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最近、職場で雑談していますか?|心理的安全性は、小さな会話から育つ


"必要な会話しかない職場"で、人は静かに孤独になる

「最近、職場で雑談していますか?」

企業研修でそんな問いを投げかけると、
多くの方が、少し考え込みます。

仕事の話はしている。

必要な連絡もしている。

会議も、チャットも、メールも動いている。

けれど、
ちょっとした会話は、
以前より減っている。

そんな職場は、
決して少なくありません。

同じチームで働いていても、

「この人は、実はどんな人なんだろう」

を知らないまま、
何年も過ぎていくことがあります。

Slack、チャット、メール。

効率よく仕事が進むようになった一方で、
感情の接点は、
少しずつ減っているのかもしれません。

すると、職場の空気は、
気づかないうちに硬くなっていきます。

話しかけづらい。

相談しづらい。

相手の状態がわかりにくい。

なんとなく、孤独を感じる。

そんな小さな違和感が、
少しずつ積み重なっていくのです。


「雑談する時間がない」と言う職場ほど、雑談が必要な理由

雑談というと、

「そんな時間はない」

「何を話したらいいかわからない」

と思う方もいるかもしれません。

けれど、雑談は、
ただの「無駄話」ではありません。

「この人は、どんな人なんだろう」

を知るための、
小さな入り口です。

30年以上、
組織のコミュニケーション研修に関わる中で、
私が確信していることがあります。

それは、
雑談には、想像以上に大きな力があるということです。

仕事上のやり取りだけになると、
私たちはつい、

資料。
数字。
進捗。
方法。

そうしたものばかりを見てしまいます。

でも、そこにいるのは、
感情を持った「人」です。

人間関係に余白がないまま、
トラブルや行き違いが起きると、

「どう解決するか」
「どちらが正しいか」
「誰が対応するか」

に意識が向きやすくなります。

すると、
相手の言葉をちゃんと聞く前に、
判断や結論が先に立ってしまうことがあります。

雑談は、
そんなときに支えになる、
小さな関係の土台なのだと思います。


雑談は、関係性の「予防接種」|トラブルが大きくならない理由

不思議なことに、
普段から雑談がある職場では、
問題が起きたときにも、
関係が壊れにくいことがあります。

なぜなら、
「この人は敵ではない」
という安心感が、
日頃の何気ない会話の中で育っているからです。

反対に、
必要な話しかしていない関係では、
ちょっとした言葉でも、
強く刺さってしまうことがあります。

だから私は、
こう思うのです。

雑談は、
関係性の「予防接種」のようなもの。

普段の何気ない会話が、
いざというときに、
人と人との関係を守ってくれる。

派手な研修や、
特別なイベントだけが、
組織を変えるわけではありません。

日常の小さな会話の積み重ねが、
組織を、静かに、確実に強くしていきます。


「3年間、知らなかった」──研修現場で起きたこと

以前、ある企業研修で、
コミュニケーションカードを使ったワークを行いました。

趣味。
休日の過ごし方。
子どもの頃の話。

そんなテーマを通して、
グループの中で自由に話していただいたのです。

すると、
あちこちで自然に会話が広がっていきました。

「えっ、○○さんって釣り好きだったんですか?」

「私も海釣りやるんですよ!」

そんな声が聞こえてきます。

そして休憩時間には、

「3年間同じチームだったのに、
そんな話、初めて聞きました!」

という笑い声が、
あちこちで聞こえてきたのです。

普段は、
個人的な話をほとんどしない職場の方々が、
わずか数十分で、
こんな会話を交わせるようになる。

その光景を見るたびに、
私は思います。

私たちの中には、
本当は
「話したら楽しいと思っている自分」
がいるのではないか。

でも、
職場の空気が、
その自分を出すきっかけを
少なくしてしまっているだけなのかもしれません。

ひとつ笑顔が増えると、
その空気は周りにも広がっていきます。

話しかけやすくなる。

相談しやすくなる。

相手への関心が生まれる。

すると、
チームの空気そのものが、
少しずつ変わっていくのです。


雑談が苦手でも、職場の空気は変えられる

「雑談って、苦手なんです」

そう言われる方も、
たくさんいらっしゃいます。

でも、大丈夫です。

無理に盛り上げなくていい。

上手に話そうとしなくてもいい。

気の利いた話題を、
用意しなくても大丈夫です。

「最近どうですか?」

その一言だけでも、
空気は少し変わり始めます。

大切なのは、
会話の上手さではなく、

「あなたに関心がありますよ」

という姿勢なのかもしれません。

そして、その姿勢は、
特別な人だけが持てるものではありません。

誰の中にも、
もともとあるものを、
ほんの少し表に出すだけ。

それだけで、
職場の空気は少しずつ変わっていきます。


心理的安全性は、研修より「ちょっとした会話」で育つ

私たちはつい、
成果、効率、解決方法ばかりを
追いかけてしまいます。

でも、
人が安心して働ける職場には、
必ず「ちょっとした会話」があります。

それは、
研修や制度だけで作れるものではなく、
日々の小さな関わりの中で、
少しずつ育まれていくものです。

ある研修の後、
参加者の方からこんな感想をいただきました。

「コミュニケーションを、
難しく考えすぎていました」

「職場に必要だったのは、
安心して話せる空気だったのかもしれません」

その言葉が、
今も、私の中に残っています。

雑談とは、
ただのおしゃべりではありません。

「あなたを、ちゃんと見ていますよ」

を伝える、
小さなコミュニケーションです。

そして、
そんな小さな関わりの積み重ねが、
人を育てる空気を、
少しずつ作っていくのだと思います。

まずは明日、
誰かひとりに、
「最近どうですか?」
と声をかけてみる。

そのひとことから、
職場の空気は少しずつ変わっていくのだと思います。


もし、読んでいて「少し立ち止まりたいな」と感じるところがあったら。
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今日のひとこと

雑談とは、「あなたを、ちゃんと見ていますよ」を伝える、小さなコミュニケーション。

きょうもいい日になりますね🌹


Profile
桐生 純子|コミュニケーショントレーナー
法人を中心に30年・延べ15万人の研修現場に立ってきました。
「伝わらない」の多くは、言葉ではなく姿勢の問題です。
その気づきを、記事を通してお届けしています。
著書『こころのスイッチ』


最後まで読んでくださって、ありがとうございます。

「Z世代との関わり方がわからない」
「育成しているつもりが、なかなか現場に活かされない」
そんな場面が組織の中で続いているとしたら。
それは個人の問題ではなく、
"関わり方"の設計から変えられることかもしれません。

管理職の対話力・1on1・心理的安全性をテーマに
企業研修・講演を行っています。

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