医学部CBT本番で「あがらない」ための心理的準備と当日の行動習慣 ㊼【医学部CBTバイブル──リーフェ医学情報の全50講】
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📊 本記事の構成
・7,500字/読了目安19分
・対象:本番で緊張・あがりが心配な方
・読了後:あがりと付き合い、実力を出しきる準備がわかります
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記事の概要
医学部CBT本番で緊張やあがりに飲み込まれず、実力を発揮するための心理的準備と行動習慣を解説します。
あがりは自然な反応であり、消そうとするより上手に付き合うことが大切です。
事前の準備と当日のルーティンで、落ち着いて臨む方法をお届けします。
「本番で緊張して、実力を出せなかったらどうしよう」
医学部CBT本番を前に、多くの学生が「あがってしまうこと」を心配します。
緊張で頭が真っ白になる、手が震える、普段解ける問題が解けない。
そんな事態を恐れる気持ちは、真剣に取り組んでいる証でもあります。
しかし、あがりは完全に消せるものではなく、消そうとするほど強まることもあります。
大切なのは、あがりと上手に付き合い、実力を発揮するための準備をしておくことです。
この記事では、本番であがりに飲み込まれないための心理的準備と、当日の行動習慣を解説します。
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この記事で学べること
「あがり」が自然な反応である理由と、あがりとの向き合い方
本番であがりを和らげる、事前の心理的準備
当日、落ち着いて臨むための行動習慣とルーティン
著者:原田
所属:株式会社リーフェホールディングス 経営企画室 部長
資格・経歴:
法学部卒|政治学研究科 修士・博士|政治学者、政治学教員、学生指導歴20年以上
医学生に特化した個別指導塾「医学生道場」のファウンダー
自己紹介:
幼少期より病気がちで、こんにち無事に生活できているのは、医療とそれに関わる人たちのお陰です。将来の医療者として、社会に貢献できる医療系学生の方を積極的にサポートしていきます。
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はじめに
医学部CBT本番において、多くの学生が心配するのが「あがり」、つまり緊張で実力を出せなくなることです。
どれだけ実力をつけても、本番で緊張に飲み込まれてしまっては、その実力を発揮できません。
「あがったらどうしよう」という不安は、本番が近づくほど大きくなりがちです。
まず知っておいてほしいのは、あがりは自然な反応だということです。
大事な試験を前に緊張するのは、脳が「重要な場面だ」と認識している証拠であり、決して異常なことではありません。
むしろ、適度な緊張は集中力を高め、パフォーマンスを向上させることもあります。
問題なのは、あがりが強くなりすぎて、実力を出せなくなる場合です。
だからこそ、あがりを完全に消そうとするのではなく、上手に付き合う準備をしておくことが大切です。
医学生道場の指導現場でも、本番であがることを心配する学生を多く見てきました。
そして、事前に心理的な準備をし、当日の行動習慣を整えた学生ほど、あがりに飲み込まれず、実力を発揮できることを見てきました。
この記事では、あがりと上手に付き合うための心理的準備と、当日の行動習慣を、健康的なセルフケアの範囲でお届けします。
なお、強い不安が続く場合は、我慢せず専門家に相談することをおすすめします。
本論
「あがり」は自然な反応である
あがりと向き合う第一歩は、あがりを自然な反応として受け止めることです。
あがりは誰にでも起こる
あがりは、程度の差こそあれ、誰にでも起こります。
大事な試験を前に緊張しない人のほうが、むしろ少ないでしょう。
「自分だけがあがる」のではなく、多くの受験生が同じように緊張しています。
あがりは、特別なことではなく、普遍的な反応です。
適度な緊張はプラスに働く
適度な緊張は、むしろパフォーマンスにプラスに働きます。
まったく緊張がない状態より、程よい緊張がある状態のほうが、集中力が高まり、実力を発揮しやすくなります。
緊張を完全に排除する必要はなく、適度な緊張は味方になります。
あがりを消そうとしない
あがりを完全に消そうとすると、かえって「あがっている自分」を意識してしまい、逆効果になることがあります。
「あがってはいけない」と思うほど、緊張は強まります。
あがりを消そうとするのではなく、「あがっても大丈夫」「多少緊張していい」と受け止めることが、あがりと付き合うコツです。
目標は「あがりゼロ」ではない
心理的準備の目標は、「あがりをゼロにすること」ではありません。
あがりを適度な範囲に保ち、その状態でも実力を発揮できるようにすることが目標です。
あがりと共存しながら、力を出しきる。
この現実的な目標を持つことが大切です。
心理的準備①:準備が自信を生む
あがりを和らげる最も根本的な心理的準備は、しっかりとした準備です。
準備の充実が自信の土台
あがりの大きな原因は、「準備が足りないのではないか」という不安です。
逆に言えば、しっかり準備をすることが、あがりを和らげる最良の方法になります。
「これだけやった」という準備の充実が、自信の土台となり、あがりを抑えます。
やってきたことを振り返る
本番前には、これまでやってきたことを振り返ります。
積み上げてきた学習量、解いてきた問題数、克服してきた弱点。
これらを振り返ることで、「自分はこれだけ準備してきた」という自信が得られます。
第43回の総復習で全科目を確認したことなども、自信の裏付けになります。
👇 第43回の記事はこちらからです
完璧でなくても「やれることはやった」
準備は完璧である必要はありません。「完璧ではないが、やれることはやった」と思えれば、それで十分です。完璧を求めると、いつまでも「まだ足りない」と不安になります。「やれることはやった」という納得が、あがりを抑える心の支えになります。
準備がルーティンの一部になる
本番までの準備そのものが、あがり対策になります。前日の過ごし方(第45回)や当日の戦略(第46回)を準備しておけば、「こうすればいい」という見通しが立ち、あがりが和らぎます。準備の積み重ねが、当日の落ち着きを支えます。
心理的準備②:本番をイメージしておく
あがりを和らげる第二の心理的準備は、本番をイメージしておくことです。
未知への不安を減らす
あがりの一因は、「本番が未知である」ことへの不安です。
何が起こるかわからないと、人は緊張します。
逆に、本番の流れをあらかじめイメージしておけば、本番が「未知」でなくなり、あがりが和らぎます。
当日の流れをシミュレーションする
本番前に、当日の流れをシミュレーションしておきます。
会場に到着し、席に着き、試験が始まり、問題を解く。
この一連の流れを頭の中でイメージしておくことで、当日、実際にその通りに進んだときに落ち着いていられます。
本番形式の演習を重ねる
本番形式の演習を重ねることも、有効なイメージトレーニングです。
模試や、時間を計った演習で、本番に近い状況を経験しておきます。
第37回の総仕上げ模試などで本番の緊張感を経験しておけば、本番当日の緊張が「経験済みのもの」になり、あがりが和らぎます。
👇 第37回の記事はこちらからです
「あがったときの対処」もイメージする
本番をイメージする際は、「あがったときの対処」もイメージしておきます。
「もし緊張したら、深呼吸をする」「頭が真っ白になったら、簡単な問題から解く」というように、あがったときの対処法を準備しておけば、実際にあがっても慌てずに対応できます。
心理的準備③:考え方を整える
あがりを和らげる第三の心理的準備は、考え方を整えることです。
「完璧」を求めすぎない
「すべて完璧に解かなければ」という考えは、あがりを強めます。
しかし、試験ですべてを完璧に解ける人はいません。
「取れる問題を確実に取ればいい」という現実的な考え方に切り替えることで、プレッシャーが軽くなり、あがりが和らぎます。
結果より過程に意識を向ける
「落ちたらどうしよう」という結果への不安は、あがりを強めます。
結果はコントロールできませんが、「今できることをやる」という過程はコントロールできます。
結果より過程に意識を向けることで、あがりに振り回されずに済みます。
「あがっても実力は出せる」と考える
「あがると実力を出せない」という思い込みが、あがりへの不安を強めます。
しかし、多少あがっても、実力は出せるものです。
「あがっても大丈夫、これまでやってきたことは出せる」と考えることで、あがりへの過度な恐れが和らぎます。
周りと比べない
周りと自分を比べると、不安が増し、あがりやすくなります。
本番では、周りが気になっても、自分の試験に集中します。
周りと比べず、自分のペースで、自分のやってきたことを出すことに意識を向けます。
当日の行動習慣①:ルーティンを持つ
当日、あがりに飲み込まれないための行動習慣として、ルーティンを持つことが有効です。
決まった行動で心を落ち着ける
決まった行動(ルーティン)を持つことは、心を落ち着けるのに役立ちます。
スポーツ選手が試合前に決まった動作をするように、決まったルーティンを行うことで、平常心を保ちやすくなります。
当日の朝から試験開始までの行動を、ある程度ルーティン化しておきます。
当日の朝のルーティン
当日の朝は、いつも通りのルーティンで過ごすことが大切です。
いつも通りに起き、いつも通りの朝食をとる。
普段と同じリズムで過ごすことで、心が落ち着きます。
特別なことをせず、いつも通りを心がけます。
試験開始前のルーティン
試験開始前にも、落ち着くためのルーティンを持っておきます。
深呼吸をする、これまで確認した要点を軽く見返す、「やってきたことを出そう」と自分に声をかける。
こうした決まった行動が、開始前の緊張を和らげます。
ルーティンが「いつも通り」を作る
ルーティンの効果は、本番を「いつも通り」に近づけることです。
あがりは「特別な状況」で強まります。
ルーティンによって当日を「いつも通り」に近づけることで、あがりを和らげ、平常心で臨めます。
当日の行動習慣②:その場で落ち着く方法
本番中にあがりを感じたとき、その場で落ち着く方法を持っておくと安心です。
深呼吸をする
あがりを感じたら、まず深呼吸をします。緊張すると呼吸が浅くなるため、意識的にゆっくりと深い呼吸をすることで、心を落ち着けられます。
息を長く吐くことを意識した呼吸を、数回繰り返します。
その場ですぐにできる、有効な対処法です。
一度手を止める
頭が真っ白になったり、焦りを感じたりしたら、一度手を止めます。
無理に進もうとせず、数秒間、目を閉じたり、深呼吸をしたりして、落ち着きを取り戻します。
焦って進むより、一度落ち着くほうが、結果的に良いパフォーマンスにつながります。
簡単な問題から解く
あがって難しい問題で固まったら、簡単な問題から解きます。
解ける問題を解いているうちに、調子が戻り、落ち着きを取り戻せることがあります。
難しい問題に固執せず、解けるところから手をつけるのが、あがりから立て直すコツです。
「大丈夫」と自分に言い聞かせる
あがりを感じたときは、「大丈夫」「これまでやってきた」と自分に言い聞かせます。
ポジティブな自己対話は、心を落ち着ける助けになります。
自分を追い詰める言葉ではなく、自分を支える言葉をかけることが大切です。
専門家のサポートを求めるべきとき
あがりや不安が、セルフケアで対処できる範囲を超える場合もあります。その見極めも大切です。
セルフケアで対処しきれないサイン
以下のような状態が続く場合は、セルフケアだけで抱え込まず、専門家のサポートを求めることを検討してください。
強い不安や緊張で、日常生活に支障が出ている
試験のことを考えると、動悸・めまい・吐き気などの身体症状が出る
眠れない、食べられない状態が続いている
過去に試験で極度のパニックを経験し、強い恐怖がある
相談できる窓口
大学の学生相談室やカウンセリング窓口では、試験の不安やあがりについても相談できます。
また、身体症状が強い場合は、医療機関に相談することも選択肢です。
専門家に相談することは、弱さではなく、自分を大切にする賢明な選択です。
一人で抱え込まない
あがりや不安を一人で抱え込むと、さらに苦しくなることがあります。
信頼できる人に話すだけでも、気持ちが軽くなることがあります。
抱え込まず、周りに頼ることも、大切な対処法です。
無理をしないことが最優先
試験は大切ですが、心身の健康はそれ以上に大切です。
あがりや不安がつらいときは、無理をせず、休むことや相談することを優先してください。
あなたの健康が、何よりも大切です。
結論&むすびに代えて
医学部CBT本番でのあがりは、大事な試験を前にした自然な反応です。
あがりを完全に消すことはできませんし、消そうとするとかえって強まることもあります。
大切なのは、あがりと上手に付き合い、実力を発揮するための準備をしておくことです。
心理的準備として、3つを紹介しました。
しっかりとした準備が自信を生むこと、
本番をイメージして未知への不安を減らすこと、
そして考え方を整えることです。
「やれることはやった」という準備の充実、本番の流れのシミュレーション、「取れる問題を確実に取ればいい」という現実的な考え方が、あがりを和らげます。
当日の行動習慣としては、ルーティンを持つことと、その場で落ち着く方法を持つことが有効です。
いつも通りのルーティンで当日を「いつも通り」に近づけ、あがりを感じたら深呼吸や簡単な問題から解くことで立て直す。
これらの習慣が、あがりに飲み込まれず、実力を発揮する助けになります。
最も大切なのは、「あがってもいい、それでも実力は出せる」と考えることです。
あがりをゼロにしようと気負うのではなく、あがりと共存しながら、これまでやってきたことを出す。
その姿勢が、本番で力を発揮する鍵です。
一方で、あがりや不安がセルフケアで対処しきれないほど強い場合は、我慢せず専門家に相談してください。
試験は大切ですが、あなたの心身の健康はそれ以上に大切です。
無理をせず、周りに頼りながら、本番を迎えてください。
これまで積み重ねてきた努力を信じて、落ち着いて実力を発揮できるよう願っています。
次回の記事では、「CBT不合格だった場合のリカバリー計画:再試験への最速ルートとメンタル立て直し」についてお届けします。
引き続き、リーフェ医学情報の医学部CBTシリーズをご活用ください。
👇 その他の記事はこちらから、医学部CBTのマガジン、50講です
FAQ
Q1. 本番で頭が真っ白になったら、どうすればよいですか?
まず、一度手を止めて深呼吸をしてください。
頭が真っ白になるのは緊張のためで、少し落ち着けば戻ります。
焦って進もうとせず、数秒間目を閉じ、ゆっくり深呼吸をして、落ち着きを取り戻します。
そのうえで、難しい問題に固執せず、簡単な問題や解けそうな問題から手をつけてください。
解ける問題を解いているうちに、調子が戻ってくることが多いものです。
事前に「頭が真っ白になったら深呼吸して簡単な問題から」と対処法を決めておけば、実際にそうなっても慌てずに対応できます。
頭が真っ白になるのは一時的なもので、必ず戻ります。
「戻る」と知っているだけでも、落ち着けます。
これまでの準備を信じて、焦らず立て直してください。
Q2. 緊張すると手が震えたり、お腹が痛くなったりします。どうすればよいですか?
軽度の身体症状は、緊張に伴う自然な反応なので、過度に心配しないでください。
手の震えや腹痛は、緊張すると誰にでも起こりうる反応です。
深呼吸をして体をリラックスさせることで、和らぐことがあります。
また、当日は体調を整え、消化のよい食事をとる、余裕を持って会場に着くなど、身体的なコンディションを整えることも、症状を軽くするのに役立ちます。
ただし、症状が強く、試験に集中できないほどであったり、日常生活に支障が出るほどであれば、事前に医療機関や学生相談室に相談しておくことをおすすめします。
特に、過去に試験で強い身体症状を経験している場合は、早めに専門家に相談し、対処法を用意しておくと安心です。
無理をせず、必要なサポートを求めてください。
Q3. 「あがったら実力を出せない」と思うと、余計に不安になります。
「あがると実力を出せない」という思い込み自体が、不安を強めています。実際には、多少あがっても、実力は出せるものです。
適度な緊張はむしろ集中力を高めるため、「あがり=失敗」ではありません。
多くの合格者も、緊張しながら本番に臨み、実力を発揮しています。
「あがっても大丈夫、これまでやってきたことは出せる」と考え方を変えてみてください。
また、あがりを消そうとするより、「多少あがってもいい」と受け入れるほうが、かえって落ち着けます。
あがりは敵ではなく、大事な場面で誰にでも起こる自然な反応です。
あがりと共存しながら実力を出す、という現実的な目標を持つことで、あがりへの過度な不安が和らぎます。
それでも強い不安が続く場合は、学生相談室などで相談してみてください。
参考文献・出典
公益社団法人医療系大学間共用試験実施評価機構(CATO)公式サイト:医学系CBTの実施概要
厚生労働省「こころの健康」に関する情報
リーフェ医学情報・医学生道場 指導現場での観察事例
※本記事は一般的なストレス対処・セルフケアを紹介するものであり、医学的な診断・治療に代わるものではありません。
強い不安や身体症状が続く場合は、専門家にご相談ください。
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