「MONDAYS/このタイムループ、上司に気づかせないと終わらない」(備忘録的感想)
※2022年11月執筆
この映画は強烈に面白かった。
今のところ、「オレ的2022年映画ランキング」ベスト1候補の作品だ。
最初は「あさイチ」の映画コーナーで紹介され興味を持ったのだが、上映劇場が少なく上映回数も少ない。
忙しい中かなり無理をして観に行ったのだが、その価値は十分あった。
最初は「カメ止め」系の低予算企画勝負の映画かと思ったが、「カメ止め」のように勢いで押し切るだけではなく、かなり深くまでテーマを掘り下げた作品だった。
小さな広告制作会社に勤めるプランナーの朱海(円井わん)は、月曜日の朝オフィスで目覚めた。
狭いオフィスには、同じように日曜から徹夜をした同僚がゴロゴロ転がっている。
同僚が次々と目覚め始めて朱海が仕事を続けようとしたとき、窓ガラスにハトが勢いよく体当たりしてきた。
その直後から、後輩二人がおかしな行動を始める。
納期が迫っていた朱海は二人を無視して仕事を続け、プレゼンに向かう。
しかしその時に乗ったタクシーが事故を起こし、額を縫うケガを負ってしまった。
その1週間は、朱海にとって地獄だった。
朱海は大手広告代理店からヘッドハンティングを受けており、今回の仕事もその代理店からの発注案件だった。
タブレット型の炭酸味噌汁と言う新製品の広告案だが、なかなかいいキャッチコピーが決まらず、元受けからは動画見本の提出を求められた。
朱海はいつもの動画制作会社に発注をしようとするが、事務の神田川から、その会社は今仕事が立て込んでいるから、別の会社に発注するように言われる。
しかし朱海はその言葉を無視していつもの製作会社に発注した。
するといつもの制作会社は手が足りなかったため、アルバイトが自分の高校生の弟に制作させた、しょうもない動画を納品してきた。
それでもなんとかかんとか切り抜けて広告案をまとめようとする朱海。
ここが正念場で、プレゼンが上手く決まれば元受けの大手に転職ができるのだ。
しかし土曜まで残業をしているとビルが停電を起こして、それまでの企画案はすべてパー。
恋人としていた終末の約束もキャンセルになるが、その事が原因で日曜日に別れを切り出されてしまう。
すっかり気落ちして机につっぷしそうになるのだが、後輩たちがタイミングよく枕を差し出して頭を守ってくれた。
そして後輩たちが、紙に文字を書けと言うので朱海が言う通りにすると、後輩たちは朱海の書いた文字を見もせずに的中させた。
彼らが言うには、朱海たちは同じ1週間をループしていると言うのだ。
日曜が終わると1週間前の月曜日に戻るのだが、みんな夢だと思ってすぐに1週間の出来事を忘れてしまう。
しかしその事を忘れないためにハトを覚えておくようにと、手でハトを模しながら後輩が言った。
次に朱海が目覚めると狭いオフィスの中で、同僚たちが一緒に泊まり込んでいた。
そして朱海が仕事を続けようとした瞬間、窓ガラスにハトが勢いよく体当たりしてきた。
朱海は、自分が1週間をループしていることに気づいた。
ここまでが全体の1/3くらいだ。
この後朱海は同僚と一緒に、部長(マキタスポーツ)に1週間がループしていることを理解してもらおうとプレゼンする。
しかし部長はなかなか理解してくれない。
このあたりまでは、笑いの連続だ。
テンポもよく気持ちよく笑わせてくれる。
だが中盤以降、朱海たちは1週間のループから抜け出すための行動を始める。
その行動の中で、朱海だけが異なる行動をしようとするのだ。
この部分が本当に深い。
マキタスポーツ以外で知っているのは、ワンシーンだけ重要な役で登場する「カメ止め」のしゅまはるみくらいで、他は主演の円井わんを含めてまったく知らない役者ばかりだ。
そして演技も、はっきり言って円井わんとマキタスポーツ以外は、目を見張るほど上手いという訳ではない。
それでも、前半にテンポの良い笑いで引き込んでおいて、後半に考えさせると言う構成のバランスが素晴らしく、見終わった後に深い満足感を感じた。
まだ一般的にはあまり知名度は高くないが、この後口コミでどんどん評価が高くなることは間違いない。
実際、上映劇場、上映回数が少なく、座席も少ないスクリーンだったとは言え、私が観に行ったTOHOシネマズ日本橋では、平日昼間にも関わらずほぼ満席状態だった。
おそらく映画ファン系の映画賞では、さまざまな賞を受賞するだろう。
122.MONDAYS/このタイムループ、上司に気づかせないと終わらない
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