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【S1|形のルール】私がルアーを作る理由──形が生まれる前の話 #6

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第6章(最終章)|結びに──必然という名のデザイン

1.振り返ると、すべては一直線ではなかった

私がルアーを作るようになった道のりは、
決して一直線ではなかった。

子どもの頃の憧れがあり、
一度は離れ、
別の場所で別の表現を身につけ、
遠回りの末に、また手の感覚へ戻ってきた。

そのどれか一つが欠けていたら、
いま削っている形は生まれていなかったと思う。

2.必然は、あとから名前がつく

当時は気まぐれに見えた選択も、
無駄に思えた寄り道も、
あとから振り返ると、不思議と一本の線でつながっている。

だが、それは最初から「必然」だったわけではない。
必然とは、最初に与えられるものではなく、
後から名前がつくものだ。

3.ものづくりは、答えを探す行為ではない

ルアー作りも、デザインも、
正解を探す行為ではない。

むしろ、
どこまで自分が正直でいられるかを
何度も確かめる行為に近い。

形は、その結果として現れる。
だからこそ、形には嘘がつけない。

4.デザインは、世界と心が一致した瞬間に生まれる

世界をよく観察し、
手を動かし、
心を澄ませる。

その三つが、ほんの一瞬だけ噛み合ったとき、
形は「作られる」のではなく、
「立ち上がる」。

私はその瞬間を、
デザインと呼んでいる。

5.だから、私はルアーを作り続ける

私がルアーを作る理由は、
魚を釣るためだけではない。

削ることで、
自分がどこで嘘をついているのかを知るため。
削ることで、
世界ともう一度、静かにつながり直すため。

それが、
私にとっての
必然という名のデザインなのだ。

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