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買い物に行けない人に、買い物を届ける






コンビニが施設にやってきた日

以前、訪問歯科である施設へ伺った時のこと。

会議室に、小さなコンビニができていました。

近所のコンビニが出張販売に来ていたのです。

「近くにお店があるなら行けばいい。」

そう思う人もいるかもしれません。

でも入居者さんの多くは、

車椅子だったり、
杖を使っていたり、
付き添いが必要だったり。

“近い”ことと、
“行ける”ことは違います。

だから、この日を楽しみにしている入居者さんがたくさんいました。



そして後半。

診療が始まる前に、

袋いっぱいのお菓子を買ってきた入居者さん(笑)

「これから歯科診療なのに〜🤣」

と思わず笑ってしまいました。

でも考えてみれば、

診療を頑張ったあとの楽しみだったのかもしれません。

「終わったら食べていいですよ😊
その代わり、また歯磨きしましょうね🪥」

そんなやり取りも、今ではいい思い出です。



支援というと、制度や介護を思い浮かべます。

でも、人を笑顔にするのは、こういう何気ない時間なのかもしれません。

職員さんが、
「こういう時って、その人らしさが出るんですよ。」
と話してくれたことが印象に残っています。

お菓子を真っ先に選ぶ人。
飲み物をじっくり選ぶ人。
誰かへのお土産を探す人。

ほんの少しの買い物なのに、その人らしい時間が流れていました。

もはや売店レベル…

今回の出来事を思い出しながら感じたのは、

「できないことを助ける」だけが支援ではないということです。

買い物を届けたのではなく、“買い物をする楽しみ”を届けていた。

そんな時間だったように思います。

歯科衛生士だった当時の私は、「診療」の視点で見ていました。

でも今振り返ると、「暮らし」や「地域」の視点で見ることができるようになっていました。

あの日、施設に来ていたのは小さなコンビニでした。

でも利用者さんに届いていたのは、お菓子だけではなく、“選ぶ楽しさ”や”外の世界とのつながり”だったのかもしれません。



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