人事部付 真田雪乃の議事録<2-4 水色のミッション>
前回までのあらすじ
本社で「人事部付」として働く2年目社員・真田雪乃は、社員総会後の同期会で営業職の星原直哉と再会。MVPに選ばれながらも「営業がわからない」と漏らした星原の悩みに触れ、評価制度のあり方を見直すべきだと考えるようになる。売上・成約数・成約率の“数字”だけでは測れない「選ばれる」を探すため、雪乃が向かったのは…?
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第二章 営業がわからない
第四話 水色のミッション
「あれ…今日、門倉さんは?」
「今日は朝から内見で直行みたい…気になるの?」
「や…この前の抹茶ラスクのお礼を言いたくて…」
半年ぶりに訪れた南花営業所のレイアウトは大幅に様変わりしていた。管理物件が一覧になったホワイトボードと向かい合わせになるように営業事務の机が置いてある。これで電話で聞かれても保留にせずに確認することができる仕組みのようだ。相変わらず茉莉也が電話に出ることが多いことから、茉莉也自身が所長に言って席を変えてもらったのだそうだ。
営業事務の茉莉也は、今年入った新卒社員に仕事のレクチャーをしていた。森川さんはすでに産休に入っているようだ。仲介営業は、今内見中の門倉さんと水嶋さん、そして一人の新卒社員も配属されて、門倉さんの営業に同行中とのことだ。そして、黒木さんも以前と変わらず、オーナー担当として、ノートパソコンで作業をしていた。
「ごめん茉莉也、ちょっとハサミ貸して」
「どうぞ」
茉莉也からハサミを借りて、雪乃はモレスキンのノート、通称「議事録」の一部を、長方形に切り取った。
「もったいないよ。営業所の付箋使えばいいのに」
「営業所の備品を消費しちゃうから、悪いかなって」
「気にすることないのに…」
そして、切り取った長方形に収まるよう、普段より小さな字を書いた。
門倉さん
先日は抹茶ラスクをありがとうございました。
とても美味しくいただきました。 いずれ直接お礼を言わせてください。
真田雪乃
ニコニコマークの顔文字をつけようかどうか一瞬迷って、結局びっくりマークすらつかない、そっけない手紙になってしまった。メモを折りたたみ、閉じてある門倉さんのノートパソコンに差し込んだ。
(ミッション、コンプリート…!)
しかし、門倉さんにお礼を言うのは、あくまでもサブミッションだ。
雪乃が今日、南花営業所を訪れた最大の目的….
それは、夏目エリア長に会いに行くことだ。
*
「アンケート…?」
先日茉莉也、直哉との件を踏まえて話に行くと、上杉部長はしっかりした眉毛を少し上げた。
「今の三つの指標、売上、成約数、成約率。この三つの他に、満足度アンケートの結果を反映させるのはどうでしょうか?」
「どうしてそう思ったの…?」
「当社のミッションから考えたのです。”常に選ばれる”ってどうすれば測れるのかって…顧客満足度アンケートで”次もお願いしたい”という項目の数値が高い人を集計して、もっと評価することができれば、当社のミッションに近づけると思ったのです」
「この三つの指標だけだと不足…ってことなのかい?」
訝しげに問われ、雪乃は鼓動が一段高くなるのを感じた。
自分の発言は、今の制度を否定していることにつながる。そう思われないように、ゆっくりと言葉を選んだ。
「失礼しました。今の三指標が大切なのは…理解しています。ただ…それに加えて、次もお願いしたいと思われているか…という点も…評価に活かせるのではと…思ったのです」
「うーん…」
上杉部長は自分の顎を太い指でつまみながらしばらく首を傾げていた。
そして、雪乃に向き直った。
「よし。夏目エリア長に会いに行ってみて」
「夏目エリア長…ですか…?」
その名前を聞いて、雪乃の鼓動はもう一段高くなった。
夏目郁子首都圏エリア長。
雪乃が議事録を取っている上層部の会議で、いつも顔をこわばらせながら鋭い口調で議論を交わしている姿が思い浮かび、つい怯んでしまう。
その気持ちが顔に出ていたのだろう、上杉部長は頬を緩ませた。
「ハハ。怯えるんじゃない。あの人はものすごく優しくて、誰よりも現場のことを第一に考えている。ここで僕と真田さんが議論するよりも、現場のことを一番に知る夏目エリア長に、この指標のことを聞いてみたほうが、よっぽど有意義だと思うよ」
夏目エリア長は、普段は首都圏の営業所を回っている。スケジュールを合わせて訪れてみるよう指示され、Outlookのスケジュール管理表を眺めた。
彼女のスケジュールは遠目から見るとモザイク画のように異なる色で彩られており、それがすなわち多忙さそのものだった。
訪れる営業所や会議などで色分けをしているらしい。
近くで見ると、1日水色で表示されている日があった。
水色:南花営業所 訪問日
「部長…この日…南花営業所に訪れてみてもいいでしょうか」
「ああ、僕からも根回ししておくから、行ってみなさい」
*
朝礼前に夏目エリア長を探していると、背後からふいにアルト寄りの声がした。
「あら、いつかのサンタガール、今日はどうしたの...?」
夏目エリア長が鷹揚に微笑んでいた。
懐かしいあだ名だ。サンタガール、というのはクリスマスイブ休暇を雪乃が提案した時に、城山社長が言い出したものだ。当初は上杉部長もそう呼んでからかっていたが、年が明けると、そんなことは忘れ去られていた。
「あの...上杉部長からお聞きかと思うのですが…評価制度について...」
「え…なんのこと…?」
急に眉根を寄せたので雪乃は慌てた。
「えっ…あっ…あの…」
すると、エリア長がいかにも可笑しそうにクスクス笑った。
「嘘。上杉さんから、全部聞いてる。あとで話しましょ」
朝礼が始まり、島崎所長が話している時に電話が鳴った。
半年前に電話番をしていた時の癖で、パッと受話器を上げてしまう。
「はい、シロヤマ・コーポレーション南花営業所の真田です」
すると、若い女性の声が聞こえてきた。
「おはようございます...そらまめ保育園です...鈴木さんはいらっしゃいますか?」
「鈴木…ですか?」
そういえば、新人さんの名前を聞いていなかった…と思っていると、
「あ、私。代わるね」
と、水嶋さんが軽く手を上げた。きっと水嶋姓は旧姓なのだろう、と自分で納得して、電話を水嶋さんに繋いだ。
「あ...はい!ミナトの母親です。あ...発熱…38.7度...はい…そうですか...今すぐ行きますね」
そう、早口で言って電話を切った。
「朝はあんなに元気だったのに…すみません、朝礼中ですが午前中の接客、調整のために電話させてください。」と、所長に断った。
「だ…大丈夫なの…?」
「まずは家族に、迎えに行けないか聞いてみます…!」
その時、夏目エリア長が言った。
「今日の案内、私がします。水嶋さん、お客さんの情報だけ教えて、早くミナトくん、迎えに行ってあげて」
「え…でも…」
水嶋さんが雪乃と夏目エリア長を交互に見た。
「私は大丈夫だから。…真田さん、ごめん」
エリア長が雪乃に向き直った。
「予定変更。私と一緒に行こう。お客さんのとこ」
*
半年前に訪れた時はコートを着ても冷え込むほどだったのに、今日は半袖でも5分ほど外にいただけで、顔が熱ってしまう。車内のクーラーに冷やされて、額の汗がスーッっと降りて眉毛を通過する。雪乃は鞄からハンカチを取り出して、2回ほど軽くはたいた。
夏目エリア長はハンドルを軽く握っている。手のひらが大きくてどの指も長い。左手の薬指にシンプルな銀色の指輪がじんわりと光っていた。
前回森川さんに営業同行させてもらった時と同じ営業車なのに大きく見えてしまい、雪乃は助手席のシートベルトの中で小さくなっていた。
営業車が駐車場から出発した。道路両側には街路樹越しにチェーンのファミリーレストランやコンビニ、ガソリンスタンドなどが見える。雪乃の緊張とは裏腹に、夏目エリア長は楽しげだった。
「こんなことって、結構あるんですか…?」
「うん。お子さんはいつ風邪を引くかわからないからね。こうやってピンチヒッターしてる…というのを言い訳に、私はね、現場に出るのが大好きだから…狙ってるのよ」
「そうなんですか!?」
「案内、大好きなの。何が起こるかわからないからね」
そう言いながら、肩をすくめた。
「ところで、真田さんって、まだ人事部付なの?」
あたりのロードサイド店が少なくなってきたところで、そう問われた。
「そうなんです…。まだ…ってことは、いずれどこかに配属されるんでしょうか…?」
雪乃は、実は人事部付であり続けていることに、少し焦りを感じていた。今年の4月で入社2年目となり、15人の新卒社員も加わった。彼ら彼女らも最初は人事部付だったが、1ヶ月の研修を終えるとすぐに配属されている。その中で、自分だけが2年目になっても、なお人事部付のままだ。そして茉莉也は、先輩として1年目の後輩に教えている。
「大丈夫。きっと、上杉さんのお考えがあるんでしょう。真田さん自身は、どこに行きたいとか、希望はあるの?」
「希望というものはないですが...でも、営業所は一度は経験しとかないと、と思ってます」
営業所を訪れたり、同期の話を聞いていたりすると、やはり現場の目線こそが大事なのだと思う。本社にいると、やはり現場とは目線がずれてしまうのを感じるのだ。かといって、事務か、営業か…茉莉也と星原の話を聞けば聞くほど、自分にはできそうにないと思ってしまう。
すると、エリア長が「そうだ」と小さく叫んだ。
「今日のお客さん、真田さんがやってみない?」
「え!ええ?…私がですか?」
あまりに突然の提案に、雪乃は驚愕して大きな声を出してしまった。気にも留めずに、エリア長は微笑んでいる。
「大丈夫。私が助けるから」
夏目エリア長は信号待ちの時に、書類の入ったファイルを雪乃に手渡した。
「この方が、今日のお客さん」
鳥羽明里様
年齢:35歳
入居:1人
引越し理由:転勤のため。
希望の広さ:1K〜1LDK
駅徒歩:新南花駅から10分以内
家賃:9万円以内
その他:風呂・トイレ別、築浅希望 ペットなし 駐車場1台
「一人暮らしの女性ですね。」
「そう…それでこれが物件の候補。さっき急いで出したわ」
物件名:プライムガーデン新南花(築5年)
賃料:8.8万円(共益費込)
間取り:1K(30㎡)
駅徒歩:8分
特徴:
・築浅デザイナーズ物件
・独立洗面台・浴室乾燥機付き
・駐車場敷地内(8,000円/月)
・オートロック
・宅配ボックス
物件名:グリーンテラス新南花(築13年)
賃料:8.5万円(共益費込)
間取り:1LDK(42㎡)
駅徒歩:4分
特徴:
・リビング12畳
・ペット不可
・閑静な住宅街
・駐車場敷地内(10,000円/月)
物件名:ベルフィーノ南花西(築8年)
賃料:9.1万円(共益費込)
間取り:1LDK(38㎡)
駅徒歩:11分
特徴:
・南向き
・システムキッチン
・ウォークインクローゼット
・他、床下収納あり
・ 駐車場1台無料
一枚一枚の書類を眺めていると、夏目エリア長が前を向いたまま、言った。
「さて…真田さんに、問題です!鳥羽さんが、一番気に入りそうな物件はどれでしょう?」
雪乃は突然のクイズに戸惑った。
「え...?お会いしたこともないので...ちょっとわからないです...」
「そんなの分かってるわ。あくまでも仮説。決めつけは良くないけど、ある程度どんな人かなーっていうのを想像してみるの」
その後、夏目エリア長は、
「真田さんって一人暮らし?」と尋ねた。
「大学生の時は一人暮らししてましたが、今は...実家です」
「そう。じゃ、たとえば、もし真田さんが35歳で、一人暮らしをすると考えてみましょう。真田さん、35歳の時、あなたは何をしていると思う?」
フロントガラスからより遠く、容赦無く道路に照りつける陽光の先を、雪乃は見遣った。
35歳。
今から10年以上後なんて、想像もつかない。30歳までになんとなく結婚をするのだろうか…と思ってはいるが、相手もいないし、一人でいる可能性だって大いにある。昔ならそれが悲壮感を持った想像だったのかもしれないが、時代のせいか、自分の志向のせいか、あまり悲しむべきこととは思わなかった。
「仕事...してますかね...。ここで、今と同じように」
「ここにいてくれるのね、嬉しい」
「流石に人事部付ではないでしょうけど…」
そういうと「そうね」と、夏目エリア長は目を細めた。
「じゃあ、そんな35歳の真田さんは、どんな部屋で一人暮らししてる…?」
雪乃は、35歳で、一人暮らしをしている自分の暮らしを想像した。
「普段、会社にいることが多いのであれば、あんまり日当たりは気にならないかと思います...。急な雨に対応できないから、どうせ洗濯物も外には干さないでしょうし...そうなると、あんまり日当たりは気にしない気がします...そっか、じゃあ浴室乾燥があったほうがいいのでは?宅配ボックスもあると部屋開けられますよね」
図面を眺めながら考えていると、ほぼ独り言のような言葉が降ってくる。「プライムガーデン新南花」は築年数も浅いし、一人暮らしには快適そうな物件だ。
「じゃあ、プライムガーデン?」
しかし、雪乃はある「デメリット」…というのも雪乃にとってのデメリットなのだが…に気づいてしまう。
「でも…駅徒歩8分はちょっと歩きますねー...私、朝が弱いので、ちょっと焦っちゃいますね...」
「へえ...真田さんが…」
夏目エリア長が意外そうな顔をする。
「大変恥ずかしいのですが、母に起こしてもらわないと起きれないのですよ...」
雪乃は大学生の時に一人暮らしを経験した。しかし、どんなに早寝をして、けたたましいアラームを設定しても、その爆音は夢の中に取り込まれてしまう。結果、授業にたびたび寝坊してしまうため、一限目に授業を入れることは諦めた。社会人になるにあたり寝坊癖に危機感を覚え、当面の措置として、実家に戻ることを選んだ。
今まで同期にすら話さなかったことを、このずっと年上のエリア長に話してしまったのは、車内で二人という安心感からだろうか。
夏目エリア長は雪乃の弱点開示にケラケラと笑った。
「そう、真田さん、しっかりしてそうなのに…そんな弱点があるなんて、なんか安心した。じゃあ、この中だと駅徒歩4分のグリーンテラスが向いてそうね」
「徒歩4分なら…危ないですが、なんとか頑張れそうです」
「じゃあ、ベルフィーノ南花西は、どう?」
雪乃は、ベルフィーノの図面を凝視した。
「正直...あんまりピンとこないですね。まず駅徒歩11分...私なら、もうその時点で候補から外してます」
「そう...でもね、私のイチオシは、ベルフィーノよ」
夏目エリア長の横顔を見て、思わず聞いた。
「どうしてですか?」
「この方はね、車を持ってるの。もし、通勤にも車を使うとしたら、駅徒歩はそこまで気にならないはず。駅徒歩で『10分』って書いてあるのも、なんとなくそう書いているだけのケースがある。そして、駐車場無料だから、実質家賃が一番安くなる」
雪乃は、3つの物件の駐車場込みの月額賃料を計算した。
物件名:プライムガーデン新南花
家賃:88,000円(共益費込)
駐車場:8,000円
合計:96,000円
物件名:グリーンテラス新南花
家賃:85,000円
駐車場:10,000円
合計:95,000円
物件名:ベルフィーノ南花西
家賃:91,000円
駐車場:0円
合計:91,000円
家賃で見ると、一番高額に見えた「ベルフィーノ南花西」が駐車場込みの合計賃料だと一番低額になることがわかる。
「ほんとですね…!」
「あとね、30歳超えてくると、だんだんモノが増えてくることが多いの。ウォークインクローゼットみたいな収納が助かりそうよね...とか、考えるとベルフィーノが一番妥当かな、って思う」
その圧倒的な説得力に雪乃はつい俯いた。
「...車なんて、考えも及びませんでした...自分の35歳になった姿しか想像できなかったです...」
夏目エリア長は左手をハンドルから離して手を横に振る。
「本当は正解なんてないの。真田さんの方が正しいかもしれないよ?まずは自分の未来から推測してみる。それで、相手は自分と違うから、別のパターンも考える。そうやって何通りも考えて準備すると、本番で緊張せずに済む」
遠くの信号が赤になり、車を徐行させながら、話を続けた。
「でもね、あんまり先入観を持ってもいけない。あくまでもお客さんの話を聞いて、合いそうなところを探っていくのよ」
「高度すぎるテクニックです...」
夏目エリア長は首を横に振った。
「ううん、真田さんの考え方、良かったよ。今すぐ営業になってもいいぐらい…でもまずは、お客さんと信頼関係を築くことね。何から話していく?」
鳥羽さんの情報を見ると、転勤とあった。
「転勤とありますが、どこから来られたんですか...?は、どうですか?」
「いいね!あんまり尋問形式にならないように、あくまでも雑談として進めてみましょう」
雪乃は頷いた。鳥羽さんのことを想像する。転勤、全国に支社があるとなると、割と大きい会社なのではないか。本社の30代ぐらいの独身女性を何人か思い浮かべた。
共通して言えるのは、個性が滲み出ていて面白い人が多いということだ。それぞれ習い事、美容、旅行など仕事以外の趣味があり、ランチタイムはいつも何人かで情報交換をしていて笑いが絶えないようだ。
鳥羽さんはどんな人なのだろう…。
夏目エリア長と話しながら、新南花駅のバスロータリーに車を寄せると、一
人の女性の姿が見えた。
「あのお方が鳥羽さんね、おそらく」
紫の半袖のニットにアイボリーのワイドパンツが華やかだ。しかしその唇は固く結ばれている。
(怒ってる…?)
夏目エリア長とともに車から出て、鳥羽さんかどうか確認した後、挨拶を済ませた。
「今日は、新人の真田が対応しますので」
そう言われて、雪乃は背筋を伸ばして「よろしくお願いします」と言った。
鳥羽さんは表情を変えずに、「はい」と言った。
鳥羽さんを助手席に案内して、雪乃は助手席の後部座席から話しかける。
車内マナーには適っているものの、鳥羽さんの表情が全く見えずに話しにくさを感じた。
「き...今日は、お天気で良かったです」
「そうですね」
「こちらの駅は...初めてですか?」
「はい」
用意していた会話が全く続かず、雪乃は酸欠になってしまいそうだったが、なんとか続けようとした。
「あ...鳥羽様は、転勤で...」
「転勤じゃないわ」
突然ぴしゃりとした声で言われて、雪乃は怯んだ。
「私、離婚して、仕事も辞めたの。全く知らないこの街に来ました」
その言葉に、雪乃は完全に酸欠になってしまった。
(第五話につづく)
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