「ちょこっとボランティア」の先に見えたもの【後編】
市の「くらしのサポーター養成講座」を受けて、地域の支え合いについて考える時間がありました。
講座の案内には、
地域や学校でちょこっとお手伝いしてみませんか。
資格や経験がなくても大丈夫。
新しい仲間を作りたい。
特技や趣味を活かしたい。
そんな言葉が並んでいました。
入口としては、とても良い取り組みだと思います。
地域に関わるきっかけになる。
今までつながりのなかった人が、地域の中で役割を持てる。
学校や地域の困りごとに、少しずつ関われる。
関わる人にとっても、地域にとっても、うまくいけば双方にとって良い仕組みです。
だから私は、この制度そのものを否定したいわけではありません。
むしろ、こういう入口は必要だと思います。

ただ、講座を受けながら、同時に考えたことがあります。
それは、
「善意だけで支え続けられるのだろうか」
ということです。
たとえば学校現場には、スクールサポートスタッフという役割があります。
忙しい先生方を支え、子どもたちと向き合う時間を少しでも確保するための大切な仕事です。
こうした支援は、学校にとっても、子どもたちにとっても必要なものだと思います。
けれど現実には、予算削減などの影響で、そうした有償の支援が減らされることがあります。
一方で、地域ボランティアへの期待は高まっています。
もちろん、地域の力は大切です。
でも、本来は雇用として支えるべき部分まで、善意に置き換えてしまうのは少し違うのではないかと思いました。
行政側は、
「地域で支え合う仕組みを作りたい」
と思っているのだと思います。
それ自体は間違っていません。
これからの時代には、地域のつながりや支え合いはますます必要になります。
ただ、支え合いの仕組みは、作るだけでは続きません。

支える人を育てる。
支える人が続けられる。
若い世代も参加する。
次の世代へ引き継がれる。
そこまで考えないと、結局は、今いる元気な人に頼るだけになってしまいます。

今回の講座でご一緒した方々は、本当に元気で、明るく、活動的な方たちでした。
すでに地域で活動されている方もいて、とても頼もしく感じました。

この話を聞いて、私が講座に申し込んだ時のことを思い出しました。
担当の方が、
「若い方に来ていただけるなんて」
と、とても喜んでくださったのです。
私は思わず、
「私、そんなに若くないですよ。おばちゃんですよ」
と思いました。
でも、地域活動や町内会、組合などに関わるようになってから、何度か同じような感覚を持つことがあります。
その場では、私はまだ「若い人」として見られる。
それは少しありがたくもあり、同時に少し怖くもあります。
なぜなら、それだけ次に担う人が少ないということでもあるからです。
この方たちが将来、支援する側から支援される側になった時、誰がその役割を引き継ぐのだろう。
今、地域を支えている人たちが介護を受ける側になった時、その地域には支える人が残っているのだろうか。
本来なら、もっと早くから次の世代へつなぐ仕組みを作る必要があったのかもしれません。
でも現実には、地域のしがらみや、予算の問題、制度の都合、政治的な事情など、簡単には動けないものもあるのだと思います。
私は政治に詳しいわけではありません。
政治の話をしたいわけでもありません。
ただ、地域の支え合いを本当に続けるなら、
「今いる元気な人にお願いする」
だけでは足りないのではないか。
そう感じました。
制度を作ることは大変です。
でも、一度失った人材や経験を取り戻すことは、もっと難しい。
だから私は、無償ボランティアか専門職か、という二択ではなく、有償ボランティアや謝礼型の活動など、持続可能な中間地点も必要なのではないかと思います。
支える人を増やすこと。
支える人が続けられること。
支える人自身も守られること。
その両方があって初めて、地域の支え合いは続いていくのだと思います。

私自身も、気をつけなければならないと思いました。
困っている人がいると、つい何とかしたくなる。
頑張ってしまう人は、きっといる。
私も、その一人になりそうです。
だからこそ、講座の中でも、
「無理しないでください」
「自分のペースで大丈夫です」
という言葉が何度も出ていたのだと思います。

支援する人が倒れてしまったら、本末転倒です。
地域活動は、善意から始まることが多いのかもしれません。
でも、善意だけに依存してしまうと、続かない。
支える人が疲弊しない仕組み。
次の担い手が育つ仕組み。
そして、必要なところにはきちんとお金や雇用が回る仕組み。
そういう視点も、これからの地域には必要なのだと思います。
今回の講座は、地域に関わる入口であると同時に、
「支え合いをどう続けるか」
を考えるきっかけにもなりました。
前編はこちらです💁♀️
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#CoinBridge (コインブリッジ)
構造を言語化し、現場と制度をつなぐ
はじめて読んでくださった方へ。私の活動やCoinBridgeについては、こちらにまとめています。
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