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圧縮は間違い。ゴミ袋低減の秘策。「必要は発明の母」でナフサショックに挑もう

ナフサ(プラスチックの原料)の供給不安により、私の暮らしている市でも、ゴミ指定袋を入手しにくい状態になってしまいました。
米不足の頃と同様に、行きつけのスーパーマーケットでは、前月から、ゴミ指定袋が売り切れ状態になっています。

市からは最近、来月末まで、無色透明な袋の使用を許可する緊急措置が出されましたが、可燃ごみや不燃ごみは、40円の「粗大ごみシール」を貼り付けなければなりません。
コストと手間が増えるので、できるかぎり今あるゴミ指定袋で乗り切りたいと考えています。

そこで、ゴミ出しの回数を減らす工夫を始めました。
ゴミ指定袋の消費が最も激しいのは、「可燃ごみ」です。2番目は、「資源プラスチック」、3番目は「不燃ごみ」になっています。「不燃ごみ」はめったに出さないので、今回の工夫からは除外しました。

我が家では「可燃ごみ」を出す頻度は、「7日サイクル」です。
これを「10日サイクル」に伸ばすための工夫をすることにしました。

「7日サイクル」は、昔からの習慣でした。
しかし昨年母がなくなり、今は父と二人暮らしになったので、若干ですが、ゴミの量が減りました。工夫をすれば「10日サイクル」は不可能ではありません。

生ごみを減らす工夫をしたり、枝葉を一緒に出すのをやめたりしたことで、なんとか「10日サイクル」にすることができました。
また、枝葉を少量ずつ可燃ごみの指定袋に入れて出すよりも、安価な透明の大袋にまとめて入れ、枝葉ゴミの指定日に出すほうが節約になります。

可燃ごみの指定袋は枚数が少ない割に高価なので、緊急措置が解除されたあともこのペースを守り、節約に励みたいと思います。

「資源プラスチック」のゴミ出しのペースは決まっていないので正確には言えませんが、平均すると、3週間に1度くらいのペースになるでしょう。
それでも、あっという間にたまり、「この前出したばかりなのに…」という感覚です。

「資源プラスチック」でよく出しているゴミを多い順に並べると、納豆の容器、400gのヨーグルトカップ、10個入りの卵パックの容器になります。
これまでは、ヨーグルトの容器をつぶして入れる程度の工夫しかしていませんでした。
しかしこのやり方が間違っていることに、昨日気がつきました。

ヨーグルトの容器はつぶしても、缶のように、ぺしゃんこになりません。
かといって、細かく切って入れるのも手間です。

ヨーグルトの容器はつぶすのではなく重ねる。納豆の容器も同様に、無造作に入れるのでなく、重ねて入れる。その積み重ねが、大きな違いになります。

ヨーグルトの容器はつぶさないと中身が入っていた空スペースが無駄になりますが、そこに納豆容器の蓋を重ねて入れれば、無駄を解消できます。
以上のような工夫で、大幅な省スペース化を図れました。

「必要は発明の母」というエジソンの名言がありますが、まさしく、困難に直面し、それを解決する必要性に迫られるからこそ、発明があるのです。

実はこの名言は、エジソンが生まれる遥か昔からヨーロッパに存在していた格言です。
紀元前の哲学者プラトンの著書『国家』の中に、「必要が社会(あるいは工夫)を生む」という概念が記されていますし、ジョナサン・スウィフトの『ガリバー旅行記』にも、「Necessity is the mother of invention」という英語の表現が小説のセリフとして明記されています。

この格言が遠い昔から人々に愛されてきたのは、困難を前向きな気持ちへと変えてくれる強力なパワーがあったからでしょう。
先祖たちはこの言葉の力を借りて、様々な工夫をして難局を乗り越え、文明を発展させてきたのです。

日本もかつて、原油価格が4倍に跳ね上がるというオイルショックの時に、様々な技術革新が行われ、そのピンチを乗り越えました。
その技術革新の多くは、日本製品の国際競争力を大きく高める契機になるほどの画期的なものでした。

代表的な技術革新は、ホンダの「CVCCエンジン」です。このエンジンは、当時世界で最も厳しいとされた米国の排出ガス規制(マスキー法)を世界で初めてクリアし、低燃費と環境性能の両立に成功しました。
ホンダ車だけでなく、トヨタや日産などの日本車は「安くて燃費が良く、故障しない」ことが世界で認知され、アメリカを中心に爆発的に売れました。

家電製品の技術革新も注目されました。
モーターの回転数を細かく制御し、無駄な電力消費を抑える「インバーター技術」の開発で、エアコンや冷蔵庫の省エネ性能を飛躍的に高めましたし、カラーテレビや洗濯機なども徹底した省電力設計にし、「日本製品=省エネ性能に優れた製品」というブランドを確立させることに貢献しました。

製造プロセスでも、省エネ化に目覚ましい革新がありました。なかでも鉄鋼業です。
鉄を溶かして製品にする工程において、一度冷却する無駄を省き、高温のまま連続加工する技術や、製鉄の過程で発生する高温のガス(副生ガス)を捨てることなく回収し、工場内の発電エネルギーとして再利用するシステムを確立し、日本の鉄鋼業のエネルギー効率を世界一にしました。

国も、省エネ化や脱石油化に向けて頑張りました。
太陽光発電、地熱エネルギー、水素エネルギーなどの技術開発を国策とする「サンシャイン計画」や、燃料電池や高効率ヒートポンプなど、大規模な省エネ技術の研究開発を推進する「ムーンライト計画」を立ち上げたのです。

国全体で「石油が入ってこないなら、徹底的に使わない仕組みを作ればいい」という発想に転換し、官民一丸となってこの困難に立ち向かったのです。そしてこのピンチを1980年代の経済大国への躍進に繋げるチャンスに変えたのでした。

それと比べると、ナフサショックに対する今の政府の対応はどうでしょう。
現場ではナフサが思うように入手できずに悲鳴をあげているにもかかわらず、「買い急ぎや過剰発注による流通の目詰まり」と一蹴しています。

事実を公表すると、社会不安や買い占めが広がる懸念はわかりますが、現実に向き合っていません。悪く言えば、隠ぺいに近い姿勢を感じずにはいられません。

隠ぺいどころか、カルビーが、ナフサ由来のインク調達難を理由にポテトチップスやかっぱえびせんなどのパッケージを「白黒(2色)」にすると発表した際には「売名行為」だと批判したり、三菱重工業の社長が政府の主張する「流通の目詰まり」という説明に対して異論をなげかけても、その主張を曲げなかったり、マスコミ・専門家への猛反論にたいしても口封じをしたりする有様です。

『人新世の「資本論」』で有名になった経済思想家の斎藤幸平さんは新著『人新世の「黙示録」』のなかで、「気候危機の影響で物資不足は確実に進み、事態は悪化していく」と断言しています。
そしてこれにうまく対処しないと、「民主主義や人権、平等といった近代の根本的価値観が否定され、自分だけが助かればよいという選民思想が広がっていく」と予言しています。

ナフサショックは、あらゆるモノの欠乏が常態化する「恒久欠乏経済」への序曲かもしれません。
それに対し、事実に目を向けさせないようにする情報操作は、果たして正しい選択と言えるでしょうか。

オイルショックの時と同様に、困難を前向きに転換する発想に切り替え、国全体で創意工夫をする。その先に日本経済を再生させる新たな道が見えてくる気がします。


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