家族旅行記|清水寺 娘のHPを守りたい しかし彼女は自ら生命力を爆発させた
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小学校の高学年の頃、不登校してた娘は、修学旅行に行っていない。
初めての京都であり清水寺だった。
私は、いつか家族で清水寺に、と思っていて自然と旅程に入れてしまった。
本人がどう感じていたか分からないが、修学旅行の王道スポットを訪れて、楽しい旅気分を味わえたら、何か重い思い出が少しでも塗り替えられて軽くなるのかなと思っていたのだ。
母親のエゴであり、おせっかいだったかもしれない。ちゃんと本人に清水寺で大丈夫か確認していない気がする。
これは毒親の気配……振り返るまで自分で気づけていなかった。
☆☆☆
無事パーキングに車を停めて清水寺の参道をみんなで歩き始めた。
大きな駐車場に観光バスがたくさん停まっているのを見て、息子と夫が、
「修学旅行の時ここ来たわー。なつかしー」
と思い出話を始めた。すかさず娘の顔を見ると、少し曇ったように感じた。
いやいや、男たち、ちょっと黙ろうか。
でもそんなこと口に出せない。口にすることで、娘に別に大丈夫などと言わせて余計傷つけることになる。
気をもんで先を急いだ。
そこで、母の思い出話を挟むことにした。
「お母さんが短大の卒業旅行でここに来たときはね、顔を真っ白にして舞妓さんに変身したの。外国人に写真撮られたりして楽しかった~」

と、顔面白塗りエピを投下した。
娘は笑顔になって、「へー素敵な生き方だね」って言ってくれた。
旅先で白塗りにしたのを笑うどころか、まさかの生き方を褒めてくれた。
なんというか、深いのよ、この子は。
素直に嬉しかった。
しばし歩いて仁王門の前へ。
また男たちが、思い出話を始めたので、ちょっとまじで静かにしようか、と思いながら先を急いだ。
随求堂(ずいぐどう)でのすったもんだを経て
本堂へ進んだ。
大黒様の拝観に列ができている。せっかくだからと並んだが、一向に列は動かない。100キロある鉄の何かを持ち上げるとご利益があるとか。
力の強そうな外国人の方が持ち上げると、拍手と歓声が上がった。
こんなアトラクションあったっけ?
娘の顔色が悪くなってきた。
鉄の何かを持ち上げる列なら、並ばなくて大丈夫だよね、清水の舞台にショートカットしよ。と列を抜けた。
ここコナンの映画で見たとこ~と話してたら、後ろから来た若者たちも、「ここコナンがさ~」って話してた。
娘に少し笑みがこぼれる。
写真を撮ったが、やはり娘は顔色が悪い。
悪いことした。なるべく早く帰ろう。
清水の舞台を抜け、
迷わず、お急ぎの方はこちら、のルートを選んでショートカットした。
音羽の滝の長蛇の列を眺めながら、写真撮るだけで3つの滝の全てのご利益がもらえるらしい、と夫。
ナイスフォロー。
例えでたらめでも、我が家にとっては正義。
しかし、表情があまり変わらない娘。
やばい!本格的に娘のHPが切れかけている!
「茶屋発見!入ろ!入ろ!」
やばいやばいとちょっとみんな半笑いの雰囲気で、急いで茶屋へ入った。

お団子を食べたら、顔色が少しだけ回復したような気がした。
でも、やはり、お腹がすいたとか眠いとかそういう問題じゃなくて、精神的なものだと感じた。
茶屋を出た後は、お手洗いを求めてさまよった。
坂の下のほうの、例の観光バスの停まっている広場まで下りてきてしまった。
これは、この人混みの中をもう一度登るのしんどくないか?
もっと上のほうにお手洗いあったかもしれないのにミスったなと。
すると、娘から予想外の言葉が出た。
「私、お土産とスイーツ見に行きたい」
そして、娘は人のひしめく坂を果敢に登り始めた。
「おいしいもの食べて、かわいいお土産を買いたい」
それが、当初から今回の旅行の娘の目的だった。
過去の「行けなかった修学旅行」をなぞるのではなく、今、自分が欲しいもののために一歩を踏み出した。 その姿は、とても逞しく私の目に映った。
二人でアクセサリーを見たり、アイス食べたり、練り香水試したりして女子の時間を楽しんだ。
敢えて避けずに王道の清水寺。
良かったか悪かったかは分からない。
もう帰りたいと言わずに、お土産とスイーツを求めて坂を自力で登り直した、娘の生命力を目の当たりにできたことは、うれしかった。
何より、女子の時間が私は楽しかった。
なんか若返った気分で。若いエキスとかそういうこと言い出すのがおばちゃんなんだけども笑
娘に重苦しい気持ちは思い出させてしまったかもしれない。それでも、家族で来れて、何らかの何かを乗り越え上書きするきっかけになれてたらよかったと思いたい。でもやっぱりそんなのは親のエゴかもしれない。
偶然の出来事ではあったけど、随求堂(ずいぐどう)で胎内めぐりして、生まれ直したという儀式もプラスに働いているような気がした。完全に後付けではある。
清水寺の後も、そのまま京都観光を続けていたら、娘に精神的な疲れが残ってしまったかも。
この後すぐ大阪に行くのは大正解だったと思う。
夫の前日の大阪行きの提案に、え、大阪行くの?と一瞬はよぎったが、流れに任せていれば、ちゃんとうまくいくのだと思った。
この後の太陽の塔と民族博物館も、なかなかディープだった笑
つづく
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