【S1|形のルール】境界にデザインはある #6
◀ 前の回を読む
第6回---境界を失いつつある人類
人類は、境界を消そうとしすぎているのではないか。
そう思いたくなる。
スマートフォンはベゼルレスになり、
画面と筐体の境界は消え、
アプリ同士の境目もなくなった。
家も、街も、情報も、時間も、
すべてがシームレスでフラットに繋がっていく。
常時接続が当たり前になり、私たちは、もはや「ここ」と「あそこ」の区別を、
はっきりと感じることが難しくなっている。
川の流れと流れの境目で、
廻り縁が空間に溜めを作り、
障子が光と気配を通し、
鳥居がゆるやかに切り替え、
皮膚が内と外を繊細に守りながら交わらせていた。
自然の境界は、
分けることで関係性を生み、
閉ざすことで守り、
開くことで交わらせていた。
しかし現代のデザインは、
境界を「分断」として拒み、
取り除く方向へと突き進んでいるように見える。
それは、本当に自然から学んだことなのだろうか。
それとも、私たちは境界の本質を、どこかで誤解してしまったのだろうか。
答えは、
いつも境界に現れる。
完
連載一覧(マガジン)はこちら
D4G Worksについて
私が運営する「D4G Works」では、デザインを通じて社会や生命の営みをより良くする実践を進めています。
詳しくはこちら → D4G Works公式サイト
※答えは、いつも境界に現れます。
D4G Worksでは、そうした“まだ輪郭を持たない違和感”や、人と社会のあいだにあるズレを、構造として整理していく伴走も行っています。
→ 言葉になる前のものを、構造として捉え直す
▼ 境界は、隔てるためだけにあるんじゃない
▼ 輪郭には、成立している感じが出る
▼ 便利になるほど、形はひとつに寄っていく

