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【S6|外伝】デザイン提言──ブレーキとアクセル間違えはなぜ起こる

高齢者の事故が絶えないのに、なぜ、デザインで解決しようとしないのか?

1.繰り返されるニュースの裏で

近年、日常的に耳にする高齢者ドライバーによる事故。
その多くが「ブレーキとアクセルの踏み間違い」によるものだ。
そしてそのたびに、「高齢者は免許を返納すべきだ」「運転させるべきではない」といった声が上がる。
だが、本当に問題は“人”の側だけにあるのだろうか。


2.デザインの視点から見直す

アクセルとブレーキを同じ右足で操作する設計。
これこそ、事故の本質的要因のひとつではないか。
人の判断力が年齢とともに鈍るのは自然なこと。
ならば、その変化を前提にした設計こそ必要だ。

「歳をとっても運転できるクルマをどうつくるか」──
そこに、デザインが介入すべき余地は大いにある。


3.マニュアル車が教えてくれること

思い返せば、マニュアル車の時代には「踏み間違い」という言葉はほとんど聞かなかった。
左足がクラッチ、右足がアクセルとブレーキ。
両足で異なる操作を行うことで、身体が自然に動作を区別していた。
人間の身体感覚と機械操作の関係に、明確な「リズム」があったのだ。


4.世界標準を見直す勇気

オートマ車の普及によって操作は確かに簡便になった。
だが、同時に“身体の記憶”は奪われた。
右足だけで全てを行う設計が、危険を呼び込んでいる。

左足ブレーキを標準とした新しいペダル配置。
それだけで命を守れるかもしれない。
「変わらないこと」がリスクになる時代に、
デザインが果たすべき役割は大きい。


5.結びに

デザインは、機能を美しく整えるだけではない。
人の行動を支え、失敗を減らす、いわばマシンとヒューマンをつなぐ「共感の仕組み」だ。
弱者である高齢者を排除するのではなく、支えるための設計。
それが、これからの社会に求められる「やさしいデザイン」だと思う。

[2026年5月9日追記]
レース車では、左足ブレーキが採用されていることを知りました。


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