。
概念モデリング的に言い換えれば、様々な意味の場で意味付け・整理した OneLake 上のデータ群を、あなたのビジネス、つまり、それらのデータを利活用する側のビジネスの意味の場のデータ群に変換する、ということ。
それにしても、IQ、いったい何の略なんでしょう?
なぜ使うのか?
Microsoft Learn の日本語訳が微妙なので、英語の方を挙げておきます。
IQ (preview) enables the following benefits:
Consistency across tools: A single definition of a concept (like Customer, Material, or Asset) drives how Power BI, notebooks, and agents interpret data.
Faster onboarding: New dashboards or AI experiences don't need to rediscover business meaning, as business concepts only need to be declared once.
Governance and trust: Clear semantics reduce duplication and semantic drift, while constraints improve data quality.
Cross domain reasoning: Graph links let you traverse relationships (like Order > Shipment > Temperature Sensor > Cold Chain Breach) to explain outcomes.
AI readiness and decision-ready actions: Ontologies provide structured grounding for copilots and agents, so answers reflect your enterprise language. Because business rules and constraints live in the ontology, agents can move beyond answers to safe, auditable actions.
概念モデリング目線で、超意訳すると、
ビジネス概念(概念情報モデルと同義)を一か所で定義し、それを使うことによって、Power BI、Notebook、Agents の、データの解釈の一貫性を保つ
せやな
ひとたび定義したビジネス概念(概念情報モデルと同義)を基に作業するので、ダッシュボードやAI活用の際、新たなモデルを定義する必要がない
当たり前やろw
ビジネ概念(概念情報モデルと同義)が明確なので、データの二重化、セマンティックドリフトを減少させ、データ品質が向上する
あなたのビジネスが一つの意味の場に限定できるなら、そうだけどね
ビジネス上の概念のデータが、中間的なデータ群のどのデータと関連していて、更に、機器のデータ群のどのデータに関連するのかがわかる
クロスドメイン。。。要するに意味の場間のブリッジってことね
オントロジ、概念情報モデルと同義なモデルにより意味構造の定義がなされており、それが、Copilot(生成系AI)とAgentsの基盤となる。オントロジーはあなたのビジネス言語を基に定義されているがゆえに、CopilotとAgent の回答は、あなたのビジネス言語を基にしたエンタープライズレベルのビジネス言語を反映した回答(安全かつ監査可能)を出してくれる
要するに、オントロジが肝だよということ
Microsoft Fabric 全体の中での位置づけ
で、位置づけ的には、
Ingest and store
レイクハウスのテーブル、イベントハウスのストリーム、既存のセマンティックモデル群からのデータ構築
Model and represent samantics
オントロジ項目 ‐ エンティティ型、そのプロパティ群、リレーションシップで定義するモデリング機能を提供する
概念情報モデルと同型なので、そのまま概念モデリングのモデリングスキルが適用可能
必要に応じて既存のデータソースから、或いは独自にモデルを構築する機能
既存のデータソースを使う場合は、データソース側とオントロジモデルのプロパティを対応付けるグラフを定義してくれる
なるほど便利
Analyze and visualize
作成するオントロジモデルと外の世界のデータを Graph で統合できる
それにより、視覚化や他のシステムへの通知などが可能になる
概念モデリングにおけるブリッジの実装の一種だね
Operate and govern
オントロジモデルのバージョン管理、検証、管理が可能
検証は無理なのでは?という素朴な疑問
ができる機能・環境を提供してくれる。
IQの項目
そんなわけで、IQでは、
オントロジ
モデリング機能と、データソース(デスティネーション)との対応付け
ファブリックデータエージェント
オントロジをベースにした生成系AI活用の独自会話型 Q&A システムの構築
グラフ
Microsoft Graph による、データソース、オントロジモデル、データデスティネーション間の対応付け定義、パス検索、依存関係分析など
オペレーションエージェント
オントロジをベースとした、リアルタイムデータの監視と、他のビジネスアクションへのトリガーを生成
Power BIセマンティックモデル
ビジュアル化に必要なセマンティックモデルの定義とその視覚化
といった項目が提供されるということらしい。
IQ で使われるモデリング
以上から、IQ の項目的には、
オントロジ(Ontology)
という3種類のモデリングが出てくることになる。
二番目と三番目のモデリングの話は既にこの定期購読マガジンで取り上げているので、そちらを見てほしい。
オントロジー(Ontology)
こちらは、以前取り上げた、というか、このシリーズの発端となっている Digital Twin Builder でのモデリングと一緒か?というとそうでもないらしい。
使用するための設定
オントロジー (プレビュー) のために必要なテナント設定 - Microsoft Fabric | Microsoft Learn
このページを見ると、管理者ポータルのテナント設定で、”Enable Ontology item (preview)”という項目を Enable にすると使えるとのこと。
Digital Twin Builder と同様、私の無料お試し期間の環境では出てこないんですけどね。。。
ちなみに、他の項目については、
グラフ 〇
XMLA エンドポイント 〇
データエージェント項目の種類 ×
Copilot と Azure Open AI 〇
という状況
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