企業研修は、打ち合わせから始まっている|研修担当者が安心できる研修づくり
企業研修を依頼するとき、
研修担当者の方は、
想像以上に大きな責任を背負っています。
「この講師を選んで、本当に良かったのだろうか」
「社員は満足してくれるだろうか」
「経営層の期待に応えられるだろうか」
「現場の課題に、ちゃんと届くだろうか」
そんな思いを抱えながら、
研修当日を迎えられる方は少なくありません。
だから私は、
研修当日と同じくらい、
事前の打ち合わせを大切にしています。
「先生、今日はよろしくお願いします」
研修当日の朝、
ご担当者様から笑顔でそう声をかけていただくことがあります。
その笑顔を見るたびに、
私はいつも思います。
今日の安心は、
今日つくられたものではないのだと。
打ち合わせの中で、
一緒に課題を整理し、
目指したい未来を言葉にしてきた時間がある。
だからこそ、
ご担当者様も、受講者の皆さんも、
安心して研修当日を迎えられるのだと思います。
企業研修は、テーマを決める前から始まっている
打ち合わせでは、
研修内容をご説明することも大切です。
✓対象者はどなたか。
✓時間はどのくらいか。
✓どんなテーマを扱うのか。
✓対面なのか、オンラインなのか。
✓どんな形式で進めるのか。
もちろん、そうした確認は欠かせません。
けれど、それ以上に大切にしていることがあります。
それは、
『その会社が今、何に困っているのか。』
そして、
『どんな未来を目指しているのか』を、
ご担当者様と一緒に言葉にしていくことです。
最初は、
「コミュニケーション研修をお願いします」
というご相談だったものが、
お話を伺っていくうちに、
少しずつ違う表情を見せてくることがあります。
「本当は、管理職が孤立しているんです」
「若手は頑張っているのに、お互いに遠慮してしまって」
「1on1は実施しているけれど、本音が出てこないんです」
「現場の空気を、もう少しやわらかくしたいんです」
そうした言葉が出てきたとき、
私はとても大切なところに触れたように感じます。
研修企画で大切なのは、現場の課題を言葉にすること
企業の課題は、
最初からきれいに整理されているとは限りません。
むしろ、最初に出てくるのは、
小さな違和感のようなものです。
なんとなく噛み合わない。
会話はあるのに、深まらない。
管理職も若手も頑張っているのに、
どこか気持ちがすれ違っている。
制度はあるのに、
現場で活かしきれていない。
そうした違和感を、
ひとつずつ丁寧にお聞きしていきます。
すると、
ご担当者様の中でも、
少しずつ課題の輪郭が見えてくることがあります。
「あ、そこが一番気になっていたんです」
「そうです。それが言いたかったんです」
「整理してみると、研修で扱いたいことが見えてきました」
その瞬間が、私はとても好きです。
研修のテーマが決まる瞬間というより、
目指したい未来が共有できる瞬間だからです。
コミュニケーション研修は、会社ごとに必要な形が違う
同じコミュニケーション研修でも、
会社によって必要な内容は違います。
管理職の対話力を高めたい会社もあります。
1on1の質を見直したい会社もあります。
心理的安全性を高めたい会社もあります。
若手社員との関わり方や、
世代間のコミュニケーションに悩んでいる会社もあります。
表面的には同じようなテーマに見えても、
その背景には、それぞれ違う事情があります。
だからこそ、
研修メニューをそのまま当てはめるだけではなく、
その会社の今に合わせて設計することが大切です。
どんな順番なら伝わるだろう。
どんな問いなら、参加者の方が自分ごとにできるだろう。
どんなワークなら、安心して参加できるだろう。
どんな言葉なら、この会社の皆さんの心に届くだろう。
打ち合わせで伺った言葉をもとに、
私の中では少しずつ研修づくりが始まっていきます。
研修担当者が安心できることも、研修成功の条件
研修当日に拍手をいただくことは、
もちろん大きな励みになります。
受講者の方がうなずいてくださること。
ワークの中で表情が変わること。
「明日からやってみます」と言ってくださること。
それは、講師として本当に嬉しい瞬間です。
けれど、私にとってもうひとつ嬉しいことがあります。
それは、ご担当者様が
安心して当日を迎えられることです。
「なんだか、もう研修がうまくいく気がしてきました」
打ち合わせのあとに、
そんな言葉をいただくことがあります。
その一言を聞くと、
私は心からほっとします。
なぜなら、研修は当日だけで成り立つものではないからです。
打ち合わせの時間。
企画を練る時間。
ご担当者様の迷いに耳を傾ける時間。
現場の課題を一緒に整理する時間。
そのすべてが、
研修の一部だと思っています。
企業研修は、講師と担当者が一緒につくるもの
私は、講師でありながら、
どちらかと言えば「黒子」でいたいと思っています。
研修当日にスポットライトを浴びるのは、
受講者の皆さんです。
そして、
「この研修を実施して良かった」
と感じていただくご担当者様です。
私は、その舞台が安心して幕を開けられるように、
そっと舞台裏を整える存在でありたい。
そんな気持ちで、
いつも打ち合わせに向かっています。
研修は、
講師が一方的につくるものではありません。
会社の課題をお聞きし、
ご担当者様の思いを受け取り、
現場の皆さんに届く形を一緒に探していくものです。
だからこそ、
私は事前の打ち合わせを大切にしています。
打ち合わせの中で交わされる何気ない一言に、
その会社らしさが表れることがあります。
ご担当者様の迷いや願いの中に、
研修で本当に扱うべきテーマが隠れていることもあります。
そこを一緒に見つけていく時間こそ、
研修づくりの大切な入口なのだと思います。
研修依頼は、「何から相談したらいいかわからない」から始めても大丈夫
研修を検討されている企業様の中には、
最初からテーマが決まっていないこともあります。
「管理職研修が必要なのか、若手向けがいいのかわからない」
「コミュニケーションの課題は感じているけれど、何を扱えばいいのかわからない」
「心理的安全性や1on1という言葉は聞くけれど、自社に合う形が見えない」
そんな段階からでも、大丈夫です。
むしろ、そこから一緒に考えることで、
本当に必要な研修の形が見えてくることがあります。
研修のご相談は、
テーマが決まってからでなくても大丈夫です。
まずは一緒に、
どんな組織をつくりたいのか。
どんな会話が増えてほしいのか。
誰に、どんな変化が生まれてほしいのか。
そこをお話しするところから、
研修づくりは始まります。
その時間もまた、
私は大切な研修の一部だと考えています。
今日のひとこと
研修は当日だけで成り立つものではない
きょうもいい日になりますね🌹
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Profile
桐生 純子|コミュニケーショントレーナー
管理職研修・1on1・心理的安全性を専門に、800社・15万人の研修実績。 「伝わらない」の多くは、言葉ではなく姿勢の問題。
その気づきを、研修と記事でお届けしています。
著書『こころのスイッチ』
最後まで読んでいただきありがとうございました。
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