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人生の闇に光を与えてくれる言葉

「一寸先は闇」という言葉があります。
私は現在58歳ですが、長く生きていれば、その言葉を痛切に実感する出来事に遭遇するものです。
昨年から今年にかけて、両親が相次いで病に倒れ入院したことは、私にとってまさしく「闇」を感じる出来事でした。

しかし、「一寸先が闇」ならば、同時に「一寸先は光」である可能性も残されているはずです。
そう私を励ましてくれた2冊の本を紹介したいと思います。

一つ目は、精神科医の斎藤茂太さんによる『続 いい言葉は、いい人生をつくる』(成美文庫)です。
斎藤さんは本書の中で、「一寸先は光」を口癖にして人生を切り拓いた2人の実業家を紹介しています。

一人は、セコム創業者の飯田亮さんです。
飯田さんは元来の楽天家ではありませんでしたが、事業に付き物のピンチに際して弱気になれば、道は細くなると考えました。「きっと先はよくなる。一寸先は光だ」と念じることで、事業を発展させてきたといいます。

もう一人は、HISを創設した澤田秀雄さんです。
澤田さんも起業時、何度も絶体絶命の淵に立たされました。
例えば資金の問題です。アルバイトで貯めた1000万円を元手に、ワンルームマンションで起業したものの、仕事はすぐには軌道に乗りません。
息を吸うたびにお金が消えていくようで、生きた心地がしなかったと振り返っています。

しかし澤田さんは、世界各地を旅して死にかけた経験を思い出し、「苦しい時ほど、一呼吸してひたすら待つ」ことにしたそうです。そうすれば、「一寸先は光」が差すかもしれないと考えたのです。

確かに、個人の力ではどうにもならないことを、くよくよと考えても仕方がありません。精神衛生上もよくなく、何一つ得られるものはないからです。
澤田さんは悩むのをやめ、なけなしのお金でビールを飲み、旅の思い出を語っては腹の底から笑い、いい気分のまま眠りについたといいます。

「目覚めれば、きっとなにかが変わっている」と信じて眠る。その姿勢こそが、困難を乗り越える力になるのだと教えられます。

二つ目の本は、『やなせたかし 明日をひらく言葉』(PHP研究所編)です。
本書に収められたやなせさんの言葉に、「一寸先は闇でも、その一寸先には光がある」というメッセージがあります。

やなせさんは、漫画家として成功を収めたのが遅かったことで知られていますが、九十年の人生を振り返り、「一寸先は光」は真実だと思えると語っています。アンパンマンのヒット、勲四等瑞宝章の受章、園遊会への招待――そうした光り輝く出来事も、ある日突然もたらされたからです。

だからこそ、やることなすこと上手くいかない時も、捨て鉢にならずに踏みとどまってほしい。そうすれば、いつか状況は好転するかもしれない。何とかなると思って頑張っていれば、その「希望」自体が力となり、前へ進むことができる。やなせさんはそう力強く励ましています。

もちろん、「一寸先は光」とは、棚ぼた式の幸運を待つことではないでしょう。
光に近づこうとする地道な努力があって初めて、手繰り寄せられるものかもしれません。

しかし、何に向かってどう努力すべきか分からなくなる時もあります。
また、どれほど人生設計を立てていても、不測の事態で計画が大きく狂うこともあります。私自身、両親の入院でその挫折を味わいました。

思想家の内田樹さんも、新聞のコラムで同様の思いを語っています。
予期せぬ出来事によって全く別の道を辿ることになった結果、現在は道場の主であり、多作な文筆家となっている内田さん。そして、そのどちらもが現在の彼にとっての「天職」なのだそうです。

内田さんは言います。天職とは、「こんなことになるとは思わなかった」という事態に見舞われたとき、誰かの呼びかけに応じる中で出会うものではないか、と。

一寸先は闇であり、人生は思うようには設計できません。
しかし、その岐路に立ったとき、人生を諦めてしまうのか、それとも前へ進む工夫を続けるのか。
後者を選び続ける先にこそ、いつか「一寸先は光」と言える瞬間が待っている。そんな希望を、これらの言葉から受け取っています。


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私は今、大きな不安の中にいて苦しんでいますが、同じような状況にいるみなさん。めげずに頑張っていきましょう。


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