メタル君の「今日の精神医学豆知識!」(700)-(705)
皆様、こんにちは。
鹿冶梟介(かやほうすけ)です😆
以前noteやXでもお伝えしましたが、小生の家内は乳がんを患い、現在も抗がん剤で治療を受けております。
少し前まではパクリタキセルという有糸分裂阻害剤系の抗がん剤が中心でしたが、これがようやく終了し、現在はハーセプチンという分子標的薬を投与されております。
パクリタキセルは副作用も強く、女性にとっては辛い"脱毛"という副作用が現れます。
治療前に主治医からは「絶対毛は抜けます」と言われていたので、本人も覚悟をしておりましたが、投与から3か月...見事というぐらい禿げちゃいましたね...。
それでも本人は、「カツラの方が髪質がよい」といって、ウィッグをファッションのように楽しんでおります(強者のマインド)。
そんな中、家内の職場でちょっと面白いことがあったので、ご紹介しますね。
家内は小学校で情緒学級(発達障害等のため情緒的な問題を抱えている児童を対象とした特別支援学級)で支援員をやっているのですが、お世話をしている自閉スペクトラム症の子が、ジー―――ッと頭部を見つめてきたそうです。
両者のにらみ合いがしばらく続いた後、その子は家内にこう言いました。
「なんか、髪が変。カツラみたい」
...なんと、その子は妻のカツラを一発で見抜いたのです!!
このナイフよりも鋭い指摘に家内は、
「え?そうかな~」
とはぐらかしましたが、以後、その子は家内の頭部にはついては何も言わなくなったそうです...。
発達障害の子の中には、妙に観察能力が高い子がおりますが、その子もどうやら家内の”異変”に気づいちゃったようです。
このような異能とも呼べる能力を大切に育てたら、将来何かしらの分野でエキスパートになるかも知れませんね?(カツラ鑑定士?)
↓娘が書いた家内のカツラの絵です。母の日のカードに描かれてました(もやはネタにしてますね…😅)。

メタル君の「今日の精神医学豆知識!」は、X(旧: twitter)で毎朝8時にアップしております。
X(旧: twitter)民の皆様も、X(旧: twitter)では語りきれなかった【メタルのおまけ】がございますので、ご興味があれば本記事を是非お読みください!
【今日の精神医学豆知識集!(その141)】
701.抜毛症(Trichotillomania)は自分の毛を引き抜いてしまう癖によって脱毛班が出現する精神障害のことだよ。日本語では禿頭病(とくとうびょう)とも呼ばれているよ。ちなみに自分の頭髪だけでなく、眉毛、まつ毛などあらゆる体毛が対象となりうるよ。
【メタルのおまけ】
抜毛症はDSM-IVでは衝動制御障害に分類されていたけど、DSM-5からは強迫性障害に分類されるようになったよ。最近では、身体集中反復行動(Body-focused repetitive behavior)といって、自分の体を繰り返し傷つける(自傷とまでは言えない程度)異常行動群が強迫性障害に含まれるとされているよ。具体的には、爪噛み、指の皮むき、鼻ほじりなんかが該当するよ。
↓売上世界一の育毛剤だそうです!
702.抜毛症は男女比では1対10で女性に多い疾患だよ。生涯有病率は疫学調査によってばらつきがあって0.6-4.0%の間だよ。初発年齢は9-13歳の思春期前が多いよ。幼少期に発病した場合は多くは自然治癒するけど、成人発病の場合は長期間続くことがあるよ。
【メタルのおまけ】
抜毛症の原因としてはストレスや不安が挙げられるよ。特に思春期前の場合は、中学受験の時に抜毛症になる子供って結構いるね。受験が終われば抜毛症もおさまることが多いけど、相当なストレスを抱えている証拠だよね。受験生を持つ親御さん、一度お子さんたちの毛髪をチェックしてみよう。
↓ウルトラの父もおすすめのウルトラ育毛剤だそうです!(ウルトラの父って、毛あったかしら?🤔)
703.抜毛症に関連する遺伝子がいくつか見つかっているよ。例えばセロトニン2A受容体、SAPAP3、SLITRK、HomeoboxB8などの変異と抜毛症との関連が指摘されているよ。特にHomeoboxB8ノックアウトマウスは抜毛症そっくりの症状を呈するよ。
【メタルのおまけ】
抜毛が遺伝子異常と関連するとは驚きだよね。ちなみに抜毛ではなく、脱毛...ようするに男性の禿についても遺伝子研究がされていて、これは5αリダクターゼとよばれる酵素遺伝子が親から子に遺伝しやすいと言われているよ。ちなみに5αリダクターゼは男性ホルモンであるテストステロンと結合して脱毛がはじまるんだって。僕はメタルスライムだから、あんまり関係ないね。
↓脱毛対策には頭皮環境を整えましょう!
704.抜毛症の患者さんのうち35-40%が引き抜いた毛を噛んだり飲み込んだりするんだって。これを食毛症と言うよ。食べた毛髪は胃では消化されないからイレウスや毛髪胃石を引き起こすよ。ちなみに毛髪胃石をラプンツェル症候群と呼ぶよ。
【メタルのおまけ】
この毛髪胃石って結構グロいんだけど、なんでグリム童話の名前がついているんだろう。グリム童話ラプンツェルは長い間、塔に閉じ込められ、魔力の宿る髪の毛を禁じられたためどんどん伸びていった...という話だよね?毛髪胃石も胃の中で切断されることがなく、どんどん溜まって丸くってしまったんだね。つまり童話は「塔」に閉じ込められ、毛髪胃石は「胃」にとじこめられているから...というのが僕の推理だよ。誰か、ラプンツェル症候群の正確な語源を知っていたら教えて!
↓えっ!?Amazonで発毛内服薬が売ってるの?
705.抜毛症の治療薬としてはトラゾドン、フルボキサミンなどの抗うつ薬や、リチウム、クロナゼパムなどが有効と言われているけど十分なエビデンスはないよ。非薬物療法としては原因となるストレスの軽減や認知行動療法が有効といわれているよ。
【メタルのおまけ】
強迫性障害としての側面が強いようであれば、是非とも薬物療法を導入すべきだと思うよ。でも、「ちょっとしたクセ」ぐらいな感じなら環境を変えるだけで随分と軽減するから、まずはストレス発散・気分転換を試すようにしよう。特に中学受験の抜毛症は受験が終われば自然とおさまることが多いよ(個人的感想)。
↓うちの家内が使っているカツラです!
【メタル君の考察】
今回は「抜毛症」に関係する精神医学ネタをツイートしたよ!
抜毛は精神医学においては強迫性障害に該当するんだけど、やはり皮膚のことだから皮膚科の先生との連携も大切だと思うよ。
髪は"長い友"とかくから、大切にしたいよね。
ところで鹿冶さんの奥さんは、見事に脱毛したね。
抗がん剤の副作用で辛い症状のひとつなんだけど、意外に本人は元気そうだからよかったね。
ごはんもモリモリたべているから、きっとすぐに生えてくるさ(栄養大事)。
これからもマニアックな精神医学ネタをジャンジャン紹介するぞ😆
↓この勇者のヘアバンドをすれば、勇気がでてきますね!
【X(Twitter)】
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私について(自己紹介):鹿冶梟介(かやほうすけ)|鹿冶梟介(かやほうすけ) @kayahosuke #note https://t.co/Jk47SAeCB7
— 精神科医・鹿冶梟介(かやほうすけ) (@kayahosuke) March 22, 2022
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