総務のポータブルスキルは、どうキャリアに活かせるのか②──異動せず、総務部でキャリアを積んでいくという選択
前回の記事では、
総務で培ったポータブルスキルを「転職」や「社内異動」にどう活かすか、という視点で書きました。
でも実際には、
異動は考えておらず、当面は総務部でキャリアを積んでいきたい
という人も多いと思います。
今回は、そのケースについて書いてみます。
なお、前回同様、ここで使う「キャリア」は、
人生全体ではなく 仕事経験としてのキャリア という意味で使います。
(キャリアコンサルタントとしては前者も大切にしていますが、今回はあえて仕事の話に絞ります。)
■ 総務に残る理由は、人それぞれでいい
「総務で続ける」と一言で言っても、背景はさまざまです。
総務の仕事が好きで、続けたい
将来やりたいことがまだ見えていない
異動したい気持ちはあるが、希望先がはっきりしない
モヤモヤはあるけれど、今は異動を希望しない(できない)
どれも、特別なことではありません。
そして、どのケースであっても共通して言えるのは、
総務で培えるスキルは、転職にも異動にも使える最強のポータブルスキル
だということ。
これが、今回の記事の結論でもあります。
■ 総務でキャリアを積むなら、「どう積むか」がすべて
総務の仕事は、
言われたことをきちんと回していれば、日常は成立します。
でもその一方で、
何も考えずに過ごしていると、
経験の厚みが出にくい という側面もあります。
だから、総務でキャリアを積むなら大切なのは、
異動しないこと
ではなく
総務の中で、どう経験を積むか
ここを意識することです。
■ ポータブルスキルを磨くために、あえてテクニカルスキルを狙う
私は個人的に、
総務にいるなら、できるだけテクニカルスキル分野の業務に従事してほしい
と思っています。
一見すると、
「ポータブルスキルを磨くのに、テクニカルスキル?」
と矛盾しているように見えるかもしれません。
でも、ポータブルスキルは
どの業務をやっていても、本人の意識次第で身につけられるものです。
だからこそ、
商事法務
ファシリティ管理
規程整備
経営層案件に近い業務
といったテクニカルスキル分野に関わりながら、
同時にポータブルスキルを磨いていく。
これが、総務でキャリアを積むうえでの 最良ルート だと思っています。
■ 総務部内でのキャリア形成は、段階で考える
私が考える、総務部内でのキャリア形成は、次のような流れです。
細かい業務を一人称で回せるようになる
細かい業務の幅を広げる
テクニカルスキル分野に従事する
この順番で進めると、
総務の「酸いも甘いも」一通り経験できます。
テクニカルスキル分野は、
商事法務でもファシリティ管理でも構いません。
適性のある分野、
今の業務と親和性の高い分野でいい。
ぜひ、積極的に「やりたい」と希望を出してほしいと思います。
■ 思うように経験できない現実も、確かにある
ただし、
希望を出せば必ず従事できるかというと、そうではありません。
総務に来た時点での社内での立ち位置
管理職か一般職か
社会人経験の年数
上司の考え方
こうした条件によって、
スタート地点は人それぞれ違います。
また、テクニカルスキル分野の業務は、
経営層からの急な指示が入りやすい
瞬発力が求められる
残業が発生しやすい
という側面もあります。
その結果、
女性の場合、善意の配慮によって機会を与えられない
というケースも、残念ながら少なくありません。
私は、そうした場面を自分自身も含めて、数多く見てきました。
■ それでも、積めるスキルは確実にある
思うように業務転換ができない。
チャンスが回ってこない。
そんなときは、視点を切り替えてほしい。
「テクニカルスキルが積めない」ではなく、
「ポータブルスキルを積んでいる」 と捉える。
調整力
巻き込み力
状況判断力
全体を見渡す力
これらは、
どの業務にいても確実に磨ける力です。
意識して積んだポータブルスキルは、
あとから必ず効いてきます。
■ 次は「言語化」について書きたい
ここまで、総務のポータブルスキルをどう活かしていくかについて書いてきました。
ただ、周りの人や自分自身を振り返ってみても、
総務でキャリアを積む人ほど、
自分のスキルを言葉にするのが苦手な人が多いと感じます。
でも、評価も次の役割も、言語化できた人から与えられる、
というか、つかみ取れる可能性が見えてくるという側面もある。
次の記事では、
「総務のポータブルスキルの言語化」をテーマとして、
少しだけ具体的に書いてみたいと思います。
⚫︎自己紹介とかいろいろ
