【S6|外伝】こだわりと融通のあいだで、
あの人は融通がきかない。
あの人は頑固だ。
これは、ネガティブな評価。
あの人のこだわりはすごい。
あの人は徹底している。
これは、ポジティブな評価。
どっちもどっちだ。
日本語はとても難しい。
でも、表現の選択肢はとても広い。
私は、どちらかというと前者のほうだった。
納得いかなければ、頑として動かない。
腹に落ちないことは、やらない。
徹底的に戦う。
陰口を叩かれたこともあっただろう。
しかし、ある年齢を超えたあたりから、
まわりの評価が変化しはじめた。
「こだわり」と言われることが多くなってきたのだ。
これは、正直、かなり困った。
こちらは何も変えていないのだから。
私は、こだわりをもった職人ではない。
職人のこだわりは“自分の世界”を磨くためにあり、
デザイナーのこだわりは“誰かの明日”を少し軽くするためにある。
「こだわり」は自分との対話だ。
融通がきかない、私のこだわりは、
こうやって、気持ちを入れて日常を解きほぐすことだ。
こだわりと融通の間で、視点の拡大縮小を繰り返しながら、
ちょっとした違和感を編み上げることだ。
完
連載一覧(マガジン)はこちら
D4G Worksについて
私が運営する「D4G Works」では、デザインを通じて社会や生命の営みをより良くする実践を進めています。
詳しくはこちら → D4G Works公式サイト
※こだわりは、ただ曲げないことではないのかもしれません。
譲れないものと、
変えたほうがいいもののあいだで、
視点を行き来しながら、違和感をほどいていくこと。
D4G Worksでは、そうした言葉になる前の反応や違和感を、構造として捉え直し、かたちにしていく伴走を行っています。
→ 言葉になる前のものを、構造として捉え直す
▼ こだわりの根っこには、たぶん小さな違和感がある
▼ 納得できないのは、形がまだ見えていないからかもしれない
▼ 手法より先に、引っかかる場所がある
