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劇団チリを終えて。というかもう2週間経っとる。

2025年6月27〜29日、立川はコトブキヤホールにて、劇団チリ第3回公演『ハッピーバースデー』並びに「即興の穴」と「即興ショー」終演しました。僕は今回、即興と短編、両方に出させて貰いました。
観る側には気軽に観られる”軽演劇”を、やる側には活動を続けやすいような“持続可能”な演劇を目指す劇団チリ。そのコンセプトの通り、基本的に稽古回数もそんなに多くはなく、一般的な演劇公演よりも拘束時間も短く、参加者の負担少なめに組まれてたスケジュールだったので、悠々と演劇をやれるはずだったのですが、なんだかんだグヘェェ!となりながらお芝居やっておりました。なぜなら稽古期間中にガッツリ風邪をひいて10日間ぐらい寝込んでしまったから。短編の方は4チームもありスケジュールはパズルのようになっていて、各々のチームで少ない稽古回数の中キッチリ仕上げましょうね、という話だったのですが、ワタシの風邪のせいで我々のチームの稽古を1回分潰してしまって、他チームとの兼ね合いで飛び飛びになってたスケジュールの妙で、2週間ぐらい稽古が開いてしまったりして、持続可能な軽演劇だったはずが、まぁまぁな重たさを抱えずにやらざるを得なくなったという。やはり演劇はいつだって地獄ですね!

というか、去年も夏に体調を崩したので、なんか呪われてるのかも知れない。去年は40°近くの熱で1週間以上寝込む、分かりやすい体調の崩しかたをしたのだけど、今年は去年と違ってずーっと微熱。最低限バイトで機械的な作業をするのはギリできるけど、創作的思考を巡らすまでには体力が続かない、という演劇をやるには最悪の状態。生活のための活動はギリ出来るから、辛さが分かりづらいという地獄。短編で同チームだった小川夏鈴さん、池村匡紀さんには迷惑かけました。

でもこの2人と同じチームで楽しかった。
夏鈴ちゃんとは直前のMCR『穴熊の戯言は金色の鉄錆』で共演していたとはいえ、劇中では全く絡みもなく、この時は正直稽古でいっぱいいっぱいだったので、あんまりちゃんと喋れた覚えがなくて、でもうっすらとした印象として、実はこの時のキャストの女性陣の中で一番クレイジーなのは夏鈴ちゃんなのではないか、というのがあって。芝居も上手いし、基本的にちゃんとしてるのだけど、ちょっとしたやりとりがたまにトンチンカンなので、最初はカマトトぶってるのか?と思ってたけど、どうやら本人には自覚がないっぽいので、けっこう変な娘でした。
池村さんは、今回がはじめましてのつもりで最初は挨拶したけど、なんか聞き覚えがあるな…?という引っ掛かりがあり、よくよく話してみると、コロナ期間中に知り合いがアニメを作っていて、それの声をやってくれないかと頼まれたことがあったのだけど、その時に一緒にやっていたことが発覚しました。録音はすぐ終わって時期もあって特に飲みに行ったりもせずそれっきりだったので、僕も池村さんもお互いすっかり忘れていたのだけど、それを思い出した時、なんか凄く嬉しかったのでした。
夏鈴ちゃんと池村さんは大学の直の先輩後輩なので、うっすら感じていた夏鈴ちゃんのクレイジーさを池村さんはちゃんとわかっていて、トリセツがわかった上でイジっているのが見てて面白かった。しっかりしてるように見えてイカれている夏鈴ちゃんを、手綱を握ってコントロールしている池村さんを、ヘラヘラしながら見ている俺、という『サプライズ』チームはバランスが良かったと思います。

アンさんには「山川くんはリアクション大王」との言葉をいただきました。その言葉の通り、『サプライズ』ではユカとマナブの計略(?)に振り回される土屋という役でした。即興でも求められたのは荒れた場のとりまとめ役だったように思います。
お芝居を始めた頃はお話の本筋に乱入してきて場をかき乱すようなキャラクター色の強い飛び道具役が多かったし、キャラクター色を抑えた会話劇の芝居の時はほとんど喋らない寡黙な職人=表立ったリアクションをせずに内側で噛み殺す役が多かったので、舞台上で起こっていることの説明役となるリアクションを任されるようになるとは、感慨深いものがありました。

感慨深いといえば、今回、劇団ブラジルとの関わりを色々と感じれたこと。存在だけはずっと知っていたアンさんと一緒にお芝居をやっていること、自分は絡んだことがないのに母が勝手に描いた似顔絵をSNSのアイコンに使っている西山さんが観に来てくれた上に凄い褒めてくれたこと。過去には諫山さんと共演したこともあるし、山川くんは辰巳さんに顔が似てるねと今回誰かに言われました。何かよくわからないけどブラジルをコンプリートしたような気分です(?)。自分がお芝居を始めたタイミングと微妙に活動期間がズレているため、ブラジルの本公演を観れてはいないのですが、その時の空気を感じれたのが嬉しい。ブラジルに限らず、自分は一回り以上世代が上の方々と共演することが多かったので、話には聞いたことあるけど実際に観たことはない、という劇団の話も多くて、そういった少し前の世代の演劇の空気を、劇団チリでは感じられるので楽しいです。

即興も楽しい。自分はお笑い好きなところから演劇に入ったクチなので、大喜利的な部分を求められる即興も大好きです。まぁ、役者に大喜利的な能力は必要なのか?話の展開を考えるのは作家の能力なのではないか?といった議論はあると思います。
実際にそうした能力が役者にいるかどうかというのは、究極的にはどっちでも良いと思います。あって邪魔になるモンじゃないし、そういうの考えるのが好きな人はやれば良いし、苦手な人はやらなくても全然良い。
僕はバラエティ番組も好きなので、出演者たちの番組内でのポジション・立ち振る舞いを考えるのも好きです。即興をやる時の脳味噌はバラエティ番組を観てる時のソレに近い。パスが上手いこと繋がってキレイなゴールが決まることもあれば、みんなで必死にゴールを探しても全然見つからない時もある。
スベリ芸と呼ばれる人達が割と好きなんだけど、アレは最初からスベリにいくんじゃなくて、ちゃんと笑いを取りにいって、だけど失敗して、スベッた空気を取り戻そうとあがいてあがいて、その空気に叶うナニカをポロっと見つけ出した時にちょっと面白い、という芸だ。即興は何だかそれに近い感じがします。上手くいくかわからないハラハラ感。
華麗なゴールも良いけど、泥臭く走り回ってる姿を見せるだけでも良い。予定調和がハマる時もあるし、破壊的な面白さもどっちもあって良い。役者も観客もオモシロの懐が深くなればなるほど、自由に色んなことが出来るようになるのかな、と思います。状況に欠けてるポジションと、今この空気に必要な言葉は何なのか、常に脳味噌を回転させるのが楽しい。その負荷は苦しいけど楽しい。苦痛ではない負荷は表現には絶対必要だな、と実感します。

劇団チリ、これからも続いてって欲しいし、色んな人に出て欲しい。立川に根付いて欲しい。
願わくば地元の立川の人達がいっぱい観に来るようになって欲しい。
立川は映画館・美術館・IKEA・モノレール・昭和記念公園もあるし、ご飯屋さんも充実してるし、遊ぼうといえばかなり遊べる街です。
劇団チリは出演陣も豪華だし、アンさんの脚本は面白いし、即興も短編も上質な公演を打ってると思います。
とは言え、立川は遠いです。いくら新宿から一本で行けるからと言っても、井の頭線・中央線あたり近郊に住んでる人でない限り、絶対に遠い。遠い人たちに毎度、観に来て貰うのも大変なので、地元へのコミットは必須じゃないかと思います。
立川でやってる劇団チリ、毎回地元の人たちでチケット売り切れちゃうみたいだけど、演劇として凄く面白いらしいよ…!という感じで広まっていったら凄く格好良いなーと思います。

とにかく、細く長く、劇団チリは続いていって欲しいなと思うのです。
アンさん主催の即興ワークショップ近々にありますので、興味がある人は是非ぜひ。

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