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【S6|外伝】思いつきを侮ることなかれ——結実する思考

「あ、いいこと思いついた!」

子どものころから、よくあるシーンだ。

そして、だいたいその思いつきは、

「なーんだー、そんなことかー」

で終わる。


たいていの思いつきは、大したことはない。
取るに足らない。

そう思っていないだろうか。

時間をかけて考えることは大事だ。
推敲することは大事だ。
議論を尽くすことは大事だ。

たしかにその通りだ。
異論をはさむ余地はない。

しかし。

それとは別種の、強力な思いつきが、
確かに存在する。


「散歩していたら、新しいビジネスを思いついた」

「子どもをあやしていたら、急に企画が降りてきた」

「テレビを観ていたら、急に閃いた」

そんな話を聞いたことはないだろうか。


かく言う私も、
起業を思いついたのは、飲み会の席だった。

話題が起業だったわけでもない。
示唆に富んだアドバイスがあったわけでもない。

それは、突然だった。

「あ、会社やろう」

とても軽い、身体の中の反響だった。


でも、軽いからといって、
中身まで軽いとは限らない。

たぶんそれは、
頭の中でずっと浮遊していた思索が、
ある瞬間に、形を持っただけなのだ。

思いつきは偶然に見える。

けれど、その背後には、
地層のように重なり合った時間がある。


こうして生まれ落ちた「思いつき」は、
私の人生の向きを変えた。

大声で宣言したわけでもない。
立派な計画があったわけでもない。

ただ、腑に落ちただけだ。


「なーんだー、そんなことかー」

そう言われるぐらいが、ちょうどいい。

思いつきは、
だいたい静かに世界を変える。


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※こうした、まだ言葉にならないまま浮かんでくる感覚や、思考の断片を、
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▼ 「思いつき」の反対は「違和感」?

▼ 最終回から読み直すのもアリ?

▼ 衝動に駆られて、初めて書いた外伝です


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