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メタル君の「今日の精神医学豆知識!」(846)-(850)

皆様、こんにちは。

鹿冶梟介(かやほうすけ)です!

12月ーー、師も走る師走に突入しましたね🏃‍♀️

毎年のことですが、精神科病院の年末は本当に忙しいものです。

これは精神科に限らず他科でも同じかもしれませんが、「年末年始は自宅で過ごしたい」という患者さんが一定数おられ、退院調整で病棟がバタバタするからです😖

さらに12月は正月休みを挟むため、処方切れを避けようと、いつもより多くの外来患者さんが受診する傾向があります。

ーーということで、外来も必然的に慌ただしくなります。

しかも当院の仕事納めは、今年は12月30日…😱

先日、外来患者さんに「30日まで開いておりますので、予約取れますよ」と案内したところ、

「いえ、正月はゆっくりしたいので…。それにしても、30日までお仕事とは大変ですね。先生もお休みください」

ーーと、気を遣っていただきました☺️(優しい)

病院スタッフから「院長権限で30日も休みにしてほしい」と言われることもありますが、小生は“雇われ院長”なので、そんな権限はありません😭(悲しい)

そんなわけで、今年も諦めて30日まで駆け抜けていきますよ。(医師も走る🏃‍♀️🩺)!

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【今日の精神医学豆知識集!(その170)】

846.健児丸って知っている?慶長4年(1599年)に創立された爽神堂という治療施設で用いられた一子相伝の秘薬だよ。精神障害者に使用されていたらしいけど、その成分は黄蓮、黄芩、沢瀉など12種の生薬が含まれた薬で、鎮静作用があったと言われているよ。

2025年8月21日

【メタルのおまけ】
健児
丸は鎮静作用以外にも清熱作用(のぼせ、興奮の改善)、利尿作用を有していたと言われているよ。ところで健児丸についてはネットで調べてもほとんど出てこない情報だよ。これこそ僕のマニアック魂の真骨頂だね!(←なぜか偉そう)

↓健児といえば、森脇健児!


847.土田獻が著した本邦最古の精神医学書「癲癇狂経験編」によると、下気圓、麦芽汁、柴胡湯、降火湯などの漢方薬が精神疾患に有効とされていたよ。当時は「伏熱(身体にこもった熱)」が精神疾患の原因であり、この熱を下げることが治療につながると考えられたそうだよ。

2025年8月22日

【メタルのおまけ】
メンタルと熱との関係は古今東西指摘されているね。そもそも高熱になると異常な言動をする”熱せん妄”は昔からあって、この熱を下げると異常な言動が改善したという経験から、「伏熱(身体にこもった熱)が精神疾患の原因」という考えが生まれたんじゃないかな?

↓インフルエンザの季節ですが、インフルエンザでも熱せん妄がでることがよくあります。冷却シートの常備を!


848.明治時代に神戸文哉によって翻訳されモーズレイの著書「精神病約説」によると、当時はうつ病の治療としてアヘン、モルヒネが用いられたいそうだよ。それからクロラール、ヒヨスや臭素なども精神疾患の治療に使用されていたみたいだよ。

2025年8月23日

【メタルのおまけ】
余談になるけど、アヘンをアルコールに溶かしたものをアヘンチンキとよぶけど、ヨーロッパでは20世紀初頭まで使用されていたよ。その用途は主に鎮痛と咳止めだったらしいけど、依存性が強くて厳しく制限されたんだって。ちなみにアヘンチンキを発明したのは錬金術師のパラケルススで、彼はこの薬を「ローダナム(ラテン語で称賛)」と呼んだそうだよ。

↓なんとあの心理学者ユングがパラケルススについて書いた本だそうです!


849.大正時代の医師らが使用した「精神病診断及び治療學」という書籍に鬱病治療薬として阿大丸療法という薬剤が記載されているよ。これは水製阿片エキス(3.0)、大黄エキス(2.0)、甘草末(適宜)という割合で混ぜたのち300錠にした薬だって。1日の最大量は50錠らしいよ(多過ぎ)。

2025年8月24日

【メタルのおまけ】
阿大丸療法のように、昔は阿片がうつ病治療に用いられていたんだね。それにしても甘草末の"適宜"って料理で言うところの"少々"って感じかな?ちなみにこの阿大丸療法もネットでは検索しても出てこないお薬だね。

↓少ししか読んだことがありませんが、面白かったです!


850.昭和23年に東大教授の内村裕之によって著された「精神医学教科書」によると、うつ病治療薬として鎮静剤、睡眠薬に加えてスコポラミン(抗コリン剤)の皮下注射が挙げられていたよ。ちみに内村はそれまでうつ病治療に用いられていた阿片の効果には懐疑的だったらしいよ。

2025年8月25日

【メタルのおまけ】
うつ病の治療の基本は睡眠時間をしっかりとることなんだけど、昭和初期にすでにそのことはわかっていたみたいだよ。それからスコポラミンについては昔から"多幸感"が生じることが知られているから、内村もこれを用いたんだね。でもスコポラミンは認知機能を低下させるから、長期投与はよくないと思うよ

↓ブチルスコポラミンはネットでも購入できます💊


【メタル君の考察】

今回は「近代日本の精神科処方」に関係する精神医学ネタをポストしたよ!

近代になると流石に眉唾な処方は減ってくるけど、それでも今では再現不能な処方も数多くあるみたいだね。

だいぶ前にnote記事でも紹介した「テリアック(仏:La thériaque)」は、どんな病気にも効くと言われた中世の万能薬でレシピの文献は今も残っていけど、全てのレシピが残っているわけじゃないから、現代では再現不能だよ。

こんな感じで世界には「ロストテクノロジー」とも言える伝説の処方が数多くあるみたいだから、またの機会に紹介できたらいいね。

これからもマニアックな精神医学ネタずずぃーと紹介するぞ😆

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