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情報生活デザイン #5: スマホデビューのこどもに教えたいこと

こどもにスマホを持たせるとき、
学校の説明会などでも、
リスクを説明してくれることがあります。
SNSのイジメとか、
プライバシーとか、
ゲームへの課金とか、
犯罪に巻き込まれる危険とか・・・

ただ、これまで「広告経済の次」シリーズで
取り上げてきたことを踏まえてみると、
それだけじゃ全然足りない気がしてきました。

経済・社会の仕組みが大きく変わってきていて、
犯罪者だけじゃなく、大企業までもが
個人を相手に、
あの手この手で「巧妙な罠」を仕掛けてくる。
しかも、そのすべてが個別化・密室化しているので、
大人がこどもを「見守る」ことすらできない。

だから、どこかでちゃんと教えないと
マズイんじゃないか・・・
と思えてきたのです。

というわけで、
「こどもに教えたいこと」を
思いつくままに挙げてみます。




1. プライバシー関連リスク

これは、すでに学校などでも取り上げられますね。

  • SNSの投稿が拡散される

  • 顔・名前・学校・位置情報などの漏洩

  • 将来に残るネット履歴

2. 対人・トラブルリスク

これも、広く認知されているところだと思います。

  • SNSでのいじめや誹謗中傷

  • 知らない人との接触、DM、オフ会の危険性

  • 軽いノリの投稿がトラブルに発展

3. 金銭的なリスク

昔は、
「他人からタダでモノをもらっちゃダメ」
「お金を借りちゃダメ」
「お金を賭けちゃダメ」
などと教わった人が多かったと思います。
ところが今、インターネット上では
本質的にはそれと同じことが、
見た目を変えて、
社会に許容されてしまっています。

  • 〇ヶ月無料、期間未定のキャンペーン → 解約忘れを期待

  • ポイント抽選、ゲームのガチャ → 射幸心をくすぐる

  • 適用条件の複雑化 → 消費者の合理的判断を困難にする

こどもたちに理解してもらいたいのは、
これらを仕掛けてくるサービス提供者は、
自分が得することを100%確信して設計している

つまり、
平均的な消費者は損するようにできている、
ということです。

4. アテンションの搾取

気を付けなければならないのは、
お金だけではありません。
人間のアテンション (関心・注意) は非常に
貴重な資源です。

  • 無限スクロール・通知・レコメンド設計
    →「中毒」や「思考停止」に誘導される。

  • 事実よりデマが優先される
    → アテンションを得やすいため

  • 建設的な意見より扇動的な意見が優先される
    → アテンションを得やすいため

これは人間の反射的なシステムに直接働きかけてしまうので、
意思の強さで克服できるものではない、
というところが怖いところです。

5. デジタル情報の搾取

1番目のプライバシーリスクと混同されがちですが、
別のことです。
プラットフォーマーたちが、
以下の情報を漏れなく把握している
という事実を伝えたいです。

  • 過去に検索したワード

  • どのルートでどこに出かけたか

  • どの商品ページを何秒見たか

  • 誰と、どんな頻度でやりとりしているか

これによる具体的な弊害を
こどもに説明するのは難しいかもしれません。
ただ、
あなたが公表するつもりがない情報を、
世界の大企業が、
あの手この手で収集して、
自分たちの利益のために
(多くの場合、広告主に広告の機会を売るなどの形で)
活用しているのだ、
ということは知っておいてほしいと思います。

6. AI・アルゴリズムによる思考誘導

  • AIによる情報収集の代行

  • AIによるニュース記事の生成

すでに、各検索サービスは、
AIが生成した回答を先頭に出すようになってきています。
AIにはハルシネーションの問題もあります。
ウソをそう見極められばよいですが、
訓練されてないこどもには難しいでしょう。
さらに、ニュースの配信なども、
すべて AI によって
完全にパーソナライズされるようになるでしょう。
「個人の興味に合わせる」という大義名分で。
プラットフォーマーに利する特定の思考に誘導される。
例えば、特定の商品や特定の政治的立場を
刷り込まれたりするようになるでしょう。

今はまだ顕在化していないと思いますが、
広告経済がアテンション搾取を
引き起こしたことを考えれば、
必ず現実のものになると思われます。


今や、スマホデビューは小学生のとき、という子が多いと聞きます。
きっと小学生には、これらすべて理解するのは難しいでしょう。
ただ、「こどもに教えなければならないことは何か?」
という視点で考えてみると、
いま私たちが生きている世界の "困った現実" が、
改めて見えてくる気がしました。

現状を正しく認識すること。
そして、
あるべき姿を描いていくこと。
これからも引き続き、取り組んでいきたいと思います。


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