老人とランチ 新百合ヶ丘の「ランチ」開拓物語「炭焼き大」編
異常な暑さが続くが、私の「ランチ」探索も続く。
昨日は、新百合ヶ丘マプレ商店街の裏、くら寿司の隣にある「炭焼き 大」に行った。

このあたりは、私があまり来ない界隈だ。
ここは居酒屋だと認識していたのだが、ランチもやっていることに最近気づいた。

最近私は、新百合ヶ丘、五月台近辺で、ランチ店を絶賛開拓中である。昨日はこの「大」のランチに挑戦してみた。
店に入ると、12時前だが、もうけっこう客がいる。人気店らしい。
私は、外のメニューで見て、いちばん大きく表示されていた「炭焼き大御膳」にしようと思っていた。たぶんこれが看板メニューなのだろう。
価格の1500円(税込)は、ちょっと高いが、まあ予算内だ。
ところが、注文の時に、「事故」が起きる。
「食前と、食後に、飲み物が出ますから、選んでいただけますか」
と言われたのだ。
「え!・・」
と私はうろたえる。
メニューの「選べる飲み物」の部分が私の前に示された。

若い人は、「何か問題でも?」と思うだろう。
この店の店員さんは、みんなさわやかな若者たちで、お客さんも若い人が多いようだ。
だから、気づかないのだろう。
まず、
老人は選ぶのが苦手だ
ということを知ってほしい。
前に松屋のUIのことでも書いたが、老人は前頭葉が衰えて、判断力や決断力が弱い。
選択肢が多いことは、若者にはサービスだろうが、老人には拷問だ。
たくさんの中から選べと言われると、アワアワするのである。
しかもこの場合、食後だけでなく、食前の飲み物も選べという。
記憶にある限り、こんなに選択肢があるのは、私の生涯で初めてである。「食前の飲み物を選べ」なんて、この歳になって人生初の決断を迫られている。
でも、老人は見栄っ張りでもある。内心の動揺を悟られたくない。
平然と、メニューから選んでいるふりをする。
ここで、若い人に、第二のレッスンだ。
老眼をナメんな
ということである。
見えてないんだよ、目が。
もう一度、メニューの画像を出すが、

よくわかんないんだよ、ごちゃごちゃっとしてて。ぼーっとしか見えてないから。
それで、何を事故ったかというと、内心の動揺と、老眼と、バカ暑いんで喉が渇いていたこともあり、食前に「オレンジジュース」を選んでしまった。
「+150円」の有料オプションであることに気づかず、である(食後の飲み物には、有料オプションがなく、コーヒーをたのんだので、無事だった)。
これは私としては、痛恨のミスだった。
もちろん、私が99・9%悪い。
でも、0・1%くらいは、店側も悪いのではないか。
老人には「それは150円プラスになりますが、大丈夫ですか」という念押しが欲しかった。
こっちはその朝、コンビニでコーヒーを倒してこばしている、くらいボケてんだよ。
「あ、こいつボケてんな」くらい察してほしい。
UIの問題としては、私だったら、「有料オプション」の飲み物だけは、別メニュー、別の紙で持ってくる。
メニューが別になっていれば、「あ、こっちは有料か」と私でも気づく。
でも、文句は言わなかった。私が悪いのだし。
それに、最近はいたるところに「カスハラするな」とポスターが貼ってある。
あれは客を脅してるんでしょ。
昭和な振る舞いをしたら、しょっぴくぞ、と。なんとかハラというのは、たいがいそうだ。
怖いから何も言えない。老人は泣き寝入る。
で、まずそのオレンジジュースと、サラダが出てきました。

おいしかったよ。
次に、メインが出てきた。

ご飯の量が老人にはちょうどいいし、自慢の炭焼きは、さすがのうまさでした。
で、食後のコーヒー。

流れるように食事は提供されるし、店員さんの士気も高い。
12時を過ぎると、店内はもう満員になっていた。
まず文句のつけようがない、いい店ですね。
でも、会計の時、1650円を払って、
「予算は1500円だったのに・・」
と、あの余計なオレンジジュースを悔やんでいる。
店を出ても、
「あの150円がもったいなかった、失敗した・・」
という思いだけが、頭の中でこだまする。
ここで、老人に関する第3の教訓だ。
老人は小さいことでクヨクヨする
これも、たぶん脳の衰えに関係してると思う。
血のめぐりが悪くなって、思考が流れていかないのだ。小さなことが気になって、クヨクヨ、シクシクする。
こういう妄念が高じて、老人はトラブルになるのではなかろうか。最近、よくあるでしょう。「あいつが気に食わない」とか言って、刺したりするやつ。
異常な暑さの中、私も危険な心理に近づいていた。
「くそ、散財ついでに、リリエンベルグで甘いもの買って食ってやる」
とまで思い詰めたのだ。
リリエンベルグは、このあたりでは有名な高級菓子店だ。
しかし、リリエンベルグに行くと、休みだった。

いつも長蛇の列ができている、リリエンベルグで買い物しようなんて、滅多に思わないのに。
オレが必要としているときに限って、定休日だ。たいがいそうだ。
あきらめて帰ることにした。
この頃には、もう「150円」のことは忘れている。
老人は記憶力がない
そんな繰り返しで、老人は生きている。
さあ、今日はどこのランチに行こうか。
<参考>
