第4回:伝えても伝わらない、には「タイミング」もあるよね
かつて、「当社には対話が足りないのでは」という仮説のもと
わたしたちは「対話マンガ」を描いていた。
会話のリアルさ、ズレの可視化、思わず笑ってしまう瞬間――
「こういう表現なら、届くんじゃないか」と信じていた。
でも、現実は思ったほど反応がなかった。
そっと読まれて、そっと流れていった感じ。
あれは、誰に向けて描いていたんだっけ?
そもそも、何を伝えたかったんだっけ?
今回は、そんな「伝わらなかったけど、やってみた」過去を起点に、
表現と受け手のギャップ、“伝わる”の意味、そして
それでも挑戦することについて語り合いました。

あれ、ウケなかったよね?
室長:そういえばさ、わたしがここに来る前に「対話マンガ(仮)」ってやってたけど、あれってどんな企画だったの?
ミクニ:あ~、けっこう気合い入れてたんですけど・・・正直、ウケなかったですね。

ウエムラ:誰からも否定されなかったけど、特別なリアクションもなく。
静か〜にあまたある記事の波間に消えていったっていうか・・・。
ミクニ:「見ましたよ」っていう社交辞令もなく(笑)。「絵描けるんですね」とは言われました(笑)。
ウエムラ:ぜんぶ自分たちで描いてたもんね。手で。
室長:なるほど、それは・・・切ない。それにしても、なぜマンガだったの?
ミクニ:文章で風土を語ろうとすると、どうしても「正論」っぽくなるじゃないですか。でも、対話って、もっと「にじみ」とか「余白」があるものだと思ってて。それを表現するには、絵とセリフの「間」が使えるマンガが合うかもって思ったんですよね。
ウエムラ:単純に、テキストを読むのが苦手な人にも届けられるのでは、とも思ってました。

ミクニ:今でも、言いたかったことはぜんぜん変わってないなって思います。「こだわりととらわれ」もわたしが描いたやつで、あれは本当に、いいのが描けたと思ってるんですよ。

ミクニ:当時いっしょにやってた小田さん(小田裕和さん:株式会社MIMIGURI デザインストラテジスト/リサーチャー)に解説も書いてもらってたじゃないですか、あのシリーズ。だからめっちゃ完成度高いじゃん!って思ってた(笑)。
ウエムラ:
うんうん(笑)。

でも、刺さらなかった。だけど、マンガの手応えを今も信じている
ウエムラ:でも、ほんとにあれなんだったんだろうね・・・。「ズレた」っていうより、ただ静かにスベったっていうか・・・。いまだによくわかんない(笑)。
ミクニ:うん、あの「誰にも届いてないかも・・・」って感覚は今でもちゃんと覚えてます(笑)。でも、スベるのは正直ちょっと慣れてるというか(笑)。 わりとずっとスベってきたから。それでもやってみたかったんだと思う。
室長:それ、伝え方の「正解」があると信じすぎないっていう意味で、すごく大事かも。
ミクニ:マンガって合理的な表現だと思うんです。情報量が多くて、テンポもあって、空気まで一緒に届けられる。ホリエモンも言ってたんですよ、「有名にしたいものがあればマンガにすればいい」って(笑)。だから、手段としては今でもぜんぜんアリだと思ってます。
ウエムラ:うんうん。マンガが悪かったわけじゃなくて、たぶんタイミングも含めて「場になじまなかった」だけなんだよね。
ミクニ:わたし、たまに読み返してるんですよ(笑)。「あー、このときこんな感じだったな」って。あのセリフたち、自分で描いたくせに、ちょっと効くんですよね。
ウエムラ:わかる。わたしも自分で書いたお気に入りの記事は読み返してしまう(笑)。でもさ、自分が書いた書いてないにかかわらず、あとから引っかかることってあるよね。ふつーに本とかでも、前に読んだときにはまったく目に留まらなかったフレーズが、何年後かに読み返したときは急にひびいたり。
室長:なるほどね。たしかにタイミングみたいなものはあるかもね。
ウエムラ:ちょっと早すぎたんですかね。
ミクニ:そうかも。先取りしすぎましたね(笑)。今やってみたら違うリアクションが得られるような気もします。
室長:うんうん。やってみちゃえば?

