【vol.3】「実行力」を身に付けるためには何をしたらいいの?(維持編)
今回は『後回しにしない技術(著:イ・ミンギュ)』を参考にさせていただいて、「実行する」ための方法を整理しようと思います。
特に今回は、(私の仕事のこともあり)受験のためのコーチングの視点で、学習者に実行してもらうための具体的なアクションをまとめます。
書籍内では、大人が仕事をするときに活用できる考え方も多数書かれていたので、是非読んでみることをオススメします。
事例や研究内容の記載も豊富で、抽象論になりがちなこの手の本の中では、具体的なアクションや意味がわかりやすいという印象です。
後回しにしない技術(著:イ・ミンギュ)
本記事では、書籍と照らし合わせやすいように、書籍内のタイトルと記載を引用させていただき、それについての受験コーチングとしての私なりの視点を追加する形で考えてみようと思います。
引用しながらになるのでとても長くなってしまい恐縮ですが、コーチングの際の具体的なアクションに繋げるネタとして読んでいただけると幸いです。
引用を含みつつでかなり長くなるので、今回は「vol.3 維持編」について書きます。
残り二つもお読みいただけると幸いです。(【大前提】については重要なところなので毎回入れています)
vol.1 決心編
vol.2 実行編
【大前提】実行力は資質ではなく技術だ
・実行力は生まれつきの資質ではなく、学んで練習すれば誰でも開発できる、一種の「技術」だ。(p6)
コーチングがサービスとして最も価値が出せるのは、まさにこの考え方が前提にあると思います。
コーチングでは「答えは本人の中にある」という考えのもと傾聴することが重要と言われます。全くもってその通りだと思います。
ただ、それで考えが整理されてスッキリしたから終わりというのは現実的には何も変わっていないという可能性が高いと言わざるを得ません。
短期的な悩みならそれで良いのですが、まさに受験のような長期的に考えるべき目的(仕事や生活、自己実現も実際ほとんど短期的な話ではないはずです)には、考えを整理して目的を決め、具体的なアクション(手段)を検討して、そしてそれを「実行」して初めて前に進められます。考えるだけでは何も生まれません。
したがって、考えを整理した後に、それを解決するために「実行」させることがコーチングの価値であり、そして「実行すること」はやる気というような気持ちの問題ではなく、再現性のある技術だからこそ、誰でも習得ができる、つまり、学べるものであると言えます。
・実行力は「決心―実行力―維持」という3段落からなる。(p8)
・決心の階段→実行の階段→維持の階段(p8)
こちら当たり前に思えますが、だからこそ改めてどのようなことが実現できる技術なのか、そのノウハウの段階を整理できるということです。
以下、この「決心・実行・維持」の3段階に分けて、コーチングで必要な姿勢や考え方を整理します。
【維持1】自己イメージがあなたの行動を決めている
・ある人があなたとどう接するかは、あなたが実際にどんな人間かということよりも、その人があなたをどう規定しているかに全面的にかかっている。同様に、あなたの態度や行動よりも、あなたがあなたをどう規定しているかによって決まる。(p221)
・朝起きができないのは、怠けているためではない。意志が弱いからではない。自分を「早起きができない人」と決めつけているからだ。(p221)
・「○○、わたしは何者か?これまだどんな人間だったか?これからはどんな人間なのか?」(p223)
これは意識の話ではあるので、コーチから具体的に働きかけられることではありません。
このように自分を規定できるかは学習者自身でしかなく、コーチが意識を直接変えることはできません。
ただ一つ大切なコーチの姿勢として、コーチは学習者が実行可能であると信じることはあります。
人を変えることはできませんが、コーチの信じる姿勢をきっかけに意識が変わっていく可能性はあります。
コーチはこの話をするというよりも、コーチングの姿勢として、常々信じているということは伝えるようにしましょう。
🌟コーチングポイント🌟
学習者自身に「自分はできる」と規定してもらうことは大切。
ただコーチが学習者の意識を変えることは難しいので、少なくともコーチはできると信じているという姿勢を持ち続ける。
【維持2】意志の力に頼ってはならない
・コントロールしたければ、あなたをコントロールしている刺激の力を認識し、まず状況をコントロールしなければならない。もしあなたが状況をコントロールできなければ、状況があなたをコントロールするだろう。(p243)
これまで何度も述べている通りなので今更ではあるのですが、意志の力を信じてはいけません。
意志だけでなんとかなるなら、みんな成功者です。
意志ではなく、習慣を頼り、その習慣を作り上げるために環境を整備することが大切です。
意志が弱いのではなく、実行できる環境を整えられていないだけです。
🌟コーチングポイント🌟
実行は、意志ではなく、習慣化できる環境により為される
【維持3】「背水の陣」のすさまじい力
・逃げられない状況に自分を囲い込み、望みのことに没頭するための囲い込み技法だ。(p245)
実行できないと不利益を絶対に被る状況を作り出すのも非常に有効な方法です。
「やりたい」よりも「やらなきゃ」の方が行動しやすいという性質をうまく活用しましょう。
ただ自分だけでそのような状況に自分自身を追い込むのは辛いので、そのためにコーチの存在に大きな価値があります。
実際のところ、目的を明確にして覚悟が決まっている学習者の方が少ない(特に初期の維持期間)ので、コーチが環境を整えていく、くらいの気持ちを持ちましょう。(サービス登録を一緒にやる、など)
🌟コーチングポイント🌟
やらないと不利益を被る環境に自分自身を追い込めば、必然的に実行できる。
自分で自分を追い込むのは難しいところがあるので、コーチが背中を押してあげる。
【維持4】障害物が目に入るのは、目標から目をそらすからだ
・望むものを手に入れたければ、望まないこと、避けたいことについてではなく、望むものとそれを手に入れる方法について考える時間をもっと増やさなければならない。 (p269)
習慣化が見えつつマンネリ化してきたときには、改めて目的の確認をしましょう。
いくらか実行したからまた見える世界が変わっている可能性はあるので、その目で目的や手段をコーチと確認します。
また、その時点での目的への到達度がわかるテスト(受験なら模試や過去問など)に取り組んでみることも意味があります。
徹頭徹尾、目的達成の意義とその手段をより明確化していくということは常に変わりません。
学習者が自身が行なっていることが正しいことであると心の底から思えるように、何度も何度もいっしょに確認をしましょう。
🌟コーチングポイント🌟
しつこいくらい目的達成の意義とその手段の明確化を行わせる。
学習者はわかっているようで時間が経つにつれて意識が薄くなるので、コーチと話すタイミングで毎回強い目的意識を取り戻させる。
【維持5】アンテナを高く立てればヒントは勝手に集まってくる
・ある目標に集中すると、人間の脳は目標と関連したものだけに強く反応し、それ以外の刺激を無視するようになる。(p273)
これも学習者の意識の問題なので、最後のところは学習者自身がどう考えるかという部分はあります。
ただ、具体的にコーチングできることとしては、学習者の環境を積極的に目的と関連したものだらけにしていく、ということは考えられます。
例えば、(前述していますが)スマホの待ち受け画面を目的に合ったものにするなどです。
また、コーチ自身に余力があるなら、コーチングの度に目的に関する情報やニュースを伝えてあげることでも良いです。
何にせよ目的に近しい情報に触れる機会を増やすことを心掛けましょう。
🌟コーチングポイント🌟
目的に関連する情報に触れる機会を増やすように環境を整えたり声掛けをする。
【維持6】目標から目をそらさないための3つのトリガー
・言語的・常識的触発刺激(Verbal&Symbolic Prompt)(p278)
・状況的触発刺激(Situational Prompt)(p279)
・社会的触発刺激(Social Prompt)(p280)
前述にも関わりますが、目的へのアクションを呼び起こす刺激としては、大きく3つに大別されます。
これまで書いてきたものも、このどれかに分けられるので、環境や整えるときのヒントにしましょう。
言語的・常識的触発刺激は、スマホの待ち受けやパソコンの壁紙、座右の銘を貼り出すなどして、行動ができなくなりそうになったときに、目的を思い起こす刺激です。
状況的触発刺激は、勉強している人が多いところに行って勉強したり、タイマーを使って時間の管理をするなどの、状況自体が行動を促進できるような刺激のことです。
社会的触発刺激は、端的に言えば、同じ目的を持つ人と一緒にいるということです。同じ目的があれば必然的に目的を忘れにくくなります。
コーチは同じような目標感の学習者を会わせたり、(本人の許可をとった上で)スケジュール進捗を共有したり、目的自体は異なっていても習慣化の観点でコーチも一緒に努力してみるなども考えられます。
🌟コーチングポイント🌟
実行を維持させるためには目的を思い起こす刺激を学習者の周りに存在させるように工夫する。
例)
言語的・常識的触発刺激:スマホの待ち受けを目的(志望校など)に設定して、行動できないと感じるときに目的を思い起こす
状況的触発刺激:図書館に行って勉強するなど、周囲の状況で目的に対してアクションを喚起する
社会的触発刺激:同じ目的を持つ人と一緒にゴールを目指すことで、目的をより強く意識するようになる
まとめ(vol.3 維持編)
今回は「vol.1 決心編」「vol.2 実行編」と被っている内容も多いです。
これは、実行習慣化への道は同じで、常に点検しながら正しい努力をしていくことを表していると私は考えます。
まさにこの部分がコーチがいないと一人だと挫折しがちなところであり、だからこそ今の世の中では「コーチング」というものが注目されているんだと思います。
ここまでのコーチングポイントを以下にまとめます。
コーチングの際のテーマとしてコミュニケーションを取るなかで、具体的に思考やアクションや整理しましょう。
うるさいくらいに突き詰めることが重要です。
ちょっとふわっとしてるな、と感じる部分があれば、ほぼ間違いなくまだ考えなければならない部分が残されています。
そこまでこだわるためにコーチが存在しているので、学習者に嫌がられるくらいに強く意識しておきましょう。
また、「vol.1 決心編」「vol.2 実行編」「vol.3 決心編」全てのコーチングポイントをまとめた記事を作りました。
「実行」を意識したコーチングを行う際のヒントになれば幸いです。
「実行」させるコーチングのポイントってどんなこと?
🌟コーチングポイント🌟
①学習者自身に「自分はできる」と規定してもらうことは大切。
ただコーチが学習者の意識を変えることは難しいので、少なくともコーチはできると信じているという姿勢を持ち続ける。
②実行は、意志ではなく、習慣化できる環境により為される
③やらないと不利益を被る環境に自分自身を追い込めば、必然的に実行できる。
自分で自分を追い込むのは難しいところがあるので、コーチが背中を押してあげる。
④しつこいくらい目的達成の意義とその手段の明確化を行わせる。
学習者はわかっているようで時間が経つにつれて意識が薄くなるので、コーチと話すタイミングで毎回強い目的意識を取り戻させる。
⑤目的に関連する情報に触れる機会を増やすように環境を整えたり声掛けをする。
⑥実行を維持させるためには目的を思い起こす刺激を学習者の周りに存在させるように工夫する。
例)
言語的・常識的触発刺激:スマホの待ち受けを目的(志望校など)に設定して、行動できないと感じるときに目的を思い起こす
状況的触発刺激:図書館に行って勉強するなど、周囲の状況で目的に対してアクションを喚起する
社会的触発刺激:同じ目的を持つ人と一緒にゴールを目指すことで、目的をより強く意識するようになる
