情報生活デザイン #6: スマホデビューのこどもに教えたいこと その2
前回、スマホデビューの子どもに教えたい6つのリスクについて書きましたが、投稿後に「あ、これも重要だった」と思うことがいくつかありました。
それは、子どもたちが「今の情報環境の異常さ」に気づけないまま育っているんじゃないかという問題です。
情報の作られ方が変わったこと
昔は分かりやすかったと思うんです。
新聞記者やテレビのジャーナリストは、何かしら伝えたいことがあって、その職業を選んだ人たちでした。もちろんビジネス上の制約はありながらも、「読者・視聴者に伝えたいことがある」という想いを起点に、頑張って取材して記事や番組を作っていました。
でも今は違います。
子どもたちがスマホで見ているコンテンツの多くは、「伝えたいことがあるから作られた」のではなく、「エンゲージメント(クリック数・滞在時間)を稼ぐために作られた」ものです。
アルゴリズムが「反応しやすいコンテンツ」を優先的に表示し、作り手も「どうすればバズるか」を第一に考えて制作する。
今の子どもたちは、今の社会がそういう風に動いているということを、すでに察知しているかもしれません。
ただ、熱い想いのジャーナリストたちが作った記事や番組を見る機会は、圧倒的に少なくなっているでしょう。
煽りタイトルや極端な意見に引っ張られやすくなったり
「バズってる=正しい」と感じたり
冷静な分析は「つまらない」と思うようになったり
自分自身はそんな基準で選んでなくても、
最初からその基準で選ばれた情報しか、入ってこない・・・
「そういう世界になっちゃっているんだよ」、
ということを知っておいてほしいと思います。
失敗の影響範囲が変わったこと
もう一つ気になるのは、子どもたちにとって「デジタル晒し」のある世界が「普通」になっていることです。
子どもたちは炎上の恐ろしさはすぐ理解できるでしょう。「晒される」のが怖いことも分かっている。
でも、そもそもこんな状況が異常事態だということは、想像できないんじゃないでしょうか?
私たち大人が子どもの頃は:
恥ずかしい失敗をしても、クラスや学校の友達に知られる程度
時間が経てば自然に忘れられた
大人になる頃には「若い頃の思い出話」
でも今の子どもたちの世界では:
一度ネットに上がったら全世界に拡散される可能性
永続的に残り続ける
全く知らない大量の人々から攻撃される
何年後でも発見される
つまり、「一度失敗したら、もうやり直せない」世界。
今の子どもたちは、そんな世界しか知らないわけですね・・・
われわれが解決できてない問題を、
子どもたちに押し付けるのはよくありませんが、
ただせめて、「そんな世界は異常なんだよ」、
ということは何とか伝えていきたいです。
本当に伝えたいこと
この2つのこと──「情報の作られ方」と「失敗の影響範囲」──について、共通しているのは、これらの問題は、悪者とか陰謀とかでもなく、国・自治体の行政の怠慢でもなく、ビジネス構造的に全世界で引き起こされたことだということ。
そして、多くの人が気づいた時には、そういう世界になっていたということです。
ただ、それは「未来は変えられない」という意味ではありません。
我々人類は、情報社会というものを学びつつある途中で、課題に直面しただけだよ、
経済システムであっても、我々がルールを決められるんだよ、
我々が解決していけばいいんだよ、
ということを伝えたいと考えています。
現状を正しく認識すること。 そして、あるべき姿を描いていくこと。
この問題について、引き続き考えていきたいと思います。
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