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「兄を持ち運べるサイズに」(備忘録的感想)

試写会で鑑賞。
感想はいい事も悪い事も書くので、試写会で鑑賞しても感想は封切り後にアップすることにしているが、この作品は悪いところが何もなかったため封切り前にアップする事にした。

作家でエッセイストの村井理子(柴咲コウ)は夫、二人の息子と共に滋賀で暮らしていた。
ある日、兄(オダギリジョー)が死んだので遺体を引き取りに来て欲しい、と連絡が入る
兄は子供の頃から母親にかわいがられ、大人になっても母親にカネの無心をしていた。
病気の母の最期の面倒を見たのは理子だが、兄は母の葬儀の時にも香典の一部をよこせと言う。
さらにその後も、事あるごとに理子にメールでカネの無心をしてきていた。
理子はそれらをすべて無視していたが、連絡を受けた後、兄からのメールを開封して確認した。

理子は兄が住んでいた宮城県を訪れる。
兄は2度離婚をしていたが、2度目の結婚相手の加奈子(満島ひかり)との間に中学生の娘の満里奈(青山姫乃)と小学4年生の息子の良一(味元耀大)がいた。
今は良一と二人で住んでおり、学校から帰宅した良一が、室内で倒れている兄を発見している。
良一は一時的に施設で保護されていたが、兄との離婚後は会っていなかった加奈子と良一の関係がわからず、理子は場合によっては良一を引き取ることも考えていた。
しかし加奈子は以前と変わっておらず、良一の事も心配していたが、先に満里奈と3人で兄と良一が住んでいた部屋の片づけをすることになった。
大量のゴミを処理場に運びこんだ時、理子はゴミと一緒に兄も集積所に投げ込んで捨て去った。

序盤はオダギリジョー扮する兄の、とんでもない生き方が紹介される。
兄はかなりひどい人間で、理子からすれば迷惑以外の何物でもないのだが、オダギリジョーの演技がコミカルなためシリアスな雰囲気にはなっていない。
特に、兄の死後に理子の目の前に現れる兄は、むしろ作品全体を暖かくしている。
そして後半は、理子と兄の想い出を中心に、兄と残された加奈子、良一、満里奈の関係が感動的に語られる。
理子を宮城に送り出す家族の言葉も優しく、いかにも中野量太らしい作品で、家族を持っている大人に強くお勧めしたい。

原作はエッセイストの村井理子の「兄の終い」という作品で、どこまでが事実に即しているかはわからない。
さらにこの映画がどこまで原作に忠実なのかはわからないが、映画のストーリーはほぼ事実に近いのではないかと思われる。
原作者がこの作品を書くまでお兄さんにどのような感情を抱いていたかわからないが、今はお兄さんを許せているのではないかと思う。

150.兄を持ち運べるサイズに

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