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童貞の歌

刑事コロンボ、第3シーズン中の「別れのワイン」は、コロンボ屈指の人気エピソードだ。コロンボの最高傑作とも言われる。

1973年に初放映され、日本では翌1974年に放送された。私もそのあたりで初めて見て、以後何度も見ている。


別れのワイン


このエピソードで、ドナルド・プレザンスが演じた犯人は、「童貞」設定だ、と作家の小谷野敦氏が最近、Xで指摘している。


「別れのワイン」のドナルド・プレザンスは妙な独特の雰囲気を持っていて、これは何だろうと思っていたが、童貞を暗示していたのか・・・
(小谷野敦 2025/8/24 10:39)


「別れのワイン」の犯人は、まあ「ワインおたく」だよね。ワインに熱中して女も知らずに年をとったという。それが最後に秘書から結婚を迫られて恐怖を感じる。
(2025/8/24 11:01)


「結婚より刑務所のほうがいい」というのが最後のセリフ。
(2025/8/24 11:05)



この解釈は斬新だ。さすが「童貞放浪記」の小谷野だ、と思った。

プレザンス演じるエイドリアン・カッシーニは、潔癖で、いつもきちっとした身なりを好み、オタク的で、言われてみれば、それっぽい。

同性愛者だ、と感じる人はいたと思うけど。初放送から50年以上たち、「童貞」という見方は、初めて知った(両者は共存できるが)。



昨日は、宮沢賢治の誕生日だった。(1896=明治29=年8月27日生まれ)

作家で、童貞と言えば、宮沢賢治が代表格だろう。





私が、童貞で真っ先に思い浮かべるのは、山崎方代(ほうだい)だ。


一度だけ本当の恋がありまして、南天の実が知っております


という歌で有名な、口語歌人だ。

1985年、心不全で71歳で死去した。

今年は没後40年で、8月19日が命日だった。


山崎方代



評伝によれば、彼は晩年に、自分は童貞だと告白している。

極貧の生まれで、小学校しか出ておらず、生涯単身、放浪の人生だった。


山梨県に、「神の湯」という、山崎がよく訪れた温泉宿がある。

20年ほど前、私は山崎に関心を持ち、そこを訪ねたことがある。


館内には、宿を訪れた時の山崎の写真が飾ってあった。

山崎は小柄だったというが、宿を訪れる時、彼はなぜか白いスーツ姿だった。

その山崎の白いスーツと、南天の実が、私にとって、童貞の象徴のようになっている。



<参考>


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