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【次世代へのバトン】 家族の挑戦が実を結ぶ時 [第60回]

先日、我が家でとても嬉しい出来事がありました。大学で運動部のマネージャーをしている息子から、「最終年度のマネージャーの責任者に選ばれた」という報告を受けたのです。

今回は少々親バカな内容になってしまいますが、温かい目でお付き合いいただけますと幸いです。
一人の親として、彼の選択と言語化について考えてみたいと思います。

1. 3年間の裏方生活と、積み重ねた信頼

彼は、高校時代からある競技に熱中しており、大学でもその競技を続けるべきかどうか、進学当初に悩んでいました。しかし、大学という一段高いレベルの環境を見つめたとき、自分が選手としてトップを目指すことには限界がある、と彼は冷静に悟ったようです。

そこで彼は、競技から完全に身を引くのではなく、「好きな競技に、別の形で携わり続ける」ために、マネージャーという道を選びました。

それからの3年間、彼は仲間のために睡眠時間を削り、裏方としてのサポートに徹してきました。家では、部活から帰れば練習の記録をまとめて泥のように眠る姿ばかり見ていたので、親としては「ちゃんと勉強しているのだろうか」と心配になることも少なくありませんでした。

皆が選手としての華々しい活躍を目指す中で、彼は一見すると地味で目立たない仕事を積み重ねていきました。マネージャーとして仲間を支え、仲間が良いパフォーマンスをした時は、自分のことのように喜んでいました。チームの勝利や他者の活躍を心から祝福できる彼の姿勢は、3年という月日を通じて、部員たちの間に確かな信頼を育んでいきました。

2. 自ら掴み取った「責任者」という打席

そんな彼が、最終学年を前にして、それまでは全く考えていなかった「マネージャーの責任者」への立候補を決意しました。選考の場では、もう一人の立候補者と共に、部員全員の前で「自分がどのように組織に貢献するか」をプレゼンしたと言います。

彼が大勢の部員の前で自らの思いを表明している光景を想像して、私は自分のことのように胸が熱くなりました。

彼のプレゼンが多くの部員たちの心に深く響き、最終的に責任者として選ばれたのは、これまでの地道な行動の積み重ねを、周りのみんながしっかりと見ていてくれたからに違いありません。日頃の貢献こそが、何よりも強い説得力(エビデンス)となって仲間に届いたのだと思います。

今でも勉強のことが心配なのは変わりませんが、今回のこの結果を聞いて、もしかしたら彼は、大学の講義室で学ぶこと以上に価値のある何かを掴み取っていたのかもしれない、と思うようにもなりました。

3. 他人の価値観に流されず、親を超えていく姿

皆がスポットライトを浴びる選手を目指す中で、裏方の仕事を自ら選び、その姿勢が周りに認められて責任者に選ばれた息子の姿。
私はそこに、少なからず数ヶ月前に自分が経験した「教授選」での姿を重ね合わせてしまいました。

組織の中で、他の人の価値観に流されることなく、自分の選んだ道で頑張る、という構造は、私も彼も同じだったからです。

ただ、ひとつだけ決定的な違いがありました。

親である私は、最後の最後で打席に敗れました。しかし、彼は見事に勝ったのです。

親の背中を見ていたのかは分かりませんが、敗れた私を見てなお、自ら過酷な打席に立つことを恐れず、勝利を掴み取ってくれた。
その事実が、私には本当に嬉しかったのです。報告を聴き終えた後、私は彼と力強く握手をして、心からの祝福を伝えました。

最後に

私は、このように家族が何かを頑張り、その結果として成果を出したという話を聞くと、本当に胸が熱くなります。

子どもたちや家族が「何かをやりたい」と本気で思った時に、いつでも迷わずそれに挑戦できるような環境を整えてあげること。それこそが、親としての私の強い願いでもあります。

それは、医学部受験も同じでした。医師になるための挑戦を選んだ息子に、学費を理由に諦めさせることはしたくありませんでした。

同時に、自分のキャリアも継続する道を模索し、今に至ります。

今回の話は「資産形成」とは直接関係ありませんが、彼らの挑戦をいつでも後ろから支えられる基盤を作るためにも、やはり日頃からの「資産形成」は極めて大切なのだと、息子の姿を見て改めて確信しました。

人生には、自分が主役としてコートに立てない時期や、限界を知る瞬間が必ず訪れます。しかし、そこでハンドルを手放す必要はありません。役割を変え、視点を変え、自分が貢献できる場所で地道に打席に立ち続けることの価値を、息子は自らの行動で証明してくれました。

彼はこれから、責任者として組織をまとめるという、さらにタフな1年間を迎えることになります。

裏方からリーダーへと脱皮していく彼のこれからの活躍が、今から本当に楽しみでなりません。私もまた、自らのアップデートに向けて、自らの歩幅で一歩一歩、地面を踏みしめていこうと思います。


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