メタル君の「今日の精神医学豆知識!」(951)-(955)
皆様、こんにちは。
鹿冶梟介(かやほうすけ)です☺️
先週のXで、最も反響のあったポストです(約9900インプレッション)
↓
【メンタルクリニックと山登り】
— 精神科医・鹿冶梟介(かやほうすけ) (@kayahosuke) April 25, 2026
精神科での治療は、山登りに似ている。
一緒に山に登ることはできても、相手を背負って登ることはできないのだ。
あなたが「もう登らない」と言うのであれば、
我々にできることは限られてしまう。
しかし、あなたに山を登る意志がある限り、… https://t.co/fKEYJuaun4
山登り——。
これは、精神科の治療に過剰な期待をする患者さんや、コンプライアンスがあまり良くない患者さんにお話しする、たとえ話です。
ご存じのように、山登りとは自分の足で登ってこそ「山登り」といえます。
誰かに背負われて登るのは、山登りではありません。
ヘリコプターで山頂まで行くのも同様です。
自分で登ったという事実や、その過程こそが大切なのです。
精神科の治療は、この山登りに近いといえます。
なぜなら、精神科治療では患者さんの主体性が非常に重要だからです。
通院することも、内服を続けることも、極論すれば「治りたい」という意思やモチベーションがなければ続きません。
医師は治すのではなく、患者さんが治っていくのを手伝っているにすぎないのです。
こうした言い方をすると、「冷たい」と感じる方もいるかもしれません。
しかし、精神科医が患者さんの人生をすべて請け負うことはできません。
患者さんは一人だけではありませんし、医師にもそれぞれの人生があるからです。
それでも、患者さんが「治療」という名の登山を続ける限り、精神科医はそばでガイドを続けます。
登る山は険しく、山頂が見えないこともあるでしょう。
それでも、そばにガイドがいるという事実は心強いものです。
雇って損はない——小生はそう思います。
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【今日の精神医学豆知識集!(その191)】
951.ラツーダ®(ルラシドン)は2020年に発売されたセロトニン・ドパミン拮抗薬で、統合失調症や双極性障害(うつ症状)に使用されているよ。名称はラティチュード(latitude)= "幅広い"が由来で、患者さんの可能性や人生の選択肢が広がって欲しいという願いが込められてるよ。
【メタルのおまけ】
ラツーダの容量は診断によって異なり、統合失調症の場合は40mg(最大80mg)、双極性障害のうつ状態の場合は20-60mg(最大60mg)なんだよ。また食後にのまないと、十分血中濃度が上がらないという点にも注意だね。メリットとしては、抗精神病薬のなかでは比較的太りにくいと言われているよ。
↓体重が気になる方は、これを!
952.メラトベル顆粒®(メラトニン)は2020年に発売されたメラトニン製剤で小児期の神経発達症に伴う入眠困難に対して使用されるよ。名前の由来は主成分の「メラトニン」+美しいを意味するフランス語「bell」なんだよ。美しい眠りが得られるようにという願いが込められてるね。
【メタルのおまけ】
メルトベルの名前の由来については、訂正があるよ。メルトベルの「ベル」はフランス語の「bell」ではなく、社名ノーベルファーマのベルなんだって。製薬会社の人が、フランス語由来と説明していたんだけど、これはベルソムラの語源とごっちゃになってたみたいだね。自社製品のことはしっかり覚えていてほしいね。
↓ベルが欲しい方はこれを!
953.デエビゴ®(レンボレキサント)は2020年に発売されたオレキシン受容体拮抗薬で不眠症の治療に使用されるよ。名前の由来は「Day(日中) + Vigor(活力)+Go(ready to go)」らしいけど、夜しっかり寝て日常生活に活力を...、という意味が込められているのかな(合っている?🤔)
【メタルのおまけ】
デエビゴはベンゾ系にとってかわって使用されているオレキシン受容体拮抗薬のひとつだよ。名前の由来は、Day(日中) + Vigor(活力)+Go(ready to go)だけど、同剤は半減期が47-51時間と眺めだから、日中の眠気を訴える患者さんも少なからずいるね。
↓活力が欲しいときはこれ!
954.クービビック®(ダリドレキサント)は2024年に発売されたオレキシン受容体拮抗薬で不眠症の治療に使用されてるよ。名前の由来は「クゥ〜😴と寝てビビッと起きる😳」ではなく、Quest(探求)+Viva(生き生きした)+IQ(叡智)なんだって!前者の方が絶対覚えやすいね。
【メタルのおまけ】
三角形の錠剤が目印のクービビックだけど、名前の由来はダジャレじゃなかったね。ちなみにクービビックの半減期は6.6-8時間だから、デエビゴのような持ち越し効果は少ないと言われているよ。名前や形が特徴的なお薬なんだけど、次に登場するお薬のせいで、薬としてのアイデンティティが危ぶまる感じがするね...。
↓駄洒落Tシャツ、いかがですか?
955.ボルズィ®(ボルノレキサント)は2025年に発売されたオレキシン受容体拮抗薬で不眠症の治療に使用されているよ。名前の由来は一般名であるVornorexant(ボルノレキサント)+ZZZ(😴💤)なんだって!擬音が名称に使われるのって、この薬以外知らんね...🤔(世界初?)
【メタルのおまけ】
つい最近登場したオレキシン受容体拮抗薬であるボルズィは、ZZZと擬音を薬名に入れた衝撃的ネーミングだよ!しかも驚くのはその効果で、入眠作用が強く、半減期が約2時間とすぐに体から抜ける薬なんだよ。持ち越し効果が少ないから、高齢者の不眠症にはもってこいな薬だね。
↓効果は不明ですが、睡眠補助薬です。
【メタル君の考察】
今回は「2020年以降に発売された向精神薬の語源」に関係する精神医学ネタをポストしたよ!
最近発売された、向精神薬はいろいろあるけど、ネーミングセンスもいろいろだね。
薬の名前って、どうでもイイじゃんと思うかもしれないけど、結構重要なんだよ。
理由は処方するのは人間...、医者だから、まずは薬の「名前」を覚えてもらう必要があるんだ。
ハッキリ言うと、最近上市した向精神薬は、従来薬と比較してそこまでハッキリとした優位性はないんだよね。
古い薬でも、症状に合わせて微調整・組み合わせをちゃんと考えれば、患者さんは十分回復するよ。
ただし、この微調整は医師の経験によるところが大きいから、名医に会えるか否かによるところだね。
要するに「自分に合った処方をしてくれる主治医」を見つけることが肝要なんだよ。
もう少しで僕のシリーズ、「メタル君の今日の精神医学豆知識!」も終わりそうだけど、
これからもマニアックな精神医学ネタを最後まで走り抜けて紹介するぞ😆
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— 精神科医・鹿冶梟介(かやほうすけ) (@kayahosuke) March 22, 2022
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