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「優しい人」こそ職場で損をしやすい

お願いされると断れない。
それどころか、いつの間にか私がやることが当たり前になっている。

大変そうだと思って助けたのに、私の大変さには気づいてもらえない。

アドバイスや気づいたことを教えてほしいと言われて伝えたのに、実際にそれを形にする場面では声がかからず、気づけば全部ほかの人の手柄になっている。

話しかけやすいように笑顔でいたり、深刻になりすぎないように努めているだけなのに、「悩みはなさそうだね」と言われる。
思い切って悩みを相談しても、深刻に受け取ってもらえない。

頼んだ側に気を遣わせないように、「全然大丈夫ですよ」とか「またいつでもどうぞ」と建前で言ってしまう。
でも、その言葉をそのまま受け取られて、あとからもやもやしてしまう。


どうでしょう?
これ、職場にいる「優しい人」あるあるだと思います。

もしここまで読んで、「あるある!」と思った方がいたら、あなたは普段からかなり人に気を配っている人なのだと思います。

特にHSP気質を持つ方は、共感性が高い方も多い。

相手のちょっとしたしぐさや表情の変化から、
「この人、余裕がなさそうだな」とか
「困っていそうだな」
ということに気づきやすい。

だからこそ、助けることが自然になっている方も多いのではないでしょうか。

でも、正直、それが報われないと感じることもあると思います。

いつの間にか、自分が助けることが当たり前になっている。
それに違和感を覚えるようになる。
でも、その違和感を持つこと自体が見返りを求めているみたいで嫌になる。

そのように、自己嫌悪に近い気持ちになることもあるかもしれません。

でも、それはあなたが悪いわけではないです。
むしろ、相手のことを思って動けること自体、
本来はとても尊くて素敵なことだと思います。

ただ、残念ながら、それをそのまま受け取れる人ばかりではないのが現実。

人は、やってもらうことが続くと、
それを「ありがたいこと」ではなく
「いつものこと」として受け取るようになります。

やってもらって当たり前、になってしまうんですよね。

仕事でいつも同僚を助けているうちに、気づけばその人の仕事が「私の仕事」みたいになって、やっていないときにこちらに苦情がきたりする。
家庭でも、いつもどちらか片方が皿洗いをしているのが当たり前になると、いつしかありがたみは薄れて、やっていないときのほうが目につくようになる。

もうね、人は、慣れるんだと思います。


しかも、優しい人ほど、その慣れを加速させやすいところがあります。

引き受けるときも、なるべく相手に気を遣わせないようにする。
「全然大丈夫ですよ」と言う。
笑顔でいる。
場が重くならないようにする。

そうすると、こちらの大変さや無理が、
相手からますます見えなくなります。

本当は無理しているのに、平気そうに見える。
気を遣って言っているのに、本当に余裕がある人だと思われる。
その結果、「頼みやすい人」「やってくれる人」(=便利な人)になっていく。

優しい人が職場で損をしやすいのは、
こういう構造があるからだと私は思っています。

優しいことが悪いわけではありません。
でも、相手の負担には気づけるのに、
自分の負担は後回しになりやすい。

しかも、それを表に出さないようにしてしまう。

だから、周りからは「大丈夫な人」に見えてしまっているだけなんですよね。
実際は、表面に出ないように我慢しているだけなのに。


そして、もうひとつ辛いのは、
優しい人ほど怒る前に自分を責めてしまいやすいこと。
これは、自分の経験からも本当にそう思います。

「私が勝手にやったことだし」
「嫌なら最初から断ればよかったのに、断らなかったのは自分だし」
「自分で決めたことの見返りを求めるなんて情けない」
「こんなことで引っかかるなんて、心が狭いのかな」

そんなふうに、自分が違和感を感じることすら、
自分が悪いんだと考えてしまう。


でも、それは心が狭いのではなくて、
負担の偏りにちゃんと心が反応しているだけだと思います。

違和感があるのは当然なんです。
しんどいのに平気なふりをしていたら、苦しくなるのも当然です。

私は、「優しい人」こそ誇っていいと本当に思っています。
相手のことを思って動けること。
空気を悪くしないように気を配れること。
頼まれる前に気づけること。
それは、誰にでもできることではありません。

でも同時に、優しい人が、
ずっと無理をして引き受け続ける必要もないと思っています。
毎回自分が背負わなくてはいけないわけではないんです。

無理だと感じるなら、断っていい。
しんどいなら、引き受けなくていい。
それは冷たさではなく、自分を守る感覚です。

いきなり全部変えなくてもいいと思います。
ただ、「本当はしんどいのに、また大丈夫と言ってしまったな」と気づけたときは、その気持ちを受け取ってあげてください。

優しい人は、周りの気持ちを大事にできる人です。
自分の気持ちも、同じように大事に扱っていいんです。

断ることに罪悪感がある方もいると思います。
でも、断ることは、相手を拒絶することではありません。
自分の限界を無視しない、というだけのことです。

まずは、自分がしんどいと感じていることを、自分で認めること。
そこからで十分だと思います。

優しい人が最初に守るべきなのは、周りの期待ではなく、自分の感覚なのかもしれません。



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