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銀河漂流記 ーー遥かなる再会の空(13話)

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目次
登場人物
自己紹介

ユートピアの扉を開く半端なテクノロジー

「……っ! これは……?」
あまりに意外な答えに、驚きを通り越して拍子ひょうし抜けしてしまった。
そのせいで、あんぐりと口を開けたまま、閉じるのを忘れてしまった。

リョウさんが空間をスワイプして浮かび上がらせたのは、130年も前に登場した、古めかしいコンパクトカーだった。
子供の頃、宇宙船と同じくらい車にも興味をもっていたボクは、どこかのアーカイブでその姿を見た記憶がある。

ホログラムの車は、ボクにそのディテールを刻み込ませるように、ゆっくりと一回転した。
その時、リアに貼られた「HYBRID」のエンブレムが、青白い光を反射した。
当時の人には、このエンブレムは最先端の車の象徴で、眩しく見えていたに違いない。でも、今のボクから見れば、火打ち石の火花を自慢する原始人を見ているようで、滑稽に思えた。

だから、困惑したのである。
リョウさんが「ユートピア」――誰もが幸せに暮らせる持続可能な高度文明社会を築くために、環境性能に優れた車から着想を得たという理由は、なんとなくわかる。
だが、なぜハイブリッドカーなんだろう。電気自動車や水素自動車の方が、ずっと環境性能に優れているではないか。
それに比べれば、その車の技術はガソリン車にモーターを継ぎ足しただけの、いわば「中途半端な過渡期のテクノロジー」じゃないか。

『どうして、こんな車が参考になったのか、と疑問に思ったかい?』
リョウさんは、ボクの心を見透かしたように、ニヤリと笑みを浮かべた。

「は、はい……」
動揺して、思わずうなずく。
同時に、もうこの世にはいないホログラムのリョウさんと、つい対話してしまったことに気づく。同じ失敗を繰り返す自分が恥ずかしくなり、頬が熱くなる。こんなに頼りないボクで、本当に彼の後継者が務まるのだろうか……。

しかし、リョウさんはボクを丸ごと包み込むような優しい眼差しで話を続けた。
『その理由はね、ハイブリッドカーが抱えていた葛藤とプランCが直面している課題が、驚くほど似ていることにあるんだ。だから、その解決へのアプローチが参考になるのさ』

そこで、リョウさんは再び指をスワイプさせる。車体が透過され、内部のエンジンとモーターが浮き彫りになった。

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