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効率化できない仕事だから、育児は記憶に残る。

仕事では、いつも効率を考えている。

どうすれば短い時間で成果を出せるか。

無駄な作業はないか。

もっと良いやり方はないか。

人事の仕事をしていると、そんなことばかり考えている。

効率化は、仕事の価値を高める。

だから私は、仕事で効率を考えることが好きだ。



でも、育児は違う。

歩いて買い物へ行く途中、小さな川がある。

そこまで来ると、娘は決まって言う。

「パパ、亀さん探そう!」

スーパーまでは、あと少し。

でも、そこで買い物は一旦止まる。

二人で川をのぞき込み、

「あっ!」

「どこ?」

「あそこ!」

娘が指をさす方を一緒に探して、ようやく亀を見つける。

一匹見つけると、

「もう一匹いるかな?」

また探し始める。

気づけば10分、15分。

スーパーまでなら、とっくに着いていたはずなのに。



正直、

「早く買い物を済ませたいな。」

そう思う日もある。

抱っこして歩けば早い。

「また今度ね。」と言えば早い。

効率だけを考えるなら、その方がいい。



でも最近、気づいたことがある。

あの日、何を買いに行ったのかは覚えていない。

スーパーで何を買ったのかも思い出せない。

でも、

娘と川をのぞき込んで、

一緒に亀を探した時間だけは、不思議なくらい鮮明に覚えている。



仕事でも、たくさんの改善をしてきた。

会議を短くしたことも、

業務を効率化したこともある。

どれも大切な仕事だった。

でも、一日一日を細かく思い出せるわけではない。



一方で、

育児の毎日は、とても非効率だ。

立ち止まる。

寄り道をする。

予定通りには進まない。

でも、その「非効率な時間」ほど、あとから振り返るとよく覚えている。



仕事では、効率化することで価値が生まれる。

育児では、効率化しないことで価値が生まれる。

同じ「時間」を使っているのに、その価値は正反対なんだと、親になって初めて知った。



あの日、何を買ったのかは忘れた。

でも、娘と亀を探した時間だけは覚えている。

きっと、これからも。

だから私は思う。

効率化できない仕事だから、育児は記憶に残る。



最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

このnoteでは、シングルファザーとしての子育てや、人事の仕事を通して感じたことを、一つひとつ言葉にしています。

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