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「クスノキの番人」(備忘録的感想)

アニメだが、東野圭吾原作という事であまり期待しないで観に行く事にした。
率直な感想としては、想像以上の作品ではなかった。

玲斗(高橋文哉)は和菓子メーカー「たくみや本舗」に勤めていたが、金箔を横流しした濡れ衣で会社をクビになってしまった。
施設時代からの悪友に誘われた玲斗は、たくみや本舗に盗みに入ったが玲斗だけ捕まってしまう。
拘留されている玲斗の元にやってきたのは、弁護士の岩本だった。
岩本は大企業のヤナッツ・コーポレーションで顧問をしている柳澤千舟(天海祐希)の依頼だと言う。
保釈された玲斗は岩本ともに千舟に会いに行く。
すると千舟は、自分は玲斗の母の姉だと言う。
玲斗は母と二人暮らしだったが、幼いころに母を亡くしており施設で育っていた。
だから伯母がいるいう話も初めて聞いた。

千舟は玲斗に、中央線から分岐する青梅線からさらに分岐する五日市線の武蔵五日市駅にある、月郷神社に連れて行った。
月郷神社は本殿などもない質素な神社だったが、鳥居から少し上がったところに大きなクスノキがある。
このクスノキの洞で祈祷をする参拝者がいるので、玲斗はその参拝者の予約や世話をするように千舟から命じられた。

クスノキにはいろいろな人が祈祷にくるが、そこにはたくみや本舗の若き二代目社長の壮貴(宮世琉弥)もいた。
壮貴は付き添いと一緒に玲斗がいる詰所に立ち寄るが、一度顔を合わせている玲斗には気づかなかった
また玲斗は、祈祷にきている父を調べにきた優美(齋藤飛鳥)とも知り合いになる。

玲斗は千舟から、クスノキの番人の意味を理解するように言われていたが、まったく理解ができないでいた。
そんな玲斗を、千舟はホテル柳澤に連れていく。
このホテルは千舟が立て直しており、千舟にとって思い入れの強いホテルだった。
しかし収益が悪化しているため閉鎖が取りざたされている。
千舟は役員会に参加してホテル柳澤の存続を訴えるつもりだったが、役員会は千舟抜きで実施された。

原作もファンタジーという事で、実写ではなくアニメで映画化されたのかもしれない。
しかし東野圭吾っぽさはほとんど感じられなかった。

映画を観た後で調べたところ、原作はもっと登場人物が多く複雑な人間関係になっているようだ。
例えば玲斗の祖父、千舟の父は入婿で教員をしており、ヤナッツ・コーポレーションとは無関係らしい。
千舟の母が死亡して再婚する際に旧制に戻し、玲斗の母が生まれている。
千舟は学生時代に祖父を亡くし、若くからヤナッツ・コーポレーションを切り盛りしていた。
映画でも千舟と玲斗の母の関係が重要な要素になっているが、原作ではもっと深堀されているようである。
おそらく上映時間の関係でそのあたりがバッサリ切られたのだろうが、その結果、東野圭吾的な深みが感じられず、あっさりしたファンタジー作品になってしまった。
個人的には、この柳澤家のエピソードはカットせずすべて入れ込むべきだったのではと思う。

観た後で心に残る物はなく、ちょっと残念な作品になってしまっていた。

22.クスノキの番人

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